いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

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時雨の望みです

 違う。そうじゃないんだ。俺はね。ああ。彼女の雰囲気で緩んでいるのかな。

 俺は艦これが本当に好きだった。もう二度とゲームとして出来ないけど、本当に好きだった。高難易度の海域に対し、クソゲーと言いながら、必死に越えるのが楽しかった。

 

 ウィキ頼りで装備を揃えたり。羅針盤に祈ったりした。

 それで目当てのルートを進まなくて、調べたら編成を間違えていたり。そうして得た勝利に、どばどばと脳汁を垂れ流していたんだ。

 

 艦娘は愛らしかった。嫁艦こそいなかったけど、俺は艦娘達に惚れていった。

 地道なレベル上げ。資材の確保。改造。改二とかのグラフィック変化。

 延々とクリックして、むふふと笑ったり。

 

 どちらかと言えば、俺は物語に惚れ込んでいたのだと思う。

 歴史オタではなかったさ。熱意はなかったけども。小説とか漫画を読んで。

 愛らしいキャラ達が、愛おしい世界で生きていたのを知っている。

 

 だからこの世界で、何度でも立ち上がれた。何度でもがんばれた。

 知っていたんだ。俺は、読んだことがあるんだ。色んな提督を知っている。

 俺はスケベで、えっちなのが好きで。そんな奴を抱擁できる世界だと、勝手でも思っていたから。なにせ二次創作が比較的に自由だからな。本当に広がりが大きかった。

 

 一度、目を瞑る。こうして得られた世界に感謝を。目を開いた。

「そう言ってくれるのはありがたいが、俺の本音だ」

 艦これの時雨を、目の前の彼女に投影はしない。冒涜である。

 でも、勝手な恩返しと分かっていても。どうしても、だ。

 

「俺自身欲望もある。君達は美しいからな。触れ合いたい気持ちもあるんだ」

 我ながら気持ち悪い言動だとは思うけどね。しょうがないだろう。

 画面の中から嫁が出た。とまでは言わないが、似たようなレベルの話。

 

 触れ合えるんだ。パターン化されてない会話を、出来る喜び。

 完全に俺と同じ気持ちになれるとしたら、そいつは転生者に他ならない。でも、ここまでの戦いでは出会えなかった。理解者こそいたが、俺は世界の異物なんだ。

 

「そう…なんだ。それなら、笑わないでくれるかな」

 仄かに赤面しながらの言葉。ふっふっふ。俺を萌えさせるとはやるじゃないか。

 良いぞ。何でも叶えてみせる。時雨も頑張ってきたからな! …白露の話を聞く限り、抑圧された心も多かろう。

 

「俺は軍神だぞ。何より望み云々で言えば、俺の方が余程下劣と思うがね」

 女の子にすけべしたい。手とかつなぎない。ちゅーしたい。ぺろぺろ。

 響に至っては、パンツすら凝視したのである。眼福だった。思わず眼をえぐり取って、最後の光景をパンツで終わらせたくなった。

 

 でもでも、もう一度と望む心があったから。今俺の視力が保たれているのは、響のパンツのおかげと言っても過言じゃない。

「そんなことないよ! 誰かと触れ合いたいなんて、とっても尊い願いじゃないか!」

 

 はっと気付いたように止まって、真っ赤な顔で彼女は言う。

「あ、その、ごめん。おっきな声出して、うるさかったよね」

 可愛い~! 良いんだよ。もう堪らないね。全力で望みを叶えようじゃないか!

 

「そうやって言ってくれる君の望みを、俺がどうして笑えようか」

 元々笑うつもりもないし。愛らしい子の願いは叶えたくなる男。

 彼女が真っ直ぐに頷く。心は決まった様子。良いぞ。さあて。

 

「時雨。何が欲しいんだ?」

「――だっこ…」

 ぽつりと呟かれた言葉。震えていて顔がもっと赤くなった。…うむ。シリアス終了した!!

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