にまにまと笑う龍驤を流しつつ、茶を淹れた。
「おっ、ありがとさん」「ああ」
そうして二人で茶を啜りながら、時間が流れていく。
体の奥底の緊張が解けていく。落ち着いていた。
久しぶりの感じだ。他の艦娘とは違う。龍驤にだけ感じる、実家に帰ってきたような安心感を覚えていた。
抱擁力が凄まじい。小柄な体に収まらない心の広さだ。
のんびりと時間が流れている。隣に座る龍驤も眠そうであった。このまま昼寝も良いかもしれない。偶には肩でも揉んでやろうか。
そう考えた時、不意に彼女から声をかけられる。
「なあなあ創」
少しだけ真面目そうな雰囲気だった。真剣と言い換えても良い。龍驤のこんな空気は、それこそ久しぶりだった。
応じて、低い声で言葉を返そう。
「どうした?」
言葉を返してから、茶を飲んだ。変な緊張を感じていた。本当に何だろう。
「男って、でかいおっぱいが好きなんか?」
「ぶほっ!」
突然の言葉に耐えきれず噴き出した。いや、好きだけど。
他ならない龍驤にそれを言われると、さすがに耐えきれないのだが。母親にエロ本が見つかったような気持ちになるのだが。
「あ~汚いやん。大丈夫なん?」
優しく背中を摩ってくれる。小さな手だが心地良い。少し落ち着けた。
「いきなり何を言っているんだ」
本当にな! ジト目で見つめると、決まりが悪そうに言葉が返ってくる。
「天龍のおっぱいが好きなんやろ」
「別にそういうわけじゃない」
間髪入れず言葉を返した。今度は龍驤の眼がじと~っとした雰囲気を帯びる。嘘偽りは許さないと言いたげだった。
「嫌いなんか?」
声も低い。割と真面目に問いかけられている。
「…す、好きです」
自分の顔が赤い自覚はある。何を尋ねられているのだ。戦友との久しぶりの再会で、なんで性癖を語っているのだろう。
「じゃあ、おっきいおっぱいじゃないと駄目なんやな」
――否! 断じて否!! ネタにしているから弄っていただけで、俺はちいさい胸も大好きだ!!
なぜ、小さな乳を貧乳と言うのだろう。まず言葉がおかしい。
ちいさくてもおっぱいなのだ。おっぱい。おっぱい!
貧しい乳? そうではない。小さな乳。子供乳、掴みきれない重量感のある巨乳は堪らんが、掌にすっぽりおさまるサイズも素晴らしい。
そうして、鼓動が伝わるほどの小ささも愛おしい。
何より大切なのは感度だ。いや、愛撫した事はないけどな!
でもでも、小さい方が感度がすごい気もする! 何より垂れる心配性がない。いや、小さな乳も垂れるらしいけどさ。
後ね。こう…やっぱおっぱいって良いよな!!
揉んで良し、舐めてよし、こすりつけて良し!!
小さければ、完全に口へ入れて羞恥を煽っても良し!! 最高じゃねえか!!
そういう事である。この熱量で語ったら引かれそうなので、止めておこう。
「何か悩みでもあるのか?」
「いやな。そろそろ戦争が終わりそうなんよ」