「川内さんは勘違いしているかもしれないけど、司令官は楽しくて此処にいるんだよ」
さすが響。俺の心をきちんと理解してくれている。
楽しく楽しくて仕方がない。ずっと大好きだった皆と、こうして触れ合えるのだぞ。
全オタク共の夢と言っても良い。これを思えば、ここまでの苦難なんぞ楽勝だ。
「そうだとも。俺は君達の在り方を好ましく思っている。だから、もし良ければだが」
色々とぼかしてはいるけど、始まりの一歩として本音で語ろうか。
一度だけ深呼吸をした。怖い。どきどきと胸がうるさい。
「君達の日常に、俺も混ぜてはくれまいか」
言葉を聞いて、川内が静かに目を瞑る。怒りはない。拒絶も感じられない。
ただただ俺の心を受け止めてくれている。夜の海みたいな、静かな優しさを感じられる。いつも楽しそうな彼女の在り方。それでいて、長女としてどこか強い在り方。
ネームシップ。一番艦として素晴らしい。
川内が、穏やかに眼を開く。自然と楽しそうな笑顔を浮かべて、バカみたいに明るい声で言うんだ。
「…そっか。うん――じゃあ夜戦だね!」
「ほう」
夜戦いただきました!! 夜戦っ! 夜戦っ!!
この楽しそうな顔ときたら。眼もきらきらさせやがってこのこの。
そうじゃなくてはな。ふっふっふ。夜は良いよねえ。夜はさ!
ふう。良いぜ。川内が望むなら、何度でも徹夜をしてやる!
「今日私は夜あいてるから、飲み物とか用意して部屋に行ってもいい?」
台詞はエロい! だけど全然エロくない。ふふふ。なんか良い。こういうの良い。
修学旅行の感じみたいな。こう。青春のアレがある。
良い。そんな歳でもないからこそ、良い。
「ありがたい」
でも言葉が出てこない。凝り固まった疲労と同じ。中々治らないね。
「那珂と神通には悪いかもだけど、夜通し語り合おうよ!」
「川内さん。そこに私の席はあるかな」
少しもうしわけなさそうに響が言った。いやいや、どんないじめだよ。
逆に響の方が、姉妹との付き合いでこないかと思っていた。
俺からすればだけど、彼女がいないと不安で仕方ないんだぞ。
川内だって嬉しそうに笑っている。ああ。本当に彼女らしい。無邪気な笑顔。
この笑顔が見られただけでも、今日の夕食は最高だった。
「ふっふっふ。もちろんだよ。いっぱい話を聞かせてね」
「任せて」
楽しそうに笑う二人。仲良しな姉妹みたい。
俺も楽しみだ。色々とあって疲れていたけど、疲れが吹っ飛ぶほど期待している。
ふふふ。早く夜が来ないかな。夜戦。夜戦だ!