いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

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時雨さんです
真面目です


 提督から初めて挨拶してもらった時に、思っていたよりは怖くない人なのかな。って。僕は思っていた。それから白露の話を聞いて、段々とイメージが変わっていったんだ。

『提督はね。全然表情に出ない人で、普通に怖い顔をしてるし。笑顔は凶暴だけど』

 

 あんまりな言い草だと思う。僕は提督の真剣な表情は嫌いじゃないよ。

『でも、雰囲気をさぐれば愉快な子だからね!』

 それも失礼だって。子供扱いなんて駄目じゃないか。白露は面倒見が良い人だけどさ。相手は提督なんだからと言っても。

 

『大丈夫! 一番艦として保証する!!』

 とても素敵な笑顔で言われちゃったんだ。…お姉ちゃんの大好きな笑顔。

 色々と考え込んで緊張も解れてたのに。なのに、執務室の扉を前にすると緊張してる。

 

 白露型の皆と仲良く。言葉にすれば可愛いけどね。どうだろう。

 初日は僕。白露型の2番艦だから? 分からない。一度深呼吸をして。

「提督。お邪魔するよ」

 入室して提督の顔を見れば。

 

 初めて見た時より顔色は良く。目元の隈は薄くなってる。目つきの悪さも改善されて、どこか柔らかな感情を示してる。

 何だろう。大人。そう。大人の表情だ。優しい人の顔立ちだ。

 

 初対面の提督が厳格な感じだったなら、今の提督の雰囲気は、柔和で親切なお兄さん。

 ああ、駄目だ。白露のせい、或いはおかげ。妙に愉快なとらえ方になってるよ。

 怒られたくない。続く妹達に迷惑はかけられない。僕ががんばるんだ。

「今日はよろしくお願いする」

 

 声も軽い。明るさが滲んでる。人間味のある声色だった。

 想像と違ったな。っと。挨拶を返さないとね。

「此方こそ。迷惑をかけないようにがんばるね」

 僕の言葉を聞いて、提督が小さく頷いてくれた。さあて、言葉通りがんばろうか。

 

「提督、僕は何をすれば良いのかな」

 白露が言うには仕事はなく。ただ仲良く遊びたいだけで、ちょっとスケベだと言ってたけど、幾ら何でもないでしょ。提督に失礼だよ。彼女の明るさは好きだけどね。

 親交を深めるって話。浮ついた気持ちは捨てるべきさ。

 

 でも優しい雰囲気だ。こんな風な人と接するのは初めてで。仄かに心が浮ついてるのは、自覚してる。だめだ。がんばろう。

「仕事は既に終わらせてある。君の話を聞かせてくれ。大切な姉妹達の話でも良い」

 彼女の言葉通りだった。う~ん。まだ提督の雰囲気が掴めてないや。

 

 仕事一筋で責任感の強い人。軍神の噂は僕もよく知ってる。でも、目の前で微笑む彼の姿からは、苛烈さなんて一切感じられない。…そっちの方が僕は好き。

「お話?」


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