「敵の増援っぽい」
ここら辺の海域だったら、駆逐艦しか見たことがないっぽい。軽巡が出てくるのはおかしいっぽい。
となると、もっと奥には強いのがいるっぽい? 戦艦、空母、潜水艦――楽しみね。
「うむ」
ああ、駄目。提督さんが不安そうな顔してるっぽい。表面に出てなくても、怯えてるの。強くなりたい。もっともっと強さがほしいっぽい。
自分の壊したい想い、壊れたい欲望すら超えて。強すぎる位に強くなりたい。
「難しい顔をしてるっぽい」
「そうでもないさ。ただ臆病なだけだ」
それは嘘じゃないっぽい。…船の上の兵隊さんも、いっぱいの怖いと嫌だを抱えて戦ってた。それでも、死んでも守りたいモノがあるっぽい。
提督さんの顔もそう。そうやって頑張り続けて、今の提督さんがあるの。
応えたい。夕立は艦娘だから、戦うために生まれてきたから。
「努力あるのみ。結局、そこに行き着くのが結論だ」
「ふふふ。良い言葉っぽい」
頑張れば報われるから良い言葉…じゃないっぽい。どんなに報われなくても、やるだけやり続けているんだって言う為の言葉っぽい。
「だな」
それでも。
「…今日勝てたからね」
「うん?」
優しく微笑むあなたの瞳を真っ直ぐに見つめて、ここに在る夕立の言葉を届けたい。
「夕立は提督を信じてる。提督も夕立を信じてくれたから」
魂の底から溢れた改二の力と、これから歩み続ける道のりを信じてる。提督さんが素敵で、仲間や姉妹達も大好きで、だから。だからね。
「もっと、もっと強くなれるよ」
「ん。ありがとな」
安堵したような、泣き出しそうな笑顔でいてくれた。…ん。嬉しいっぽい。でもでも、いつかは満面の笑みにするっぽい!
「ふふふ。ハンモックを張ってでも戦うっぽい!」
「ならば、そのハンモックを最高級品にしようじゃないか!」
よく分からない不思議なノリで、お互いに笑顔っぽい!
「夏になったらキャンプも良いっぽい。皆でお祭り騒ぎにするっぽい」
皆で仲良く山に行くっぽい。海も素敵ね。花火だって楽しめるっぽい。秋はいっぱいおいしいのがあるっぽい。冬は雪合戦!
楽しみで楽しみで仕方ないっぽい~!!
「他鎮守府との交流も良いかもな」
「交流戦もやってみたいっぽい」
絶対に勝つ。今まで戦艦と空母の皆に負担を押しつけてたの。だから、強くなれたって見せるんだ。
皆のおかげで、駆逐艦や軽巡の艦娘も戦えるようになったって、精一杯をぶつけたいっぽい。
「駆逐艦と軽巡洋艦の力を、見せつけたいっぽい」
その時の為にもっと強くなるの。ふっふっふ。提督さんがいてくれれば、強くなるまでの道のりも素敵ね。
「ようし。楽しみだな」「楽しみっぽい!」