何故か張り切った様子の龍田が食堂へと向かって、すぐに執務室へと戻ってくる。お盆に料理を乗せている。二人分の食事を用意してくれた。
肉じゃが、白米ごはん、みそ汁、卵焼き。デザートは大福だ。
「いっしょに食べましょうね~」
食堂まで結構離れている筈なのだが、調理を考えても随分と早い戻りである。
「「いただきます」」
二人で食事を始めていく。芋を一口食べてみると、ほくほくして美味かった。味のしみこみが足りない分、多少濃いめに味付けされたらしい。
手短に作りつつも、おいしく食べられる工夫を感じる。
むう。龍田からは何も言わないが、彼女が作ってくれたのだろうか? だとすれば、時間を大切にしつつも、美味しくしたいと思ってくれたのだろう。
そこだけを考えるならば、俺との時間を嫌だとは思っていないのではなかろうか。童貞の勝手な妄想だろうか。
「…提督、おいしくないですか?」
とても不安そうな声で聞いてくる。一々可愛いやつだ。
「いや美味いぞ。龍田が作ってくれたのか?」
「天龍ちゃんで慣れてるので、肉じゃがは少し不満ですけどね~」
嬉しそうに言っていた。可愛い。天龍の方が姉なのだがね。世話を焼くのは龍田の方らしい。創作でもよく見た光景だが、俺がいる世界でもそうなのだろう。
とはいえ、天龍の姉御パワーは凄い。駆逐艦がよく懐いているのは、天龍の方である。双子に近い関係性なのかもしれないな。
等とぼんやり考えながら食事を進める。俺も料理が出来るから伝わるのだが、すごく丁寧に作られていた。食べやすい工夫がされているのだ。
例えば、食材が均等に切られていたり。火の通りをよく考えている。
「龍田は料理上手だな」
そうして気づかい出来る人でもある。嬉しいね。
「慣れてますね~」
のんびり口調で言いつつも、嬉しそうに照れていた。
やはり敵意や嫌悪は感じられない。ほわほわとした雰囲気で分かりづらいが、嫌われてはいないと思う。
だからこそ、よく分からんなあ。
俺は別に恋愛感情が分からない天然ではない。とは思っている。
いや。自意識過剰で悪いが、やはり龍田のソレは恋愛っぽくない。真面目な雰囲気を引きずっている
なのに、妙に照れつつ緊張しているんだ。謎である。
「提督、おいしいですか?」
期待の篭もった微笑みで問いかけてきた。可愛い。
「美味いぞ」
率直に、あと柔らかな声で言葉を返す。
「えへへ」
本当に嬉しそうな笑顔で受けてくれる。そういう龍田も美味そうに料理を食べていた。…俺との食事だから、も少しあるのかね?
いやしかしまあ、何とも照れる雰囲気だった