そうして、大切な姉妹達の話を彼にしていく。
皆とっても頑張り屋さん。可愛い可愛い大切な妹達だ。
そりゃあ、あたしは一番だけどね。一番だけど…可愛さで言ったら、彼女たちがいっちばんだ。仕方ないでしょ。可愛いんだもん。
感心したように話を聞いてくれてる。うんうんとうなずいて、皆の姿を思い浮かべてるみたい。これだけ柔らかな雰囲気で聞けるのに、どうして挨拶はあんなに怖くなるの。
アンバランス。よく分からない。
「成程。夕立はもっと元気な子なのか」
「そうそう。提督の前だとかしこまってるけど、本当は無邪気な甘えん坊なの」
褒めて欲しくて頑張る子。甘えさせてと言われても構わない。大歓迎。
そんな彼女が愛おしい。なんでもしてあげたくなっちゃう。
頭を撫でると、ほんっとうに嬉しそうに笑うんだ。
あの笑顔にやられるんだ。大抵のいたずらは許せちゃう。
それで叱ってみれば。
しょんぼりと反省も出来て、誰かを傷つけない優しい子。
「だから、出来れば甘えさせてあげてほしいな」
「ふむ」
今の提督だと厳しそうだから、もっと妹達が懐いてからかな。
「時雨はね。いっちばん優しい子」
あたしよりも皆を守ろうと、必死になってる頑張り屋さん。見習う所もいっぱいある。儚げで切ない大切な妹。
「皆を守るんだってがんばってる」
だから提督も、彼女を守ってあげて欲しい。ほめてあげてほしい。
軍神の強さに縋る気もないけど、時雨の頑張りは認めてあげてほしい。
「村雨は日常を愛してる」
「ふむ」
「にこにこ笑って、皆と楽しんでるの」
皆が穏やかに笑う姿を、心から愛してる柔らかな子。
日常を一番大事に出来るのは、彼女だと思う。
提督と気心が合うのは村雨じゃないかな? 日常大好きみたいだもん。
「春雨は丁寧な子」
誰に対しても丁寧に接して、周りに気遣う大人しい妹。
しかも甘えてくる時も淡く。可愛くて、思わずぎゅっとしちゃう。
「そっと寄り添う静かな雨みたいで、愛らしい子」
まだまだいっぱい語りたい。時間がいくつあっても足りはしない。
「えっとね。もっと、もっと皆は良い子で」
大切な妹達。もっと知ってほしい。貴方が守ってくれる世界は、こんなにも輝いているんだって語らせてよ。
もう二度と、吐血だとかさせないから。したくなくなる位。
そうなる位に、世界を愛してほしいんだ。ねえ提督。あたし達もいるよ。
大丈夫。響も含めて、二人の日常が壊れないようにがんばるから。ね?
「ああ。聞いている。聞いているのだがな」