昂ぶりもそのままに。迷いなく敵艦隊へと進み続けた。
そして、敵艦隊を発見。さあ、この昂ぶりを受け止めてもらいましょう。
「敵発見しました!」
駆逐艦が二隻。イ級、最も弱い相手。二体いたとしても、絶対に負けない。
提督さんの力を感じているの。負けられないっぽい。いや。
勝ちたい!! 勝つんだ。勝って胸を張ってみせるんだ!!
『…やはり駆逐か』
どこか安心した様な言葉だった。…戦艦でも相手取れるなんて、言えないっぽい。
でも、とっても言いたいっぽい。がんばろう。
『いけるな』
迷いのない声は問いかけですらなく。淡々と確信を与えてくれたから、暖かい気持ちが溢れてくるっぽい。
「いつでも!!」
威勢良く言ったのは良いけど、相手に先制を取られちゃった。
駆逐イ級の砲撃。いつもなら何とか避ける状況。でも今は――時が止まってる。
未来が見える。どこに着弾するか確信してる。頭の奥底が疼いてる。提督さんの思考と融け合ってるっぽい。…気持ち、良い。
お風呂に入ってるっぽい。リラックスして、とけてて。あったかくて。
なのに、魂の奥底が冷えてる。戦い。ああそうだ。今、夕立は戦場にいるんだ。
「安全な所が見える! こっちに避ければ良いっぽい!!」
落ちる地点が分かった砲撃を、わざわざ当たる必要はないっぽい。
でも、提督さんの理想通りに動けないっぽい。出力が安定しないの。
ふふふ。だからこそ、なんて傲慢かしら。短時間で提督さんを分かったつもりなんて。おかしいっぽい。
でもね。確信してる。――そっちの方が面白い!!
「今度はこっちの番かしら?」
攻撃に意識が切り替わった瞬間。敵艦隊の心まで読めるっぽい。
どの方向に、どれ位の速度で動くか分かってれば。止まってる的に撃つのと同じ。
それで外すほど柔な訓練はしてない。
「そっちは行き止まり! 逃げ場はないっぽい!」
想いを込めて、熱く。一撃で壊しきる力を込めるよう。
「当たって!!」
言葉と共に放たれた砲弾は、吸い込まれる形でイ級へと命中した。
そうして轟沈。衝撃の響く鈍い音がお腹にまで届いて、呆気なく一体を倒した。
「やった!」
『よくやった!』
私以上に提督さんが喜んでくれてる。ふふ。だったら、もっと頑張れるっぽい。
「提督さんのおかげっぽい!」
あんな感覚は初めてだった。どう過ごせば、あそこまで集中出来るのかな。
とっても気持ち良い勝利。なんだろう。ぞくぞくして、どこまでも到達できる気持ち。魂のその先を感じてるような。うう~分からないっぽい。
『訓練の成果さ』
静かな言葉。つながりから、とっても喜びを感じるからこそ。なんだか可愛いっぽい。うきうきを隠す子供みたいね。ふふ。
よ~し。がんばるぞ。絶対に勝って帰りましょう。
『残りは一体だ。油断や慢心もなく。殲滅するぞ!』「ぽい!」