オーバーエッグ 念願のエッグマンX   作:黒酢ドリンク生卵を添えて

4 / 13
やっぱり日刊は無理だったがね!

オバロ勢はキャラを崩さないか非常識に心配です。
エッグマン? 元から崩れてるから大丈夫ですたい。

キャラクターの見た目の解説はザックリです。
クロス読んでるって事はわかってるって事で。
わかんない人は原作見てね!!


Ep03「Dr.エッグマンの野望!」

 リ・エスティーゼ王国:王都リ・エスティーゼ:ロ・レンテ城

 

「ごめんなさい、どの文献にもこの様な宝石の記述はないわ」

 

 リ・エスティーゼ王国第三王女ラナーは蒼く輝く拳大の宝石をそっとテーブルに置いた。

 テーブルの向かいには冒険者の中でもトップクラス『アダマンタイト級』のチーム『蒼の薔薇』リーダーのラキュース、そしてその背後には同チーム所属の双子の片割れティナ、不動不滅の筋肉を誇る戦士ガガーラン、ローブを纏い仮面で顔を隠したイビルアイが並ぶ。ちなみに双子の片割れであるティアは現在別件で不在である。

 

「……そう。ごめんなさい、時間を取らせてしまって」

「いいえ、珍しい物が見れてよかったわ」

「いきなり空から降ってきたんだ、神様からの贈り物って事で貰っといたらいいんじゃねえか?」

「落ちてきたのはイビルアイの頭の上、ならそれはイビルアイの物」

「うるさい、思い出させるな」

 

 ガガーランの言葉にティナ、イビルアイが反応する。

 蒼の薔薇がラナー王女の所に持ち込んだこの宝石は昨晩野営中にイビルアイの後頭部に降ってきた物である。頭を抱えて転がり回るイビルアイは非常に珍しく、双子の忍者ティナとティアはその様子を見て笑い転げていた。

 怒りの余り、拳大のと言う脅威の大きさの宝石を投げ飛ばそうとしたイビルアイをリーダーのラキュースが何とかなだめすかし、宝石からにじみ出るような力に気が付いた為、この宝石の正体を探るべくラナー王女の依頼の報告ついでに王城を訪れたのだった。

 

「それにしても変わった宝石ね。この大きさも常識外だわ」

「何より魔法的なものかは不明だけど所有者の力を引き出す力があるみたいなの」

「俺も持ってみたけどよ、いつもより力が漲ってくる感じがあったぜ」

「実際、それを持っていると魔法も威力が上がったからな」

「不思議石?」

 

 テーブルに置かれた宝石を囲んで各々が会話をするその時、突如として城全体が大きく揺れた。

 轟音と共に窓の外には爆煙が上がる。

 

「っ! 危ない!!」

 

 ラキュースは咄嗟にラナーに飛び掛り、窓の側から彼女を引き離す。

 次の瞬間、窓は砕け散り室内に向かって何かが飛び込んで来た。それはワイヤーをしならせ天井を貫通すると、上部の階でフックを展開しガキンッという音と共にしっかりと固定される。すると今度はワイヤーを巻き取りながら壁を粉砕し巨大なゴーレムが室内へと飛び込んできた。

 王族の住まう広い部屋と言えどそのゴーレムには狭く、天井までギリギリという巨体を起き上がらせる。

 蒼の薔薇のメンバーは咄嗟に戦闘態勢に移るが王族との謁見と言う事もあって武器は預けられている為に素手だ。

 そこに奇妙な乗り物に乗って高笑いと共に現れる者達。

 

「ホーッホッホッホ! ……なんで3日もかかっちゃったんだよ」

「オイたちをほっぽいてアニメ本編を見てたって事ばい」

「ふっざけとるがね! この界隈がオイラでもってる『ガンッ!』あいた! もとい、エッグマン様でもってるって事忘れとるがねぇ?」

「わかってりゃいいよ」

「セリフには気を付けなきゃいかんばい?」

「次の話からオイラ消えてたりしにゃーよね?」

「まぁ、ぶっちゃけこっちの世界ではあんまり時間は経っとらんですたい」

 

 訳の分からない事を喋りながら入ってきたエッグマン一味に呆気に取られるも、冒険者の経験から直ぐに立ち直る蒼の薔薇。

 

「な、なんだお前達は!?」

 

 ラキュースの言葉に返事はなく。

 

「と・も・か・く!! デコー! ボコー! E-23! 人質確保ぉ!」

「「『了解』」」

 

 目の前の者達は目にも止まらぬ速さで次の行動に移っていた。

 

「エッグマン様!」

「捕まえたとね!」

「っな!? ティナ!?」

「!? っ!??」

 

 次の瞬間、エッグマンと呼ばれた男の前には背の高いゴーレムと背の低いゴーレムに拘束されたティナが居た。

 ティナは蒼の薔薇一の素早さを誇るニンジャである。そのティナがなんの抵抗も出来ずに捕まっている。ラキュースは目の前の現実を理解できず、ただ立ち尽くすだけだった。

 

「……なんでソイツなんじゃ?」

「昔聞いた事があるだがや」

「異国のお姫様は大魔王から身を隠す為にニンジャの格好をするらしいですたい!」

「そりゃハイラルの話じゃろうが!」

「……そう言えば耳も尖っとらんがね!」

「間違えたとね!?」

「いいからソレ早いとこ元の場所に戻して来なさい!」

「はいだがね」

「残念たい」

 

 すると、直ぐにティナは解放される。

 

「ほら、返すでよ」

「人違いだったですたい」

「え? え??」

 

「お、おまえら!!」

 

 あまりの非日常にイビルアイが怒りの声をあげようとする。しかし、その声も最後まで発せられる事は無かった。

 

「お前らみたいなバカには分かるわけないじょ!」

「!!!」

 

 イビルアイの頭の上に小さな悪魔が立っていたのだ。

 悪魔は自信たっぷりに話を続ける。

 

「『こーき』な人間は下々民に素顔なんてさらさないんだじょ! だからコイツが姫様で決定だじょ!!」

「アイツぜってゃー『高貴』の意味分かっとりゃーせんがね!」

「絶対適当な事言っとるたいね!」

「うっさいバーカ!! 顔見ればわかるじょ!! という訳でホイっ!」

「あっ!? や、やめっ!!」

 

 イビルアイは抵抗する間もなく、移動した小悪魔に仮面を取られてしまう、唯一の救いは小悪魔がイビルアイの目の前にいるおかげで小悪魔以外その素顔が見れないという事か。

 少しの沈黙の後、最初に口を開いたのは小悪魔だった。

 

「……こ、これ、返すじょ」

「?? ???」

 

 小悪魔はイビルアイの顔にスっと仮面を戻すとヒゲの男の元へ飛んで行く。

 

「なーに赤くなっとんのー?」

「どげんしたとね?」

「うっさい! バーカ! バーカ! ブァーカっ!!」

「何をやってんだよお前達は。E-23!」

『人質、確保』

 

「……はっ!? ら、ラナーっ!!!」

 

 現実世界に復帰したラキュースが目にしたのは一つ目のゴーレムに掴まれたラナーの姿だった。流石の天才でもこの状況に対応しきれなかったようで悲鳴のひとつもあげれない。

 

「テメェ! 姫さんを離しやがれ!!」

「バカっ! ガガーラン!!」

「あっ!」

 

 ガガーランの不用意な言葉をイビルアイが止めようとするも、それは既に手遅れだった。

 ラキュースはホントに今日は珍しくガガーランを連れてきたのは間違いだったかと後悔していた。

 

「ホーッホッホッホ!! どうやらコレが姫君で正解の様じゃのう!! 流石はワシの作ったロボットE-23!」

「なーんか腑に落ちんがね」

「どうせ残り二択でたまたまばい!」

「あんなアニメ3話でソニックにぼろ負けしたヤツが優秀なわけないじゃん!」

 

「もしかして、俺も狙われてたのか?」

「「「「「お前は絶対に無い」」」」」

 

 空気を読まないガガーランの一言に否定の言葉が突き刺さる。ちなみに内一人はイビルアイだ。

 ラナーは一つ目ゴーレムの手からヒゲの男の乗り物から伸びた手のような物へと移されていた。

 

 「まぁ、いいわい。……さて、挨拶と行くか。皆の者よく聴けェ! 私の名は、ドクター・エッグマン! 世紀の天才科学者じゃ。ワシは今からこの世界にエッグマン帝国を築き上げる! この世界はいずれこのドクター・エッグマン様の物となるのだ! ホーッホッホッホ! ……じゃがその前に、まずは貴様らの持っているカオスエメラルドを返してもらおうか!! 」

「カオスエメラルド? いったいなんの事だ!?」

 

「仮面の

「仮面のおみゃーが持っとるその宝石の事だがね!」

「ちなみに、カオス『エメラルド』と言っても緑とは限らんばい!」

「カオスエメラルドは全部で7色あるじょ!」

ええい! ワシに喋らせろぉ!! ひとのセリフに被るのやめてくんないかなもぅ! とにかく、そのエメラルドをこちらに渡してもらおうか?」

「これを渡せばラナーは解放してくれるのね?」

「当然じゃ、その為の人質だからのう。ホーッホッホッホ!」

 

 エッグマンの言葉を聞いたラキュースはエメラルドを持っているイビルアイに視線を向ける。

 

「イビルアイ、それをアイツに渡して」

「だが!」

「その石一つでラナーが助かるなら安いものでしょ?」

「ホーッホッホッホ! 素直な事はいい事じゃぞ? ホーッホッホッホ!」

「くっ!」

 

 イビルアイが悔しそうにエッグマンの元にエメラルドを持って行こうと一歩踏み出した瞬間、部屋の扉が荒々しく開きひとつの影が飛び込んで来た。

 その影は一目散にエッグマンも元へと走り寄ると腰の剣を抜き放ち、エッグマンに斬りかかっていた。

 

「ラナー様を離せぇっ!!」

「クライム!!」

「うわっと!?」

 

 エッグマンはクライムと呼ばれた騎士の一撃をヒラリと躱す。

 

「あ、危ないなぁもう! もうちょっとでワシに当たるとこじゃん!」

「こらぁ! あぶにゃーでよガキンチョロンがぁ!」

「人質に当たったらどうするばい!?」

「おまえ非常識だじょ!」

 

 小悪魔の一言は完全に『お前が言うな』である。

 

「ラナー様を離せ!」

「落ち着けクライム!」

 

 ラキュースがクライムを止めようとするが。

 

「ホーッホッホッホ! 威勢がいいじゃないか。E-23が相手になってやる、かかって「うおおおおっ!!」」

 

 エッグマンが言い終わるまでにクライムは既にエッグマンに斬りかかっていた。

 しかし、これもエッグマンはヒラリと躱す。

 

「うわぁっとぉ!? E-23が相手になると言っとるじゃろうが! それに『掛かってこい』って言ってからだってば!!」

「なーんか乱暴なガキだがね!」

「ええい! 悪い道に走る前に厳しくお仕置きをしなければ!」

「我々としてはビミョーたい!?」

 

「いけぇ! E-23!!」

『了解』

「他の奴らは動くでないぞ! 姫が大切ならな!」

「く、クソ!!」

 

 こうしてエッグマンのロボット『E-23』とラナー王女の忠犬『クライム』との戦いが始まった。

 

 

 

※※※※※※

 

 

 

 それは最早、私刑に他ならなかった。

 果敢にも立ち上がり立ち向かうクライムをE-23は腕の一振だけで弾き飛ばす。クライムが一撃でひき肉にならないのはE-23に『死人を出さない』プログラムがインプットされている為だ。でなければレベル80のE-23にとって豆腐やゼリーの様な防御力のクライムなどロケットアームの一撃で決着が着くのだ。

 また、クライムがロボットの腕に殴られ床に倒れる。

 

「ホーッホッホッホ! もう止めておけ、貴様ではE-23に敵わんのが身に染みてわかったじゃろう?」

「ここは素直に負けを認めた方がいいがね」

「もうごめんなさいするばい」

「めっちゃボロボロじゃん」

 

 しかし、クライムはまだ立ち上がり剣を構える。

 

「ら、なー様を、離せ、っ!」

「うっわー、あの少年ボロボロたい」

「熱血しとるがねー」

「クライムっ!!!」

「やめてくれエッグマン! お願いだ!」

 

 あまりの惨状にラキュースが懇願の声を上げる。

 

「そういう訳にはいかないでしょう、物語上。じゃが、少年よ、もう『まいった』してよ。これ以上はこっちだって……」

「負ける、訳に、行かない! 掛かってこい!!」

「だからそういう事言うなって……」

 

 立ち上がったクライムに向かい、E-23が腕を振りかぶる。

 

「E-23、あんまり頑張らなくて良いからね? すこーしは加減してあげなさい」

 

 よろよろと立ち上がったクライムは為す術もなく機械の腕に殴り飛ばされる。

 

「らな、ー様の、為に、この命っ!」

 

 それでも、まだ立ち上がろうとするクライムにとうとう。

 

「あーもう! わかった! わかったってば! 姫様返してやるから!! そのくらいにしときなさい! E-23そこまでじゃ! ボコー、回復ポーション! 急いで回復してやれ」

「ボロボロすぎますたい! 一番いいやつ使いますたいね!」

 

 エッグマンが折れた。

 エッグマンの命令を聞いたボコーは美しい細工の施された容器に入った真っ赤なポーションを持ってクライムに駆け寄るとその中身をクライムの体にぶちまけた。

 

「ど、どういうつもりだ?」

 

 身体中の怪我が一瞬にして全快した事に戸惑いを覚えつつクライムはエッグマンを睨みつける。

 

「暴虎馮河、死して悔い無き者は吾れ与にせざる也。必ずや事に臨んで慴れ、謀を好んで成さん者なり」

「?」

 

 クライムにはエッグマンが何を言っているのか理解が出来なかった。

 

「この大馬鹿者めが! 小僧、貴様は勇気も忠義もはきちがえておる!」

 

 なぜかエッグマンの怒声に身がすくむクライムであったが、目だけはなんとかエッグマンを睨みつける。

 

「まず第一に人質を取った相手に斬り掛かるなど言語道断! 相手の力量も図らずただ真正面から立ち向かうのも愚策! さらに忠義の為に命を投げ出すなど最低最悪じゃ! 蛮勇とは勇なき者のする事と知らんのか愚か者!」

 

 エッグマンの怒りは続く。

 

「大事なものを護ろうと言うなら、なぜ第一に自分の身を守らん! チャンスがある内になぜそれを掴もうとせん! 次のチャンスに繋げようとせん! 盲目に命を投げ捨てる前に、その脳みそを少しでも使わんか!! 」

 

 クライムもそれを眺めていた蒼の薔薇もあろう事か天才すぎて異質なラナーも唖然である。王女を人質にして脅迫して来た相手が護衛騎士をボコボコにして、傷を癒したと思ったら、説教を垂れているのである。

 ラナー王女に至ってはあまりに頭が良すぎる為に思考回路が意味不明な現実を理解しようと高速回転しすぎた為ショートし思考停止状態に陥っている。なお、エッグマンに人質に取られた辺りからエッグマン達の意味不明な空気に当てられて思考が低速になっていたようだが。

 

「今日は生きて帰れ。生きておれば、また戦えるじゃろ」

 

「エッグマン様が真面目な事を言っとるだがや」

「いよいよ変な物でも食べたかもしれんとね」

「基地に帰ったら医務室に連れてくじょ」

「うっさいんだよ! お前らはいちいち! ほれ、E-23も帰るぞ! もうここに用は無いわい!」

「エッグマン様、置いてかないでー!!」

 

 そう言うとエッグマン達は奇妙な乗り物でE-23と呼ばれたゴーレムを吊り下げて飛んで行ってしまった。

 

「な、何だったんだ? アイツら」

「次に会ったら俺がボコってやる!!」

 

「クライム!!」

「ら、ラナー様! 申し訳ございません!」

「いいの、クライムが無事で本当に良かった」

 

「鬼ボス、例の宝石は?」

「え? い、イビルアイ!?」

「ぇ? な、無い!!」

 

 

 

※※※※※※

 

 

 

 E-23をぶら下げ空を飛ぶエッグモービルに乗るのはエッグマン達である。

 

「ホーッホッホッホ! ワシがタダで帰って来るわけ無いじゃん」

「おみゃーいつの間にカオスエメラルド回収しとっただがね」

「へっへーん、チョロいもんだじょ」

「まーた、調子に乗り出しとるたい」

「でも流石エッグマン様だがね、アイツらが気を取られてる間にエメラルドを手に入れる作戦だっただがや?」

「それだけな訳あるかい! これを見ろ」

「それは盗聴器だがね!?」

「これでこの世界の情報もワシの手の内よ! ホーッホッホッホ!」

 

 エッグマンの野望はまだ始まったばかりである。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。