二時間位わちゃわちゃと仕事をしてたけど、全然働けてなかった!!
結局淹れたお茶はおいしく出来なかった。出来た書類も書き間違えて、やる気だけで空回り。なのに提督が嬉しそうにしてくれて、楽しくなってまたまた空回り。
嬉しそうな彼だけが成果。あんまり働けてない。
「…仕事がない~!」
涙目になってきた。提督が有能すぎる。ガンガン書類が消えていく。
今日の仕事はもう終わりらしい。まだ夕方にすらなってない。昼過ぎ程度。すっかり暇になってた。できる事はなくて、時間だけをもてあましてる。
怪しいぞ。多忙で関われないとか言っといて、時間があるじゃない。
「ねえねえ提督。普段はなにしてるの? 怒らないから教えて」
笑顔を意識して聞いてみたけど、眼に見えて提督が怯えてる。
怒ってないよ~! ほんとだよ~!
「基本的に遊んでいるな」
開き直った返答。ふふんと拗ねた子供みたい。可愛い。もっといじめよう。
「私たちが~遠征とかで~頑張ってるのに?」
ニコニコと問いかけてみたら、彼はぴくぴくと頬を引きつられせながらも。
「ああ」
無表情で答えてきた。
「……」
無言でじ~っと見つめてみる。眼に見えて動揺してる。ふふふ。
ここで笑顔になったらもったいない。がまんがまん。もうちょっと提督側の緊張を壊したい。もっともっと仲良くなろう。気を遣わないで良いんだよ。
「ずっと篭もりっぱなしだったのは、全部さぼってたの!?」
怒ったふり。提督は口笛吹きそうな雰囲気だ。本当に開き直ってきた様子。可愛いなあ。よし良い子だ。柔らかく。受け入れ合おうよ。
「いやいや。ここまで暇になったのは最近の話だ。今までは業務に追われていた」
篭もりきってたから分かってるよ。怒ったのはフリだけど。ここまで暇になってたのは予想外だった。それならもっと…あ、そうか。
それで挨拶から始めたんだ。仲良くなろうと動いてくれたのは分かってたけど、触れあい方も優しい感じ。胸が仄かに温かい。ふふふ。サポートするよ!
「ようやく落ち着きを取り戻して、皆に関わろうと思っているんだ」
「そもそも優秀すぎて、仕事が足りなくなってるのかな」
贔屓とかなしに提督は優秀だ。軽く引いちゃうレベル。戦神と言われる提督も、前線にはいるみたいだけど。事務能力含めて総合的に見たらさ。
絶対に、日比生提督がいっちばん。誇らしい。
「ああ」
「う~ん」
無愛想な返答。自然体が武骨だよね。慣れてきたから分かるけど、始まったばかりは戸惑うかも。どうしよう。あんまり考えすぎても駄目かな?
あたしの大切な姉妹達も、暖かくて優しい子達だ。
ちゃんと知り合っていける。変に気を揉むのも失礼ね。