「わたしは神様が嫌い」   作:アビ田

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ダンス・ダンス

 翌朝。

 

 マリアは子供たちに突撃されて起床した。服はこれまた借りた修道服に着替えて、歯を磨き、朝食を食べて──と一日の始まりを迎える。

 

 シスター姿の彼女を見た院長は目をぱちくりさせた。驚くほどにその姿は様になっていて、まるでこれまで修道女として働いていたように見えたのだ。

 

「本当に働いて欲しくなっちゃうわ…」

 

「ははは……。まぁ自分でも思った以上に合っててびっくりしました」

 

 服は謝礼も込めて後で教団伝いに返そうと思ったが、お古だし気にしなくていいわ、と押し切られてしまった。

 子供たちの残ってアピールの誘惑にも耐えて、マリアは午前中に孤児院を出ることに決めた。

 

 

「何読んでんだ、マリア?」

 

 朝食時。トーストを齧りながら朝刊に目を通す女の横から、ひょっこりとティモシーが顔をのぞかす。少年には何か探るような視線があった。

 

 チラ、と少年を見たマリアは怪盗G事件の記事を見せる。

 

 ティモシー=怪盗Gなら、彼を探っているアレンたちとルーブル美術館で遭遇した可能性が高い。であれば、彼らの服にあった教団の人間である証「ローズクロス」を目にしたに違いない。そのマークはマリアが着ていた服にももちろんある。

 

 少年は疑うはずだ。「この女も奴らと同じ組織の人間なのでは?」と。

 しかし行動に移さないのは、彼自身の心が揺らいでいる現れだ。

 

「昨夜ルーブル美術館に怪盗Gが国宝を盗みに入ったんですって。あの噂の怪盗Gよ? でも今回は失敗しちゃったみたいね」

 

「へぇ〜……厄介な邪魔者でも入ったんじゃねぇの?」

 

「怪盗Gはお宝を集めてどうする気なのかしら……」

 

「……きっとイイ事のためだよ。マリアはこういうのに興味があんだな?」

 

「そういうティモシーくんも“お勉強嫌い”な割には、新聞を読むんだねぇ」

 

「なっ!! ううっ……エミリアから聞いたのか?」

 

「ふふふ、ちゃーんと勉強はしとくんだよ」

 

 頭を撫でられる少年は罰が悪そうに口をすぼめた。

 

「……マリア、あんたは…」

 

「君たちを助けたのは本当に偶然なの。それは信じて」

 

「………わかったよ」

 

 皿にあったソーセージを一つ盗んだ少年は、とととっ、と逃げるように去って行った。

 

 

 それからエミリアや他のシスターも孤児院に着く。恩返しに仕事を手伝うマリアは、例の新聞を破り取っていたティモシーの姿を見かけた。

 

 これで今朝、孤児院に匿名の寄付が来たというのだから、思わず苦笑いしたくなる。

 

 

 

 その一方でアレンたちの方はというと、犯人の特徴的な泣き声を追跡したマリがおおよその目星をつけていた。最後にその声が途絶えたのはとある孤児院の場所だ。

 

 ちなみにマリアがいないことに皆が気づいたのは、ルーブル美術館にいた時だった。

 

 テワクがその際にティムの場所を探知して探しに行こうとしたが、女の居場所がその孤児院だったことと、すでに夜遅かったことから、翌朝を待つことになった。

 

 黒いオーラをたぎらせる監査官と再会した女は、だらだらと冷や汗を流した。

 

 

 

 

 

 *****

 

 テワクのお説教タイムの後、マリアは子供たちに引きずられていった。

 

「……えげつなくモテモテですね」

 

「助けてくれぇ〜〜」

 

「マリア、次かくれんぼ!!」

 

「ちがうよぉ、おままごとするの!」

 

 監査官の少女の口角が上がる。孤児である彼女にとって孤児院の子供はシンパシーを抱きやすく、そんな彼らが女に向ける気持ちもまた理解できる。できてしまう。

 

「…まぁ、話は向こうで行っていますし、一旦私もそちらにいますわ」

 

「いいの? 私の監視役なのにぃ」

 

「……その、子供たちが警戒しているようですので」

 

 じろっーとした視線がテワクに向いている。彼女同様、突然訪れたアレンたちにも似た反応だった。ティモシーの件で、色々と表で騒ぎがあったからだろう。「なんかあやしい人…」という認識だ。

 

「気を遣わせてごめんね」

 

「いえ、では」

 

 部屋にはシスターの服を着た彼女と、子供たち。

 楽しく遊ぶ中で、一瞬マリアの動きが止まる。

 

 燃えるような、焦げ臭いにおい。瞬きのうちにその感覚は消え、子供の声に意識が引っ張られる。澄んだ目が不思議そうに彼女を見つめている。

 

「どうしたの、マリア?」

 

「……何でもないよ。それよりいっぱい遊びましょうか」

 

「「「わーい!!」」」

 

 元気な声は、アレンたちの方にまで時折聞こえた。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 子供の泣き声が聞こえる。

 

「マリア!」

 

「きゃあああっ!!」

 

 

 

 事は部屋に一人のシスターが入って来たところから始まる。

 

「院長にあなたを呼んでくるよう頼まれまして…」と聞いたマリアは、子供たちに遊びの終わりを告げた。

 ブーイングの声が上がる中、響いたのは数発の銃声。

 

「え……?」

 

 彼女の腹から血が流れる。その背後には銃を持ち、口角を上げるシスターの姿があった。

 

 それと同時に外の景色が真っ黒く染まる。自然の色ではない。建物を囲うのはスカルによって作られた特別製の結界。方舟の力や、アレンのAKUMAを視る目を使えなくさせるものだ。さらに出入りできるのはAKUMAのみという徹底ぶり。レベル4が建物の頭上で怪しく笑う。完全に彼らは閉じ込められた。

 

「っ……黒衣(ドレス)!!」

 

 パニックになった子供たちが黒い液体に包まれる。覆いきれなかった分はティムが巨大化して咥えたり、尻尾で絡め取った。

 

 再度銃声が響く。その弾は目標に当たることなく黄金の大剣で防がれた。

 舌打ちをこぼしたシスターの女はしかし、来る増援に余裕を取り戻す。レベル2とレベル3のAKUMAが複数体、壁を突き破り現れた。

 

『げぇ、コッチにもエクソシストいんじゃねェの』

 

『レベル4様が奴らを抑えてくださるんだっけ? 他にも任務があるっぽいけど』

 

『わぁい、ガキどもだぁ! ブッ殺してェ〜〜!!』

 

 神ノ剣(グングニル)が動き、AKUMAたちが表情を引き締める。直後ゴォンと音が鳴り、床に穴が空いた。ちょうどこの下には地下の部屋がある。それを見越しての破壊だ。

 

(こんな狭い空間じゃ大剣を振り回すには不利だ。しかもレベル4って……!!)

 

 それに第一優先で守るべき子供たちがいる。まず彼らの安全から確保しなければならない。レベル4とはアレンたちが交戦しているのだろう。

 撃たれた部位は弾が体内に残っているようでひどく痛む。出血も多い。だがそれを気にしている場合ではない。

 

「ティム、先に行け!」

 

「ガウガァァ!!」

 

 このAKUMAたちを破壊してから──と思った矢先、マリアの動きが鈍くなる。体の自由が急速に奪われた。

 

「………ッ!?」

 

 足から力が抜け、立っていることがままならなくなる。AKUMAの能力か、と気づいた時にはすでに遅い。

 

『6秒間だ。ボクにこの目で見つめられた奴は肉が硬化して生き人形になる。いくらエクソシストでも、防ぎ用はねぇってわけ』

 

 黒衣ならな自由に操作できるゆえ、大剣を持たせて戦うこともできよう。しかし子供たちの守護に回している。

 いや、そもそも────。

 

 人形と化す体。思考そのものが緩やかに停止し、イノセンスとのシンクロができなくなる。

 

「ティ、ム…どうにか、みんなをっ……」

 

『ガキども守るのに必死だなァ』

 

『そうだ! コイツの目の前で一匹ずつ殺してこうぜ!』

 

『いいねいいねぇ』

 

 倒れた女の体はぽっかりと空いた穴の中に落ちて、ガシャンと派手な音を立てる。体こそ繋がっているが、四肢の一部が衝撃であらぬ方向に曲がった。残る痛覚が鋭敏に電流となって頭に突き刺さる。声さえ上手く出せない。

 

「だ、め……子ども、たちは……」

 

 頭上には複数の目が見下ろしている。人間の女もそこに混じって下衆な笑みを浮かべていた。

 

 この女は伯爵と通じる「ブローカー」の人間で間違いない。ブローカーは情報やAKUMAの材料となる人間を提供する代わりに、多額の金を得る。AKUMAを手引きしたのもこの女だ。

 

()、してない……の?」

 

 院長が太陽のように子どもたちを照らしていた裏で、暗闇に紛れてコソコソとネズミが動き回っていた。

 

「子らは、愛すべきもの……で、す」

 

 暗闇を塗りつぶすように、ズズ…とうごめく存在がある。しかして頭上にいる女はその変化に気づかない。AKUMAたちだけが表情を変える。エクソシストへ向けた嘲りが恐怖へと転じた瞬間だ。

 

 これは、この気配は。

 

 

 ────その“おかた”をころせば、おまえたちもころします。

 

 

 その瞬間、レベル4の命令が彼らの脳内に下された。向こうに“目的の人物”がいなかったがための命令である。

 

 エクソシストの女のはずが、今AKUMAたちが目にしているものは違う。黒い渦は女の影から生まれ、一瞬にして伸びたその闇がシスターの女に突き刺さった。胸を穿たれた女は「あ、え?」と声を漏らす。

 

 

「赦しません」

 

 腕に刺さる。

 

「赦しません」

 

 足に刺さる。

 

「愛を冒涜しましたね」

 

 黒い影が次々と女の体に刺さり、針のむしろのようになるまで刺さり続ける。

 途中まで聞こえていた呻き声もやがて途絶えた。それでも蹂躙は続く。

 

 そして影が離れた頃には、あたり一面飛び散った肉と血でひどい有様になっていた。

 

『ぁ……あ……』

 

 レベル2は能力を解き、床に頭を擦り付ける。他のAKUMAも同様な仕草を取る。

 

 収束する黒い渦は女の影の中に消え、何事も無かったかのように静寂が残された。血のような片目とは異なり、もう片方の瞳は深淵の中で眩くきらめいている。息を飲む音が聞こえた。

 

 

「かわいらしい、AKUMA(いとし子)たち」

 

 

 微笑んだ女はその言葉を最後に気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ⚫︎⚫︎⚫︎

 

 

 

 

 マリアは夢をみ

 

 

 

 

 

 マリアは血溜まりの中に倒れていた。メイドの服は着ていない。

 

 足は素足で、白かったであろうシャツが夥しい赤で染め上げられている。

 

 揺らめく影のようなものが無数の棘となり、その肢体を何度も貫く。黒い棘は女の影から伸びている。

 

 鮮血が、鮮血で上塗りされる。

 

 

 今あるのは、「終わる」という感覚だけ。

 

 微笑めばまた、口から血が漏れ出る。

 暗闇があともう少しで訪れる。そんな時声がした。

 

「────リア」

 

 幼い少女の声。この声を、マリアは知っている。

 

 目を開ければ、泣きじゃくるロードがいた。いや、姿は見慣れた少女の姿ではない。

 しかし、間違いなくその人物は『(ロード)』だ。

 

 少女はしゃがみこむと、マリアの服に顔を埋める。

 

 

「ボクを置いて行かないで、マリア……!!」

 

 

 マリアはロードの涙を拭おうとしたが叶わず、「終わる」感覚に身を委ねた。

 

 

 ひどく、幸福だった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 アレン、神田、マリの以下三名がレベル4と一階にて交戦。

 その隙にテワクは院長と数名の子どもたちを連れて地下室へと移動した。その後ろから少し遅れてティモシーとエミリアを抱えたリンクが続く。

 

『おぉ、新しいニンゲンが来たぞ〜』

 

 通路でテワクが遭遇したのは件の「6秒」の力を持つAKUMA。その背後に他のレベル2とレベル3もいる。

 状況は芳しくないだろう。結界が張られる前に聞こえた銃声音に嫌な予感はしていた。子どもたちといたはずのマリアの姿はない。あの女ならば襲撃されたと理解した時点でまず、子どもたちの安全を守るために地下に移動させるだろう。

 

 しかしこうしてAKUMAが健在ということは、幾つかの要因が重なり敗北した可能性が高い。ノア側に連れ去られるのは絶対に阻止しなければならない。

 

「テワク、ここは私に任せて先に行きなさい!!」

 

 テワクの思惑を感じ取ったリンクが視線で促す。守護対象と一般人。優先すべきは前者だ。

 だが幼少期から教育された「(カラス)」の人間だとはいえ、ハワード・リンクは人間。レベル2一体ならばどうにか抑えられても、レベル3を相手取るのは無理だ。

 

 ただ、()()()()()テワクなら、不可能ではない。

 

 

「……お願いします、リンク兄さま」

 

「リンク“監査官”です!!」

 

 術を唱えるテワクの袖から札が出て、身体にプラスの負荷が加わる。本来の人体なら壊れる強化でも義肢ならば問題ない。こうしてヒトの領域を超えた一閃があっという間の速度で繰り広げられる。いない、とAKUMAたちが気づいた時にはすでに少女の姿は後方。ついでに服を突き破って腕からのぞく刃物がレベル3の片腕を斬り落とした。

 

『……! あの女ァ、人間のクセしてオレの腕をッ!!』

 

「待ちなさっ……くっ!」

 

『お前の相手はボクらだよ〜〜』

 

 少女は厄介な一体を引き受けて行ってしまった。まったく公私を分けていないだろう──と、内心リンクは悪態づく。

 場にはレベル2のAKUMA二体。守るべき対象は複数。

 

 勝機は────微妙だ。

 

 翻弄されていた件のAKUMAの瞳はすでにとらえる対象を固定している。だが不意にそのピントを外した。

 

()()()ぉ、()()()()()()()()()って言われたし……ボクイイ事思いついたぜェ』

 

『おっ、何だ何だ?』

 

『それはなぁ…………あのホクロの人間で遊ぶんだ!!』

 

 エクソシストとの戦闘はレベル4が買って出ており、イノセンス持ちの少年を捕獲するのが任務だった彼ら。消化不良は否めず、殺したさでうずうずしている。そこに普通の人間よりは頑丈そうな奴が来たのだ。すぐに殺してはつまらない。それに男を痛ぶれば、守られている人間も恐怖に悲鳴をあげる。殺すわけではないので問題ないはずだ。

 

『そうと決まれば……()ってやるぜェ!!』

 

『すぐに壊れてくれんなよ、ニンゲン』

 

 ニタニタと笑うAKUMAたちに、自然と青年の眉間に皺が寄った。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 室内は灯りがないことを踏まえても暗すぎた。まるで深淵の中だ。

 その中心には眠る子どもたちと、少女の頭を優しく撫でるシスターの姿がある。その少女はロード似の子どもだ。

 

 勢いのまま扉を突き破ったテワクはその光景を目の当たりにして、硬直した。

 

「……マリ、ア?」

 

 この部屋の異質さ。部屋全体を覆うこれはいったい何なのか。まるで脈打つような気配さえある。温かくて、けれどその誘惑に負けて子どもたちのように眠ってしまうことが末恐ろしく感ぜられる。

 

 まるで、まるでこの中は胎の中のようだ。

 

『この(アマ)ァァァ!!』

 

 気を取られていたテワクの背後にレベル3が迫る。反応の遅れた彼女の頭に、AKUMAの拳がめり込まんとする。さすれば硬い骨はパンケーキのように容易く崩れ、そこからデロッとした脳髄がぶちまけられる。

 術も、物理攻撃も間に合わない。

 

 

「黙れ」

 

『……ッ!!』

 

 

 闇に縫い留められたレベル3が少しずつ、その中に沈んでいく。

 なぜ、という声を漏らすAKUMAに女は微笑みで返す。

 

「子どもたちが起きてしまうでしょう?」

 

『お、お待ちくださ、このニンゲンはオレが必ずや仕留め……!!』

 

「黙れと言っただろう」

 

 沈み、その姿は跡形もなく消えた。

 

 子どもたちの安らかな寝息が聞こえる。テワクの体は震え、顔からはびっしょりと汗が噴き出す。

 

 違う。この女は明確に「マリア」ではない。

 

 子らに向けるその微笑みは似ているように見えるが、もっと愛情を溶かし続けた末に真っ黒になったものが滲んでいる。

 それは言うなれば、狂気の愛。

 

 マリア、と再度テワクの口が動く。懇願の孕んだ声色だ。

 

「あなたもおいで」

 

「……マリア、しっかりしてください」

 

母の胎(ゆりかご)の中でおやすみ」

 

「ウォーカーたちやリンク兄さまが戦っているんです!!」

 

「おいで」

 

「あなたは……仲間が死んでいいんですのっ…!? 院長やエミリアという女性に、ティモシーも殺されてしまいますわ!! 

 

 院長、という声に一人の子供が反応し、眠い目をこすって顔を起こす。

 ぼんやりとしながらも「いんちょーせんせぇ…?」とペタペタと探るように床を触る。

 

 その手が今度は修道服の裾に触れた。ぴくりと女の肩が動く。黄金だった片目がゆっくりと血の色に戻る。

 ゆるやかに瞬く瞼。マリアの呼吸は次第に荒くなり、全身が震え出した。

 

「ぁ、あ………ああっ」

 

「あれ、マリア?」

 

「んん……? 何でわたし寝てたの?」

 

「ああああああっ」

 

 ビキビキと動く手には長く鋭い黒爪がある。その手がマリア自身の顔をえぐろうとした瞬間、横に入ったティムがうなり声をあげて噛んだ。

 テワクも慌てて駆け寄る。そこで彼女は部屋が元に戻っていくことに気づいた。闇は少しずつ収まり、女の影の中に戻る。

 

「…マリア、マリアですの?」

 

「ハァ、ハッ………ははっ」

 

「しっかりなさい!!」

 

「………あ」

 

 子どもたちも女の側に駆け寄り、不安そうに声をかける。なおも震えるマリアの左手はがっしりとティムの尻尾をつかんでいる。

 テワクに背をさすられる内に、その呼吸は正常に戻って行った。

 

「……ご、めん。取り乱した」

 

「いえ、大丈夫ですわ」

 

 

 

 そんなやりとりがあった二人の裏では、ボロボロになっても守り続ける青年の後ろ姿を見ていた少年に、変化が起きた。

 

 

「────兄ちゃん!!!」

 

 

 ティモシーはイノセンスを発動する。

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