いちゃいちゃ大好き提督日常   作:ぶちぶち

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だっこしてなでなでです

 まず提督がソファーに座って、僕が抱きつき座る形でだっこしてもらった。

 熱い胸板。がっしりとした体が受け止めてくれる。ぎゅっと包まれた。

 暖かい。提督の体はぽかぽかしてる。たしかな温もりが心地良い。

 

 落ち着く匂い。煙草とかの男をイメージする香りじゃなくて、仄かに甘い匂い。香水かな。嫌いじゃない。良い香りがする。

 心臓の音がうるさくて、外の様子も分からない。頬が熱い。でも思ってたより落ち着く体勢だ。

 

「重くない?」

 あんまり体重は重くないと思うけど、そもそも人間自体が重たいもの。

 いや、まあ。正確に言えば僕達は人間じゃないけどね。子供は出来るらしいけど、人の限界を軽く超えてる。

 

「軽い位だ」

 提督って力持ちさんなのかな。体つきも良いし、肉体が発達してる。

 骨格も丈夫だね。噂には聞いているけど、本当に深海棲艦を素手で倒したの?

 いや、聞けないよ。本当だったら衝撃的すぎる。確認が出来ないね。

 

「ちゃんと食べているのか」

「うん。お腹いっぱい食べてる」

 間宮食堂のごはんはとっても美味しい。偶に作る白露のごはんも美味しい。

 

 食べ過ぎちゃって太る位。…と言えたら良いけど。どうなんだろう。

 老化、或いは体躯の成長は聞いた事がない。それだけの年月生きられた艦娘が、一体もいないのもある。

 

 肉体的には解明されてない事実が、山ほどあるんだ。どうだろうね。

「なら良い」

 …今は優しい言葉を聞けたから、気にしないようにしよう。

 変に曇ってたら失礼だ。顔は見えないだろうけど、雰囲気で分かられちゃいそう。

 

 それに、その、もっと。もっと望む心がある。

「提督」

「ん?」

 耳元で聞こえる彼の声で、どうにも次の言葉が上手く紡げない。

 

 でも、ここで止まってても仕方ない。もう限界以上に甘えて、しかも受け入れてもらったんだ。素直になろう。

「頭、その」

 

「ああ。よしよし」

 暖かくて大きな掌が、僕の頭を柔らかく撫でてくれる。

 堪らない心の熱が、胸一杯に広がって。とけちゃいそう。ふわふわと頭がゆらいで、もっと甘えたくなってきたんだ。

 

「えへへ」

 思わず笑顔が零れた。油断すると寝ちゃいそう。妙に撫でるのが上手い。

 全然想像出来ないけど、普段は響とか撫でてるのかな?

『司令官。頭を撫でてくれ』

 

 ふふ。想像したら愛らしい。響と、彼女を撫でる提督の姿はしっくりくる。

 …僕が甘えてて良いのかな? 響がここに座るべきじゃないかな。

 いやいや。それを僕から言うのは変だ。こうして甘えて、幸せをもらってる。もっと素直に。もっともっと。心のままに。


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