いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

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絶望の残滓、希望へと繋ぐ。です

 改めて、戦闘指揮を語ろう。いちゃらぶの気配が消えすぎである。仕方ないね。

 様々な世界の広がり方を見せる艦これ。指揮だって、様々な考え方が存在していた。

 全て艦娘の意思に任せる。オーソドックスなやり方。船の操作の如く。提督が完全に操るやり方。珍しいので言えば何だろう。提督自身が艦娘に変身するとか?

 

 提督と艦娘の繋がりとして、最も分かりやすいからこそ。最も差異が出やすい所かもしれない。

 そうして、俺がいる世界の指揮とは――最悪な形での複合型。

 艦娘と意識を結合する方法。魂の一部、意識の欠片が夕立と接続する感覚。

 

 言葉にすると分かりづらい。最も近いのは、夕立を操作するコントローラーを握る感じ。これも若干違うのだがね。透明な力を操って…ううむ。説明しづらい。

 艦娘は俺で、俺は艦娘なのだけど。俺は俺で、艦娘は艦娘みたいな。意味不明だ。

 だがまあ、相手を殺す感覚を得る。戦いの恐怖を感じる。

 

 艦娘の心を感じて、反する動きをすれば邪魔になり。彼女たちが負傷すれば、ダイレクトにストレスが与えられる。

 ああまったく。大した設定だなクソッタレ。まあ、彼女たちの痛みを少しでも感じられるのだから、悪いことばかりでもないのだけど。

 

 何故、出撃する人数が限られているのか。どうして、狙った敵に必中しないのか。何で旗艦がやられると、撤退してしまうのか。

 この問題共の理由に、多少なりとも結論が出せる考えなのは認めよう。

 

 出撃可能人数は、純粋に提督の限界値だ。人間の脳みその限界とも言える。個々人を精密に操るわけではないのだが、出撃者全員を、意識しているのは変わらない。

 そうだな。コントローラーなんて例えも、かなり間違っている。ふんわりとした理解でしか語れない。感覚が全ての世界。

 

 次に語るとすれば。そうだな。

 あまりにも杜撰な狙いは、提督と艦娘の息が合っていない証拠。砲撃戦という精度が絶対の世界で、この指揮の在り方は酷すぎるのだ。

 

 旗艦負傷での撤退は、力が旗艦から流れているから。一応だけど。旗艦が負傷していなければ、契約を移せる。というと言葉が重たくて、わけが分からないか。

 コントローラーが壊れてなければ、操作は自由みたいな。そんな感じ。

 

 まあ、そんなのはどうでも良くて。理由なんざ適当に作れるのだけど。

 この指揮の在り方で最も残酷だと思うのは――提督の力量が、ダイレクトに結果へ繋がっている点だろう。

 

 そりゃあ、死に物狂いで鍛えるよね。でも沈むんだよね。どんなに頑張っても、沈む時は沈むんだ。徹底的にやった俺でさえ、一人沈ませてしまった。

『司令官さんなら、いつかきっと静かな海を取り戻せるから』

 

 絶望を前にしても尚、気弱で泣き虫だった彼女が。あの娘達逃げ切れたかな、なんて心配しながら。俺に遺した言葉を覚えている。

『生きて、どんなに泣きたくても、笑いながら生きて! 幸せになって!』 

 肉の盾作戦も、果てしなく残酷な考え方だったんだろうね。は、ははは。

 

 笑えねえ。笑えねえよ。いちゃらぶ日常が消えちまう。残酷な在り方さ。

 嫌だ。まったくもってつまらない。だから、俺は強くなったんだ。仲間達と共にね。

 それはそれとして、夕立との初出撃であった。気ばっていこう。


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