オーバーエッグ 念願のエッグマンX   作:黒酢ドリンク生卵を添えて

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またまた、短めの投稿になります。
このぐらいでちょうど区切りになってしまう。

なぉ、ナザリック側はほぼ原作と同じ流れです。


Ep02「出撃!? Dr.エッグマン」

 偵察メカを見送った後、エッグマンはタワーの自室で考えていた。

 それはこれからの事でもあり、自分自身の事でもある。

 

 今のこれが現実であれ夢幻であれ、リアルでの彼はもうすぐ死ぬ、それは紛れも無い事実であり避けようのない未来だ。

 既に老いて枯れ果てた身体、本来であればとうの昔に安楽死すらしていたはず。それでもまだ生き長らえていたのは金持ちだったが故に生命維持が可能だった事、財産分与で意地汚い親族共が更に醜く争うのが嫌だった事、そしてユグドラシルにソニックに出会ってしまった事だ。

 

 ソニックは面白かった、ユグドラシルは楽しかった。憧れたドクターエッグマンのキャラを作り上げ、ユグドラシルと言う世界で戦えるようにする為に資金は惜しまなかった。財産を減らして、いや使い切ってしまう為にもユグドラシルは好都合だった。

 

 コミカルな悪役を演じるのが堪らなく楽しかったのだ。いつも高笑して登場して、世界征服と言うかユグドラシル征服を掲げて大暴れしてバカ騒ぎしてヒーローに負けて逃げる様式美が狂おしくも好きで好きで堪らなかった。

 たっち・みーにだって勝てそうな時はあったのだ、片手で数える程だが。しかし、コミカルな悪役は正義に勝ってはいけない、例え一度勝っても最後では絶対負けないと美しくない。

 実際ただ一度だけ、ほとんどまぐれで、運命のイタズラでたっち・みーを撃退した事が、ただ一度だけある。その後、時間を空けてわざわざ再戦して負けたのも懐かしい。それが美学だからと。

 そんな事をアインズ・ウール・ゴウンの悪に並々ならぬこだわりがあるプレイヤー『ウルベルト』に話した時は両ギルドを巻き込んでの大論争に発展したのもいい思い出である。

 だからたっち・みーが勝ち逃げみたいに引退した時は腹が立ったし、寂しかった。

 ホントにソニックが居なくなった時のエッグマンの様に彼らのギルドに当たり散らしてしまった。

 

 今、自分はそんな悪役に、憧れの悪役になっている、なってしまっているのだ。

 

 これからどうするか、当然無くなったカオスエメラルドは自身の安全の為にも、この綺麗な世界の為にも必ず探し出す。

 そして何の因果か手に入れた余生はドクターエッグマンとして生きてみたい。それはもう口元がにやけて仕方がないくらい楽しみだ。

 

 もし、勝てない程強いヤツらが居たらそれはそれでいいと思う。自分が倒されるに足る程の正義のヒーローを探し回って何度でも戦いを挑んでやる。本当はエッグマンを倒すのはソニックが良いが、あんなのがそうそう居るわけないのでそこは妥協だ。せっかくの余生だがヒーローに負けて死ぬなら惜しくない、そうそう死ぬつもりも無いが。

 

 ただ問題は勝てちゃった場合である。

 世界征服がパパッと出来ちゃう様だとやりがいがないし、何より簡単に世界征服しちゃったらエッグマンらしくない。もちろん、相手が同じ悪の組織なら叩き潰すが、相手にするなら正義感の溢れる奴か、ソニックみたいに気分の良い奴がいい。

 最悪そういう奴を見つけて育てるか。

 

 エッグマンが今後の活動を想像していると自室のモニターに通信が入った。

 メインルームのデコーとボコーからである。

 

「どうした?」

『エッグマン様、偵察メカが陸地を発見したでよー!』

『監視カメラからカオスエメラルドの行方もわかったばい!』

「わかった、すぐ行く」

 

 この世界に自分たちだけでは無いのがわかってホッとしたエッグマンはメインルームに向かうのだった。

 

 

 

※※※※※※

 

 

 

「東南東に向かった偵察メカはそれなりに大きな街を見つけたでよ、まーっすぐ東に飛ばしたメカはどえりゃあ城を見つけたみてゃーだがね」

「カオスエメラルドはエッグマン様が気絶したと同時ぐらいにこの島から飛んでった光がそうたい!」

 

「で、エメラルドはどこに飛んで行った?」

 

 ボコーはエッグマンの問いかけを聞いてモニターに島周辺の地図を表示する。

 

「東に5つ、北の方と南の方にひとつずつですたい」

「んで、その5つ飛んでった方に大陸があって人が住んどるがね」

 

 今度はデコーがモニターを操作した、そこには巨大な城壁と高い塔に囲まれた巨大な建造物が現れる。

 

「でっかい建物だがやぁ」

「いっぺん住んでみたかばい」

「お前らには無理じゃん?」

「生意気だァね!」「お仕置きばい!」

 

 デコー、ボコー、メッセンジャーロボが3人で騒いでいるが無視するエッグマン。

 彼は今、友人とした雑談を思い出していた。

 

「フフフフフ、フハハハハ! ホーッホッホッホ!!!」

 

 急に笑い出したエッグマンに3メカ達は訝しむ。

 

「どぎゃーしたでよエッグマン様?」

「頭かどこか打ったばい?」

「ついにおかしくなったじょ」

 

「聞こえとるぞ貴様ら」

 

 失礼極まりない部下を睨み付けるとエッグマンは語り出す。

 

「いいか? まず、街なり城なりがあるという事はそれだけの文化と歴史を持つ文明があるという事じゃ。そして城があるという事は国があるという事」

 

「そうなりますねぇ」

「そうかじょ?」

 

「そして! 城があって国があるという事は!」

 

「「あるという事は!?」」

 

「城には可憐な姫君が居るという事じゃろう!」

 

「「……はぁ?」」

 

「なんじゃ? その気の抜けた『はぁ』は!」

「いや〜、エッグマン様〜? さすがにその理屈は」

「おかしいじょ」

 

 エッグマンの理論にまっっったく理解が追いつかないが、エッグマンは話し続ける。

 

「そして、城に居る姫は礼儀作法的に攫うものらしいぞ」

「エッグマン様、それ誰から聞いたんだぎゃ?」

「クッパに決まっとろう」

「「あーーー」」

 

 ギルメンの名前を聞いた瞬間、遠い目で声を上げるデコーとメッセンジャーロボ。

 

「な、なんじゃい!」

「あの人はねー、仕方にゃーでよ」

「いつもの事じゃん、真面目に聞くだけ無駄だじょ」

「ち、違うのか!?」

 

 エッグマン、デコー、メッセンジャーロボでそんな会話をしていると、ボコーが声を上げた。

 

「ちょっと待つばい! 流石、エッグマン様たい! 」

「どぎゃーしただぎゃ?」

「何だよ一体?」

「お城を偵察しとったら見つけたばい!」

 

 ボコーが指さすモニターには城の一室でお茶会をする美しい女性達(+ゴリラ1)の姿だった。

 

「ホントに居たがや!?」

「みんな綺麗な人ばい」

「なんかヤバそうなのが居るじょ」

「ホレ、ワシ言ったじゃろ? なぁ? な……あっ!?」

 

 急に奇声をあげたエッグマンを3人で見つめるロボ達。エッグマンは口をあんぐりと空けてモニターを見つめていた。

 

「どげんしたとね? エッグマン様?」

「まさか! 一目惚れしたんとちゃう!?」

「芽生えたとね!?」

「エピソード2のタイトルは『初恋!? Dr.エッグマン様』に変更だじょ!?」

「バカ言ってんじゃないよ! あれ見ろってんだ! アレッ!」

 

「「「ゴリラだがや」ですたい」だじょ」

 

「あぁ、違う違う、もっと下、手前手前」

 

 映像がゴリラみたいなオッサンみたいな筋肉の塊から移動するとお茶が置かれたテーブルが映し出される。そのテーブルの上には蒼く光る拳大の宝石が置かれていた。

 

「「「か、カオスエメラルド!!!」」」

 

「ホーッホッホッホ!! 流石ワシ、運すら味方に付けておる様じゃのう! ホーッホッホッホ!!」

 

「ちゃっちゃと行って返してもらうじょ」

「ワケ話して返してもらうがや」

「話せばわかるたいね」

 

「バカもん。どこの世界に頭下げて秘宝を返してもらう悪の天才科学者が居るんだよ!」

「でも、じゃあどげんするとね?」

「当然、姫を人質にして奪い返せばいいじゃろ」

「エッグマン様、あの中の誰が姫様かわかるだがや!?」

「わからん」

 

「「ありゃーーーっ!?」」

「とりあえずゴリラはないじょ」

 

「とにかく! デコー! 出撃可能なゴーレ……じゃない、ロボットの一覧を持って来い!」

「レベルはどのくらいにするだがや?」

「とりあえず小手調べじゃ、80もあれば威力偵察出来るじゃろ」

「レベル80っと、お待たせしましたがや〜」

 

 デコーがトレーに乗せて差し出したのはトレーディングカードの様なカードの山である。

 エッグマンはカードを受け取ると片手でカードを広げ、片手を顎に当てる。

 

「うーん、どれにするか……えぇい、こうなれば!」

 

 言うやエッグマンは操作パネルのカードスロットに全てのカードをセットして蓋を閉める。取り付けられたレバーを景気良くガシャンと倒せばモニターの中でスロットゲームが始まる。やがてスロットがひとりでに止まるとそこには一体のロボットが映し出されていた。

 

「ビンゴーっ! コイツで出撃じゃ! デコー、ボコー、メッセンジャーロボ! 基地の防衛はガードロボに任せてワシらも出るぞ!!」

「了解ですたい!」

「やぁっと実戦だがね!」

「外だーっ! 外だーっ! きゃははははは!」

 

 こうして世紀の大天才、悪の天才科学者ドクター・エッグマンは異世界へと繰り出して行ったのだった。

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