川内さんです
夕暮れ時。大好きな夜の訪れを感じる。
食堂で皆が楽しそうに食事をしてる。和気藹々。平和な証拠だね。
静かな夜は好きだけど、騒がしい平穏も悪くない。そんな中。
とても、珍しい人が現れたんだ。
創提督。着任から二ヶ月程度。でも私たちは、彼の話をよく知っていた。
曰く、軍神。人の領域を越えた存在にして、最善の軍隊を構築する者。
実際ここに着任してから、ものすごい早さで体制を整えて、資材の供給を安定させてる。すごい人だけど。他の皆の反応。
食堂に現れた響と提督を見て、私以外の艦娘が逃げようとしてるのを見た。
散り散りに皆が去ってく。任務もあるだろうけど、絶対にそれだけじゃない。
提督の反応はない。響は…ちょっと怒ってるね。分かりづらいけど、内に秘める心は人一倍義理人情に燃える子。皆を理解しつつも、この状況に怒ってる。
川内型の長女として、逃げてられない。
なんて言うほど真面目には生きてないけどさ。
勘違いされてもおかしくない反応。ちょっと酷いんじゃない? と言えない程度には、提督の姿は怖いけど。
一言で言うなら死神。もう少し付け加えるなら、周囲に威圧を与えてる。
私は神通の影響で練度も高いし、圧力には慣れてるけど。駆逐艦の子たちとかは、近寄れないよね。そりゃあ、戦闘なら艦娘が勝つけど。
そもそも戦闘を想定する時点で、提督の怖さが良く分かるよ。
もちろん、皆は提督が嫌いなわけじゃない。むしろその逆。
成した功績に尊敬を。ここでの働きに感謝をしてる。
しかも見た目の怖さと合わさって、強烈に畏怖している。
私もまあ、提督を深く尊敬しているけど。
う~ん。
怖いんだよね。それも半端じゃなく。
目つきは鋭く淀んだ黒色。どす黒い目元の隈。厳しい表情。揺れぬ心。
最低限の身なりは整っているし、顔は悪くないんだけど。
いやむしろ悪くないからこそ、くっきりと浮かぶ凶相が恐怖を与えてる。
でも私は、静かな夜の海みたいに揺れない眼差しは、嫌いじゃないかな。
柄でもないけど、提督が側にいると心が引き締まって、真面目になれるんだ。
そんなに会わないし、話した事もないに等しいけどね。
ううん。そういう意味でも、提督って付き合いづらいよなあ。
二人は周囲の反応を気にもせず。らしいとは思うけど、どうなんだろうね。表情に出ないだけで、響みたく何か思ってるのかな?
響は一つ空けての隣の席に。そんな彼女の対面の席に提督が座る。
夕食。たしか提督がここを利用するのは、初めてのはず。
私も席を立った方が良かったかな。でも何も言われてない。今更逃げるのも変だ。