いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

208 / 322
ドジっ子です

 最悪の場合、本当に最悪の場合は、響と俺で殲滅する。応援すら願えず巣が活性化し、鎮守府に危険が及ぶ場合などだ。こと巣の殲滅に関しては、長門がいてほしかった。

 響は生存に特化している。殲滅戦は向いていない。

 

 当然と言えば当然だが、駆逐艦は脆い。狂った様に練度を上げているだけで、響も駆逐艦だ。

 一発、まともに砲弾が直撃すれば辛い。それでもやるしかねえ。逃げるなんて論外。逃げ場なんてどこにもねえ。

 

 あ~あ嫌だね。どうしてこう、甘い日常だけで過ごさせてくれねえのやら。

 どうせ響と過ごすなら、のんびりと海を楽しみたかった。というか久しぶりに話すのに、全然いつもの感じじゃない。

 などと運命に愚痴ってもしょうがない。頑張らせてもらおうか。

 

「提督、お茶を…きゃっ!?」

 五月雨が転び茶飲みが宙を舞う。お湯が降り注いで俺のズボンを汚してしまった。かなり熱い。俺のおれが悲惨な目にあっている。

 

 ありがとうございます! ありがとうございます!! …じゃない。落ち着け。ふう。まったくもって違う。ふう。そんなモノ、このチャンスに味わう事ではない!!

 

 なぜか転んで、しかも四つん這いになっている彼女の姿。

 はからずも、何故か俺に尻を向けている。めくり上がったスカートが示す理は――水色パンツの奇跡である!!

 

 小ぶりながらもハリを感じる尻を、守るように、寄り添うように覆う神秘の布きれ。

 汚れ一つないその下着は、彼女らしい清楚な雰囲気を感じる水色で、尻の形に皺の寄った姿は、なんというかリアルな破壊力を伴っている。

 網膜と魂に刻まれる一瞬。瞬時に視線を外す。気付かれたら不味い。

 

 うっひょお!! ぱ、ぱんつ、パンツです!! 刻みつけろこの一瞬を! 焼き付けろ我が網膜に!! 燃えろ魂、我が軍神の誇りよ!

 本当に堪らんですばい。えっ? なんで薩摩? 

 

 いやもう。うひょひょ! どうでも良いぜ!!

 さあさ、いざいざ毘沙門天の加護ぞある! 日光よ照覧あれ!!

「っうう…」

 

 落ち着け! 痛がっている五月雨の前で発情している場合か!? 今だ。響のガチな罵倒を創造しろ。

『私のパンツの方が良かったよね?』

 ふぅ~!! 良いねえ。全然興奮を鎮める気がねえな!!

 

 いやでも、響が帽子を目深に被りながらさ。こう。赤面しつつよ。そんな事を言ってみろって。もうやばいって。もうやばやばだって!!

 ……やっぱりパンツを見られていた事に気付いているイメージで進むんだよな。不思議である。

 

「大丈夫か?」

 割と勢い良く転んでいたように見える。艦娘でも不意を打たれれば痛かろう。そもそも艦装を出現させていない。肉体の性能は違うが、やはり痛みは感じる筈だ。

 

「あ、その。ご、ごめんなさい!!」

 大慌てでわちゃわちゃとしている。軽く涙も見えた。余程、今回の失敗が堪えたらしい。俺も今回はフォローがしづらい。

 まさか馬鹿正直に、パンツが見えたのでOKですなんて言えない。

 

「ああっ、こんなに濡れちゃって。お拭きしますね!」

 ちょっ! そ、それはいかんぞ!! 俺のリトルボーイじゃなかった。ビックマグナムが暴発してしまう! ビックだから! 暴発しちゃう!!

「だ、大丈夫だ。それよりもケガはないか?」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。