いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

253 / 322
贅沢なランチです

 それから少しの仕事を終えて、すっかり昼飯時になった。

「お昼にしましょ!」

 随分と明るい声だ。警戒心は消えているように見えた。素直な暁らしい。打ち解けた雰囲気が心地良かった。

 

 ふむ。それならば彼女の好物を作ろうか。暁の反応も楽しみだけれども、純粋に俺も食べたいのだ。

「俺が作ろう」

 そう言って執務室に隣接した、調理用の部屋へと移る。

 

 それなりの設備がある部屋だ。簡単な料理だったらここで作れる。…今更だが、そんな部屋を作ってしまったから、間宮食堂にお邪魔する機会が薄いのかもしれない。いずれは皆と飲み会もしたいのだがね。

 手早く調理を済ませて、彼女が待つ部屋へと運ぶ

 

「ありがと……って、お子様ランチじゃない!」

 並べた料理はお子様ランチであった。暁と言えばこれだろう。

「子供扱いしないでよね!」

 

 良いリアクションだった。それでも強い拒絶は感じなかった。良いね。ちらちらと食べたそうにしている。うんうん。

 期待以上の反応だった。愛らしいやつだ。

 

「好きなんだ」

 暁のリアクション狙いだけじゃない。俺は純粋にお子様ランチが好きである。

 なんとなく子供に戻れるような気がして、とても楽しく食事が出来るのだ。

 

 大人に憧れる暁の気持ちも分かるが、俺としては無邪気な子供時代は得がたいと思うのである。

「好きな料理を少しずつ食べて」

 チキンライスやエビフライ。タコさんウインナー、ハンバーグにからあげ。好物ばかりを揃えている。ほっと温まるコーンスープも素晴らしい。

 

 我ながらよく作り上げた。こうして作ると分かるけど、大した手間がかかっている料理だ。

「しかも最後は素敵なデザートだ」

 みかんゼリーを用意した。さっぱりとした甘みと酸味が良い。

 

「これ程の贅沢も早々あるまいよ」

 しかも今は実質戦時中だ。好物だけを選んで食べる最高の贅沢である。

「そうかしら?」

 意地を張る暁も本当は分かっているのだ。

 

 困った様に彼女は微笑む。…思っていたより、大人な印象を覚えた。ふむ。幼さは残しつつも、艦娘として成熟した部分もあるのか。

 いや下ネタじゃなくて。暁の水平線に勝利を刻む的な話じゃなくて。

 

 まあ、戦場を何度も経験しているんだ。大人びた部分があっても不思議じゃない。

「そうだとも」

 迷わずに答えると、小さく頷いてくれた。さて。

 

「「いただきます」」

 二人で声を合わせて食事を始める。一口、チキンライスを食べてみた。美味い。中々の出来だ。

「…ん。おいし」

 

 ほっと嬉しそうに暁が笑ってくれた。作りがいのある反応だった。これが世にいるお母さん、或いはお父さんの気持ちなのだろうか?

「そいつは良かった」

 胸が温まる時間を彼女と過ごしていく。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。