いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

77 / 322
狡猾な賄賂です

 川内の時は運命の悪戯でなで回したが。…悪戯で撫で回したって表現がヤバい。でも撫で回したね。しょうがねいね。

 運命の導きの侭に動いたが、今度は導きようがなかろう。

 

 白露は策略に嵌めた。…いや、これも響きが悪い。いやいや。響は何も悪くない。

 響なあ。元気でやっていると良いんだがね。姉妹仲良いのは知ってるけど、どうだろうな。ぐへへ。俺も混ざりにいきたいぜ。

 などと悪ふざけな考えは止めとくとして、どうしようか。

 

「提督、僕は何をすれば良いのかな」

 透き通る声。耳を通過して脳に響く透明な声色。静かな言葉はしみ渡る。堪らない。

 いかんいかん。トリップしていた。調子が良すぎて心が暴走している。落ち着け。

「仕事は既に終わらせてある。君の話を聞かせてくれ。大切な姉妹達の話でも良い」

 

「お話?」

 怪訝な表情だ。それはそうだろう。仕事をしにきて、いきなりおしゃべりとなったのだ。

 ふっふっふ。白露から皆の話は聞いたが、時雨からも聞きたい。素直な欲望である。

 俺は白露とのやり取りで気付いたのだ。もう少し緩くいくべきである。

 

「そうだ。これまで何も関わってこなかったろう。だから、君達を知りたい」

「そうなんだ。うん。それなら微力だけど、お話させてもらおうかな」

 彼女がソファーに座る。そのまま話を聞いても良いけど。せっかくだ。

「まあ待て。今お茶と茶菓子を用意しよう」

 

「良いの?」

「俺が食べてほしいんだ」

 白露の喜んだ姿は嬉しかった。時雨も味わってくれれば、尚嬉しい。

 それにな。美少女の食べる姿は眼福である。実に幸せな光景だ。

 

「そっか。ありがとう」

 嬉しそうに微笑む彼女の心を受けながら、用意したお菓子を取りに行く。

 今度はねりきりを用意した。意外と作ってみれば簡単である。

 

 花びらをもした和菓子。白あんを形良く整えて、適当に色をつけるだけ。本職の和菓子職人ではない。これで十分だ。

「ふふ、可愛らしいね」

 桜の花を模した物を見て、愛おしそうに笑っている。

 

 そんな風に笑う時雨の方が可愛らしい。とか言ったら、確実に引かれるので止めた。

「だろう。中々気に入っている」

 今回は緑茶にした。抹茶は苦手である。手早く用意を済ませれば、嬉しそうに時雨が笑っている。

 

 ふふふ。お菓子は万人に通じる力だ。他の白露型の皆にも試そう。一番艦に似て、おいしいのが好物なのだろう。ふふふ。

「手作りなんだって?」

「ああ。白露は好んで食べてくれたが、時雨はどうだろうな?」

 

「さっそくいただこうかな。…んっ。美味しいよ」

 幸せそうに頬を緩ませてくれた。儚げな雰囲気から一転、無邪気な幼子みたい。

 良いね。胸がほっこりとする。作った甲斐があろうよ。

「ならば良かった」

 

「これだけ素敵なお菓子をいただいたんだ。がんばって話すからね」

 仄かに気合いの入った表情。空回りしそうで心配だ。

「気負わなくて良い。君の自然体を知りたい」

「そう? それならいつも通り」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。