いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

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雷電姉妹さんとの
雷電、賑やかな出会いです


 改白露型の皆との日々が終わり。さて、そろそろ響との決着を求めている頃。明日にでもと意気込んでいる俺へ、二人の艦娘が来てくれている。

「私達二人で秘書艦をするわ!」

「電の本気を見るのです!」

 

 暁型の姉妹艦。雷と電の二人が訪れてくれていた。響と同じセーラー服姿。茶色の愛らしい髪色で、二人ともそっくりな可愛い顔立ちをしている。

 雷は活発的な、それでいて明るい雰囲気を見せている。電は静かで、それでいて柔らかな雰囲気であった。

 

 二人とも元気よく。そうして楽しそうに来てくれている。俺も随分と疲れが取れていた。そうして、どこか幼げな二人を見ていると父性が出てきた。

 ふふふ。雷に母性を見出す者や、電に慈愛を見出す者。それらを否定はしない。俺も疲れていればそうなる。

 

 だが! 今日の俺はお父さんな気分。ふふふ。普通に意味が分からん。

「元気だな」

 皆から聞いた二人の様子より、遙かに活発でやる気に満ち溢れている。思わず言葉を出すと、二人が揃って胸を張りながら。

 

「まあね!」

「今日はがんばるのです!」

 可愛らしく答えてくれた。これはヤバいな。パパになってしまう。いやお父さんか。お父さんだ。

 

 パパはほら。なんかスケベな要素をはらんでいるし。ぱぱはセーフだけど、パパはアウトだよね。スケベだから。

 

「今日はよろしく頼むぞ」

「任せて!」「がんばるのです!」

 二人揃って元気な返事。良いねえ。元気いっぱいだ。大分気持ちが落ち着くぜ。ふふふ。

 

 そうして二人との一日が始まっていく。大した仕事もないのだがね。執務机に向かってみると。

「まずは私が司令官の肩を揉むわ」

 ふんすと楽しそうに雷が背後に回ってきた。小さな手のひらで、心地良い力加減の肩もみが始まる。

 

 あ~肩より心がほぐれていく。心地良い。もう一生これで良いかもしれない。駄目か。駄目だった。

「電はお茶をいれるのです」

 ことんと湯飲みが置かれた。いつの間にやら淹れてくれたらしい。中身は緑茶だ。良い匂いがする。

 

「ありがとう」

 一口飲んでみると、うむ。美味い。ほっとする味であった。

「良い腕をしている」

「特訓したのです」

 

 と、特訓か。気合いが入っているな。それにしても妙に頑張っている。どうしたのだろう。嬉しいけれども不思議である。

「電はごはんも用意するのです」

 やる気ありげに出ていこうとした彼女を、雷が止める。

 

「それは私がするのよ!」

 肩叩きを止めて電を止めに動き始めた。止めるのか。少し残念だ。

「取らないでほしいのです!」

 おや。段々と二人の雰囲気が荒くなっている。やる気が空回りだ。

 

「こらこら。良くしてくれるのはありがたいがね」

 本当にありがたい。ただ少しのやり取りだけで、滅茶苦茶癒やされている。

「ケンカはいけないよ」

 だからこそ二人が険悪になるのは耐えられない。

 

「「…ごめんなさい」」

 しょぼんと謝ってくれた。素直な反応である。ふふふ。暴走していても良い子達だねえ。さあ、今日を楽しもうか。


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