再びの一番艦です
暁との大切な一日から翌日。彼女に言われた通り、響が落ち着くまで日数を置こうと思っていた。
そうして、既に深海棲艦の巣は完全に片付いている。
かねてよりの予定だった白露型姉妹との、付き合いが始まろうとしていた。
「誰が来るかね」
思わずひとり言がこぼれた。そうなのだ。誰が来るのか、今日は完全に分からない。思わぬ予定変更のおかげで、本当にランダムである。
だがまあ、山風はまだ来ないだろう。
それこそ切欠の白露のおかげで、随分と印象は変わっている。けれども、幼く引っ込み思案な彼女が、自発的に来るのは考えづらい。
…なんか、そう考えると提督権限で無理矢理しているみたいだな。
「あながち間違いでもないか」
執務室でのんびりと過ごしていると、綺麗なノックの音が聞こえた。それだけで丁寧な印象を覚えるものだ。
江風や涼風は考えづらい。誰だろう?
「どうぞ」
「失礼します」
入室してきた少女の姿。輝くような銀髪を編み込んだ一本を、後ろに流している。腰近くまであろう。美しい長髪だ。
凜とした面立ち。静かな微笑み。何よりも翡翠色の瞳が印象的な美少女だった。
そんな彼女の魅力を更に引き立てる服装。腋の出たノースリーブ型のセーラー服と、肘まで覆う黒の長手袋が素敵である。
というか、すけべ過ぎない? なんでそんなに腋を強調しているんだ。
最早あの腋はすけべの化身と言っても過言ではない。
『触ってみますか…?』まずここで一度達した。嘘だ。
そもそも腋は触るものじゃない。くすぐる。舐める。挟んでもらう。そんな場所だ。俺を舐めるんじゃない。
でも指先でつんつんとするのも。
落ち着け。落ち着くんだ。何を考えている。こほん。
「提督?」
訝しげに俺を見つめていた。窺う眼差しは優しかった。意識が目の前の相手へと戻ってくる。
そうして、当然の様に駆逐艦の領域を超えた巨乳。黒ソックスで飾られた美脚。凜々しさを前面に出しつつ、母性も感じる。
えっ? 性的過ぎひん? 思わず関西弁だ。龍驤が乗り移っている。それでいて色気はなく。爽やかな魅力が溢れている。
「改白露型の一番艦、海風です!」
そう。今日は白露型駆逐艦の七番艦。及び改白露型の一番艦、海風が来てくれていた。
「本日はよろしくお願いします」
深々としたお辞儀は彼女らしく。丁寧で柔らかな印象を感じられた。結果的に強調される胸がやばい!
おっと。落ち着け。そもそも俺は響に操を立てた身の上だ。
「よろしく頼む」
クールに進めていこう。それこそ響の如く。表面上は冷静にいくのだ。
絶対に海風の魅力に負けたりしない! ――やっぱりあの腋には勝てなかったよ……と、ならないようにするのだ。
そんなこんなで、海風との一日が始まっていった。