「白露って、お姉ちゃんって僕が好き?」
こいつめ。自分でも分かっているくせに。なんか自慢げな表情をしているぞ。
ふんすとドヤ顔な感じ。こいつめ。可愛すぎるぞ。
「すごい幸せそうに妹達を語っていたぞ」
笑顔がとっても緩まった。言葉は続く。幸せの確認作業は続いていく。
「ぎゅってしたら、僕だけじゃなくてお姉ちゃんも嬉しい?」
幸せいっぱい胸いっぱい。時雨に甘えられた白露の姿。
『いっちばんなあたしにお任せ! 可愛い妹よ! お姉ちゃんが頑張るから~!!』
などと大きな声で張り切って、すんごく頑張るのが目に浮かぶ。
そうして張り切る彼女の背中を見つつ、他の妹達も頑張り続けるんだ。
良い。守るよ。誓う。
「程度によるとは思うがな。少なくとも時雨を慰める為に、嫌な想いを我慢はしていないと断言しよう」
もっと笑顔が緩まった。このままとけてスライムになるのでは?
まったくもう。愛おしい子だ。俺も頭を撫でてみる。もっともっと嬉しそうに笑う。
ああ、なんだろう。俺が撫でても喜んでくれるんだ。がちな空気じゃなくても、喜んでくれるのか……思えば普通な流れで撫でたのは、初めての経験かもしれない。
川内はなあ。妹分と言い切るには、お姉ちゃん力がある気もする。何の評価だ。
「甘えたら迷惑じゃない? 仲良くし過ぎて、気が緩みすぎて、皆が戦場で沈まない?」
仄かに哀切を乗せて、分かっているのに最後の確認。
ならば堂々と胸を張って、頼れる相棒の姿を思い浮かべて。
「――俺と響が守る。安心しろ。俺達を疑うか?」
『不死鳥の名は伊達じゃない。私に任せて』
そう言い切って微笑む彼女の姿は、思い浮かべる必要すら無い。
俺の魂に刻まれた最愛の相棒の姿だ。例え彼女が轟沈しても、俺は彼女の最高を証明し続けるんだ。いつか終わりが訪れるその日まで。
……すっげえ不吉な想像だけどな!! 絶対死なせねえし!!
「ううん。――それなら、それなら安心だ」
「ああ」
時雨が目を瞑って、再び体を預けてきた。脱力しきった姿。体温ぽかぽか。良い匂いもする。年頃の娘よのう。うむ。変態エンジンもスイッチが入ってきたぜ!!
落ち着け。
「ちょっと眠っても良い?」
とか言いつつ。もう寝ちゃいそうな声である。とんとんと背中を叩いてみる。
ようやく甘えを覚えて、これからどんどんと強くなる彼女を甘やかす。
「仕事は終わっている。甘えても良いと言ったが」
あえてぶっきらぼうに言ってみた。素直に時雨が羨ましかったり。なんだろうね。
俺って甘えっ子属性なのだろうか。自分で言って吐きそうだった。
「ん。ありがと」
「おやすみなさい」「おやすみ」
すぐに寝息が聞こえてきた。安心しきって身を任せてくれている。
ああまったく。今日も緩やかに進んでいきそうだ。