「た、戦い。戦い…!」
意識を埋没させてくっぽい。緊張なんてどうでもいい。提督さんに負担はかけられないの。戦う。戦うんだ。
『良い天気だなあ』
ぽつりと聞こえてきた声。えっと、えと。あ、そうだ。提督さんの…。
「ぽ、っぽい!?」
忘れてた!! 提督さんと繋がってるんだ。
魂に響くような声。見守る暖かな心が伝わってる。なにか返さなきゃ。
「そ、そう思うっぽい!」
『お日様があったかい。そう思わないか』
のんびりした声が戦場を忘れさせる。ゆるゆるとしてるっぽい。
「…お昼寝日和っぽい」
自然と言葉が出てくれた。あんまりにも提督さんが柔らかくて、視界も広がってく。
『だなあ。ふ、わあ』
またまた自然な欠伸。暖かい。のんびりした心地っぽい。
「提督さん。おねむっぽい?」
『ん~、そうだな。お日様を浴びると眠くなるだろう』
お日様気持ち良いっぽい。あったかくて、のびる感じ。ふふふ。お昼寝はすてきね。
「夕立とお揃いっぽ…お揃いですね」
言葉の変化にも今気付く位、緊張してたみたい。
今更取り繕うのは嘘っぽい。とっても恥ずかしいわ。
『ふふ。落ち着いたようで何よりだが、敬語は要らんよ』
「ぽ、ぽい~」
困っちゃう。でも、変に気にするのも失礼っぽい。
『ふふふ』
嬉しそうな笑い声。皆から聞いた通りの提督さん。ん。頑張りたくなってきたっぽい。
『水平線を見つめてごらん』
――どこまでも広がってる海景色。果てが見えないのがとっても綺麗で、手を伸ばすけどぜったい届かない。
どこまでも行けそう。平和な海域は、飛び跳ねたくなるほど澄み渡ってる。
「とっても、とっても広くて…良い景色」
『ん。下を見てみると良い』
ゴミや汚れのない綺麗な海色。深海棲艦が現れて、消えた後は不思議な位透き通ってる。浄化って、皆は言ってたっぽい。
「綺麗な海色っぽい!」
『新鮮なお魚も泳いでいるんだ』
「お魚?」
そういえば、お魚さんが泳いでるのを見たことがないな。皆で釣りも楽しいっぽい。
『夕立はどんな魚料理が好きだ?』
「おいしいの!」
焼いたり煮たり揚げてみたり。いっぱい美味しいのがすてきね。
『ふふ』
愛しそうな笑い声。どうしたのかな?
「ぽい?」
『いやなに。白露もな。同じような答えだったんだ』
「お揃いっぽい」
白露は皆の為にがんばってるっぽい。駆逐艦だとか気にしないで、周りを気にしないで戦える人。夕立とは違う。
夕立は戦いしかない。…こそばゆい言葉だけど、尊敬してるっぽい。
『だな。俺も美味しいのが好きだよ』
「提督も夕立達とお揃いっぽい!」