満を持しての登場でした
春雨との誓いを超えて、翌日。今日も今日とて白露型との暖かな時間。
さあ、今度は五日目。五と言えば、名前にも入っている通り。ドジっ子の極みにして、尽す系の可愛い彼女。そうさ。
白露型駆逐艦・六番艦の彼女。五月雨が。
「夕立、入室します!」
――腰まで伸ばした黄色の髪。不安に揺れて涙がにじむ緑色の瞳。宝石みたいだ。すらりとした手足。緊張に竦んでも、どこかお嬢様みたいな柔らかな雰囲気。
元気いっぱいの少女と知らなければ、深窓の美少女なんて言葉が似合いそうだ。
しかし、色々と知る俺があえて他の動物に例えるなら、不安げに揺れるゴールデンレトリバー。それは俺が、彼女に艦これの夕立を投影しているからなのだろうか。
ああ。ああ。…えっ!? ゆ、夕立だ。夕立だ!!
夕立だ~!! い、いやね。皆が嫌だったわけじゃ絶対にない。ないんだけど。
彼女は、夕立は別格過ぎる。俺が最もお世話になった駆逐艦娘で。響とかに悪いけど、この世界でも、いずれ最強の駆逐艦に至るとすれば彼女なのだと。
確信しているんだ。それはまあ、前世の記憶も込みの話だが。こうまで戦い続けた一個人としても、彼女の内に眠る本能は期待している。
というか、そんな実利を完全に無視しても。
『提督さん。ほめてほめて!』
やばいやろ!! やっばいやろ!! あ~わしゃわしゃと頭を撫で回してえな。ゲロ吐くほど嫌いな戦闘指揮も、彼女の笑顔が見られるなら良いもんだぜ。
ふふ。これが響とかなら。
『戦闘を終了した。帰還するよ。司令官、お疲れさま』いっぱいちゅき。
ふう。彼女の事を思い出して落ち着いた。…響が恋しい心もあるらしい。
いやしかし。ど、どうした。何があった。色々と問いかけたくなるのだけど。
滅茶苦茶緊張している彼女を見て、俺から変に問いかけてしまうのは不味い。何度も失敗して学習した。俺も成長しているんだ。
おっけい。クールになれ。落ち着け。自然な流れで行こう。
「今日はよろしく頼む」
「よ、よろしくお願いしますっぽ……」「ぽ?」
「ぽ、ぽ、ぽ」
八尺さまかな? ああでも、夕立と白ワンピースってやばいな。破壊力がありすぎる。お日様が輝くひまわり畑とか。最高だ。いつか見てみたい。
でもまあ、今の俺と夕立がそんな状況になるのは創造がつかないぜ。天地創造だぜ。わけが分からん。…俺としてはなあ。
『お願いするっぽい!』
って、元気いっぱいに言ってほしいわけだがね。仕方ないね。
「ポメラニアンは可愛いですね!!」
ぐるぐると模様が見えそうな程の混乱を乗せて、唐突な叫びが部屋に響いた。
「そうだな」
夕立の顔が真っ赤に染まる。夕空模様の羞恥な感じ。萌えと不安が、俺の心にも混ざってきた。