ゆゆ刃牙~漢達のきらめきッッ~   作:バロックス(駄犬

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い つ も の

愚地独歩「結城友奈は勇者である・・・・花結いのきらめきッッ」

Twitterでゆゆゆい関連の記事漁ってたら
『友奈ちゃんのお父さんは愚地独歩って、ソレ1番言われてるから』
こんな一文見つけて一人で笑っていた。 でも自分以外にもゆゆゆと刃牙を連想させようとした人がいた事に歓喜。

ついでに気付いたらUAとか3000.超えたりお気に入り数も増えててびっくり、ありがとうございます。


第七話~遠方にいる人を思う~②

――――樹海。

 

「勇者ァ・・・パァーンチ!」

 

 結城友奈の気合を込めた拳が真っ直ぐに突きだされる。 目標はこの世界で造反神が作り出した擬似バーテックスだ。

 数符も狂うことなく敵の顔面を拳が捉え、直撃の瞬間に星屑はまるで風船の如く弾け飛ぶ。

 

「スゥ・・・・ハッ!」

 

 敵が確実に絶命し、消え果てるまで油断することなく残心。 一突きして乱れた呼吸を即座に整える動作は最早、友奈にとって一連の流れとなっていた。

 友奈の周囲から敵があらかた消え、構えを解くが自身では油断はしていない。 警戒レベルは中、だが心の余裕は常に持つ。 その一方で、

 

(・・・やっぱり拳の威力、上がってる!)

 

 油断も隙も見せる事は自身の危機に繋がるという状況で友奈が感じたのは確実な力が身についたという実感だ。

 

 

 友奈の拳は現実世界での御役目では敵バーテックスの御霊を一撃で粉砕するという威力を持っていた。 同じ勇者の風や夏凛も、”なんだその威力”と驚いていたのを友奈は覚えている。

 

 だが、その威力もこの神樹が作り出した世界に来てからは鳴りを潜めていた。

 敵である擬似バーテックスに友奈が打ち込んだ拳は現実に比べて威力が少しばかり落ちていたのである。

 

 勇者システムの不調などではない。 だがこんなことが続くようであれば御役目に支障を来す。そんなパワーダウンを解消すべく編み出した答え。

 

勇者の力に頼るのではなく、己の力で不足したパワーを補えば良い、と言うものだった。

 

それから友奈は高嶋と一緒に独歩の指導の下、己の力と技を磨いていった。

 

 確かな努力の成果がこうして実戦で現れている事が、友奈は嬉しかった。

 

(・・・これなら、皆を守れる!)

 

 拳を握り、自分はまだまだ強くなれるのだと、皆を守れるのだと自覚していると四方からゆらゆらと漂うように星屑が迫ってきていた。 友奈が構え、星屑を迎え撃つその手前、

 

 

「ゆうきっち!」

 

 友奈の後ろで声と共に飛来した一閃が四体の星屑を串刺しにした。 

一瞬の事で何が起きたのか分からなかった友奈だったが、投げられた得物が槍なのと、友奈を安心させる声を元にそれが味方からの援護だったのだと確信させる。

 

「せっちゃん! ありがとう!」

 

「もー、超近接タイプが前衛張るのは仕方ないけどさぁ、無茶はあんま良くないよん」

 

 アイヌ民族風の衣装に身を包み軽やかに樹木から飛び降りた少女、秋原雪花はやれやれと言った表情だ。 星屑に刺さっていた槍はまるで意思を持っているかのように雪花の手元に戻る。

 

「あはは・・・ごめんね、気を付けるよ〜、

 ・・・せっちゃんの槍って凄いよね! 今度投げ方教えて!」

 

 雪花の槍投げの精度は遠距離組を凌ぐ程であり、友奈としても今度教わりたいと思っていたほどだ。 褒められた雪花は少しだけ恥ずかしくも、嬉しそうに小さく笑い、

 

「にゃはは、嬉しい相談だけど・・・ゆうきっちはフツーに殴ってた方がいいんじゃにゃいかな~。 というか、槍投げ身につけてどうするの」

 

「腕が伸びるようになる・・・はず」

 

「いや、流石にないっしょ。 ゴム人間かって」

 

 流れるように突っ込みを行う雪花。 彼女は勇者部の中でも夏凛の1,2を争う突っ込みポジションだ。 

 巫女組では最近、諏訪の巫女である藤森水都が同じ突っ込み仲間ではないかと樹も感じてきているらしい。

 

 なんにせよ、勇者部が賑やかになるのは良いことだな、と友奈は頷きながら思う。

 

「・・・・ん?」

 

 ふと、友奈の視線が雪花を見つめる。 それは雪花の視線が一定の場所に固定されていたからだ。

 ボーっとしている訳でもなく、友奈のように眠そうになっている訳でもない。

 

「あの人・・・・」

 

「あ、烈さんが戦ってる・・・」

 

 雪花の発した言葉と、その視線を追った先には義足の男、烈海王が居たのだ。

 

 

 

 

 

 

「あれ? ・・・武器使わないんだ」

 

 樹木の上から烈の戦いを見つめる友奈が口にした疑問がある。 彼は以前も武器を使う勇者には中国の様々な武器を用いて講座を開いていた。 勇者達とまるっきり一致する武器は無いのだが、武器を扱う距離間など初歩的な技術は勇者部全員が食い入るように聞き入るほど評判が良く。

 

 だから友奈は彼が戦う際は、武器を扱うものだと思っていた。しかし、実際に今の戦いを見てみると、

 

「素手・・・なんだ、ホントは」

 

 烈海王の前に迫って来ていた4体の星屑。 囲まれていたとしても、その立ち回りは見事なもので。

 

 正面から迫る星屑を鍛え抜いた腕力から繰り出す崩拳で撃ち抜き、

 左右から挟み込みに対しては、二体を巻き込むように回し蹴りで仕留め、

 背後からの敵は空中へ跳躍して躱し、身を屈め高速で回転させた勢いの乗った踵落としにて決着させた。

 

「うわお・・・やば」

 

「そうだね、ヤバいね。 四方の敵に同時に攻撃出来れば、敵が100体居ても負ける事はない・・・それを実践するなんてッッ」

 

「いや、ゆうきっち? そういう意味のヤバいじゃないからね?」

 

 隣で雪花が突っ込んでいる事も、友奈は目の前の烈の戦いぶりに気を取られて聞こえていなかった。 

 

 

 

 

 敵を今しがた撃滅させた烈海王は小さく息を吐き、構えを解く。

 

(―――人外を相手取るのは久々だったが)

 

 この世界での敵、今烈が打倒した星屑と呼ばれるそれは義足となった烈にとって、どれ程の脅威となるか不安ではあったが、杞憂に終わったようだ。

 

(この世界の敵にも武術は通用するみたいだ)

 

 実際に拳を、蹴りを打ち込んだ感触を確かめて烈は自分の技術がこの異世界においても通用するのだと実感していた。

 星屑の表面がかなり柔らかいというのは意外だったが。

 

 この世界に来てからも烈は勇者部との鍛錬とは別に、自分だけの鍛錬を毎日行っている。 それが功を奏したか、体力も衰えることなく、身体のキレも以前より増していた。

 

 

――――中国4000年、魔拳・烈海王、未だ衰えず。

 

 

「だが、何故だ・・・・」

 

 口に出すほど感じていたのは予感。 それも、悪い方の。 樹海と呼ばれるこの場所で戦い始めてからもう30分以上が経過している。 他の勇者達も敵を撃破し、大型も相手取っているというのに、

 

 赤嶺友奈が一向に姿を見せてこなかったのだ。

 

 

 そもそも何かがおかしいと烈は思っていた。 勇者達から聞いていた赤嶺友奈のその言動を。

 攻める日時を指定し、対人の不安を取り除く言葉。 どれも勇者部たちにとっては戦う上で大きなデメリットは感じられない。

 

 甘い話には必ず裏があるというのは良くあるものだ、と烈は思考を巡らせる。 敵の勇者が一体、何を狙っているのかを。

 

「―――まさかッッ」

 

 烈は自身が導き出した答えに思わず息を呑んだ。 もし烈の考えが正しければ、今ここで悠長にバーテックスと小競り合いを繰り広げている場合ではない、と。

 即座に反転、巫女達が待機している讃州中学の方向へと駆けだした。

 

 

「烈さんッ! 敵の狙いが分かりました! 恐らくは大軍を用いての陽動――――って、うわぁあ!」

 

 突如として烈とぶつかりそうになった白い勇者装束の少女が尻餅をつく。 勇者の中でも作戦参謀役を務める伊予島杏も烈と同じ思考に至ったらしい。 

 

「こらぁ烈ゥ! 杏が怪我したらどーすんだ!」

 

 杏に駆け寄った土井球子が怒りの形相で烈を睨みながら、尻餅をついている杏を片手で引っ張って起き上がらせた。

 

「済まないッ だが勇者達よ、気付いたなら急がねば!」

 

 烈が再度駆け出そうとすれば、行く手を阻むように星屑が出現する。 そしてそれは一点に東郷美森目がけて襲い掛かって来ていた。

 

「むっ!」

 

「明らかに東郷さんを狙ってる・・・、カガミブネを使わせない気なんだ」

 

 烈も話には聞いていたカガミブネ。 愛媛を解放する際に手に入れたその力は香川と愛媛を瞬時に行き来することを可能とする神の力である。

 だが、それは巫女や勇者でありながら巫女としての力を宿している東郷でしか扱う事は出来ない。

 

 敵もそれを知った上か、先ほどとは打って変わった美森への集中攻撃を浴びせ、カガミブネを使わせるタイミングを与えない動きを見せていた。その狙いが明らかに時間稼ぎなのは明白。

 

 

「だけど・・・私達だって、無策だったわけじゃない!」

 

 杏がクロスボウを構え、突撃する星屑へ矢を射かける。速射に対応したそのクロスボウの矢は瞬く間に星屑たちを射抜いていた。

 

「切り札ってのは、最後に取っておくべきだからな! どっかのカードゲームもそうだからなァ!」

 

 球子の盾が刃を展開する。 敵目がけて投擲する旋刃盤を装着したまま、星屑の顔面目がけて振り下ろす。 鋭い刃が滑らかに星屑を縦一文字に切り裂く。それはまるで、独歩の手刀のようだった。

 

 勇者達も、最悪の展開を想定して保険をかけていたようだ。

 

――――俺ァ、留守番するぜ。

 

「・・・・ッッッ!!」

 

(あの男も、それを誰よりも早く見越していたというのかッ)

 

 まんまと彼の口車に乗ってしまった事を烈は今更になってから気づき、自身にも、彼にも激怒する。

 

「おのれ、最初から・・・気づいていたな・・・・・ッッ」

 

 全身の筋肉が紅潮し、緊張し、血管を浮き出させる程に烈は拳を震わせる。 ギリギリと歯を鳴らしながら最終的には星屑が漂う天空に向かって叫んでいた。

 

「~~~~~~~独歩ォォォォォオオオオオオオッッッ!!!!」

 

「うわっ! びっくりした」

 

「た、タマっち先輩・・・私この人怖いよ・・・・」

 

 それは隣にいた球子も杏も若干引くくらいの叫びだったという。

 

 

 

 

 

 

 

――――讃州中学 部室前廊下。

 

 

 薄暗い廊下を照らすように、窓から差し込んだ光が床のタイルに反射していた。 神樹による結界がもたらした時間停止というこの特殊な空間で勇者達以外の生物は存在していない。 

 

 行き過ぎた静寂は時として、不気味な雰囲気を演出させる。

その異質とも呼んでも良い空間で、男と少女が対峙していた。

 

「―――しかし、驚いたねェ・・・」

 

 口を先に開いた男、愚地独歩はひょうきんな顔で少女の顔を不思議そうに見ては、自身で口にしているほど驚いてはいない様子で、顎に手を当てる。

 

「友奈ちゃん達とソックリさん・・・・あまり見分けが付かねェや。 実は3姉妹だったりとか、そんなオチがあったりするのかな?」

 

 独歩の質問のような呟きに、相対する少女、赤嶺友奈は小さく笑っっていた。

 

「姉妹じゃないよ・・・でも、敢えて姉妹関係を挙げるなら、高嶋さんが一番上のお姉さん、ってことになるのかな・・・・?」

 

「ほぅ、時代は違うのに?」

 

「そこはホラ、神世紀の不思議・・・香川の七不思議みたいな感じで、あまり語りたくはないんだよね。 説明は下手だからさ」

 

 どうやら、性格などには違いはあれど、”友奈”としての根本的なあり方としては同じらしい、と独歩は感じる。

 以前、稽古中に友奈たちの空手の会話を聞いていると、とにかく擬音が先行して飛び交い、途中から宇宙人と会話してるのかと錯覚するくらい説明がへたくそだった。

 

 彼女、赤嶺友奈もその節があるのだろう。 そのほかにも、独歩は気付いている事があった。

 

「”赤嶺”っていやぁ、沖縄でよく見るなァ・・・お前さん、ホントは沖縄の出だろう」

 

「フフ・・・そうだよ。 よく分かったね」

 

「沖縄には何度かバカンスに行った事があってなァ・・・・ま、それは良いとして」

 

 いいんだ、と赤嶺が肩すかしにそう呟く。 腰に手を当てた独歩が小さく息を吐いた。 少しだけ落胆を現したようなため息の後、独歩の瞳が見開く。

 

「・・・勇者ってのはァ、こういう戦い方もするのかい?」

 

 

 

 

 

 

 片目を大きく見開きながら、独歩は質問を続ける。

 

「・・・・良い子ぶって俺達に情報を与え、陽動を用いて陣地を空にさせたら、戦闘能力の無ェ巫女を襲う――――」

 

 腰の帯の具合を確かめるように手で触れ、締め直す。

 

「―――とても勇者のやる事だとは思えねェンだが」

 

 独歩が見てきた勇者は、今いる勇者部のメンバーのみだ。 どの少女達も独歩が見る分には、強い者もいれば心の弱い勇者もいる。 

 けれど心は真っ直ぐであり、その清廉さには独歩自身も見ていて気持ち良いと思える程だった。

 

 しかし、この少女。 赤嶺友奈は独歩が見てきた勇者とはまるで真逆だ。 戦いにおいて、勇者部の人間をピンポイントで襲ってきたり、今のように戦闘が出来ない巫女を直接狙うなど、やる事が結構エゲツナイのだ。

 

 勝つため、有利を得るため、負けないための戦いを実践してくる。 まるで一人だけ戦争をしてるかのようだ。

 

「・・・・卑怯、とでも言いたい?」

 

 独歩の言葉に心を痛めるどころか、笑みで返して見せる友奈。 その友奈に対して独歩は、

 

「イヤ―――、間違いじゃねェ」

 

 ふふ、と独歩は続ける。

 

「戦いってのは・・・勝負ってのは、如何に”勝利する”かが大前提――――」

 

 人間が遥か太古から繰り返してきた戦いの記録。それを振り返ってみればどうだろうか。 そこには、赤嶺が今回行った陽動、奇襲なんて可愛いと思えるくらいの非道にまみれた戦いが存在している。

 

 敵国の補給を断ち、人間同士で共食いを起こさせるほどの兵糧城攻めを行った豊臣秀吉の鳥取の渇え殺し。

 毒ガス兵器を用いて、両国で100万を超えるほどの犠牲者を生み出した第一次世界大戦。

 ナパーム弾による広範囲を焼き尽くし、破壊したベトナム戦争。

 

「―――全部、結果がすべてだ」

 

 いかに犠牲を出しても、世論に非難されようと、国単位で上げた勝利は揺るがない。 それに比べたら、今回行った赤嶺の奇襲など可愛いものなのだ。

 

「例えば、お嬢ちゃん・・・・・。

 腕力じゃ絶対に敵わない相手に対して鉄パイプで後ろからぶん殴る、とか。

 寝ている所、寝起きの所を襲って打ん殴る、とか。

 足が折れてたり、腕が動かない、どっからどう見ても戦えないような相手に奇襲、とか。

 相手が武術の達人だから、ナイフとか拳銃使ってぶっ殺しちゃう、とか・・・・、

 

――――この中に間違いはあると思うかい?」

 

 

 勿論、赤嶺友奈もそれは分かり切っている事である。だから赤嶺の答えを独歩が代わりに言うのだ。

 

「そうさ。 間違いなんてねェ、全て正解なんだわ・・・それが全て勝利へと繋がるのであれば。

 ”武”の本懐は、”鮮やかに敵を仕留めること”じゃねェ―――」

 

――――例えみっともなくとも勝つこと。 それが出来なければ、話にもならないのだ。

 

 だから、と独歩は続ける。

 

「俺は否定しねぇぜ、お嬢ちゃん。 御役目の為にお嬢ちゃんがソレ(非道)を武器にするってンなら、迷わず使えばいい」

 

 視線を赤嶺の後ろでバーテックスに拘束されてる園子へと向けると、先ほど吐露した独歩の言葉に何か言いたげな顔だった。

少しばかり申し訳なさそうにだが、それでも独歩は笑う。

 

「悪いなァ園ちゃん。 俺もどっちかというとコッチ派でなァ――――

闘いに関しては"なんでもアリの精神"なんだ」

 

 過去に骨折しているボクサーに対して問答無用のリベンジマッチという名のリンチを行った経歴を、独歩は持っている。 彼のこれまでの戦いの詳細を聞いたら多分、勇者部の皆が苦笑いすることだろう。

 

「ド突き合いよりも、一方的にド突くのが大好きだし♡」

 

「独歩ちゃん・・」

 

 園子の悲壮な眼差しが独歩へと向けられる。 それは普段勇者部に見せている顔が偽りで、本性は赤嶺とさほど変わらないと言う事を知ってしまった、裏切られたという感覚だろうか。

 

少しだけ胸が痛む独歩だが長い間、そういう戦いを仕掛けられ、経験してきた彼だからその考えを否定することは出来ないのである。

 

「――前置きが長かったなァ・・・」

 

 独歩が目を細め、ゆるりと構え始める。

両の手が動き、片手は天にもう片手を地に向けた天地上下の構え。 空手家である独歩が長い間愛用している威圧の構えだ。

 

 

「そろそろ始めようぜ――ッッ!?」

 

「くっくっく・・・・」

 

構えを完成させた独歩が仕掛けようとした時、その動きが中断される。 その理由はただ一つ。

 

「くはっ、あはははははっ!!! アハハハハハッッ!! アハッ! アハハハハハッッ・・・・エフッ エフッ エフッ」

 

それは眼前の赤嶺友奈が笑っていたからだ。自身でもむせ返るほどに。

 

「・・・今、言ったよね。 私の非道、武器にするなら、迷わず使えばいいって・・・」

 

「・・・・」

 

 赤嶺が笑みを浮かべるのに対して、独歩は冷ややかに無言だ。 赤嶺の笑みは、まるでこの勝負が既に決していると言っているかのような気がしたのである。

 そして赤嶺は動く。 手甲を装着している右手が伸び、拘束されている園子の首元を掴みとる。

 

「がっ・・・!」

 

「―――”攻撃しなくていい”よ、そして”動かなくてもいい”。 この意味が分かるかな?」

 

 ぎりっ、と園子の首元を掴んでいる手に力が籠められる。 気道が狭まり、呼吸が難しくなった園子が嗚咽交じり顔を歪ませた。

 彼女の言う所、抵抗すれば、反撃すれば園子の身は保障しないといものだ。

 

「どっ、ぽ・・・ちゃ、ん」

 

 息苦しくもなんとか言葉を作る園子の首から赤嶺の手が離れた。 同時に呼吸を全力で行い、園子の顔に正気が戻る。 変身していない生身の身体に勇者の力での首締めが行われれば、今度こそ、園子は死ぬだろう。

 

要するに赤嶺は独歩に何もさせないままブン殴りつづけるつもりである。当然、手を休む事なく一方的にだ。人質を取られることで生じた絶対的な不利、それに対して武人、愚地独歩は、

 

「まあ、―――仕方ねェわな」

 

 やれやれと言った表情で、ふー、と息を大きく天井に向かって吐き、構えを解いた独歩が赤嶺を見据える。

 

「―――園ちゃんに何かあったらよォ、オイラが若坊と東郷に叱られちまうからな」

 

てっきり、意地でも嫌だと言ってくるものだと思っていたが表情をキョトンとさせていた赤嶺がコンマ数秒で嬉々とした表情へ戻る。

 

「あぁ、もう最高ッ それじゃあ精一杯、耐えて見せてよねッ!」

 

無造作に構えた右腕、その構えには見覚えがあった。 勇者部の結城友奈、高嶋友奈が同じくして持っている必殺パンチのソレであった。

 

「勇者ァ――パンチ」

 

赤嶺の籠手に力が込められる。

軋むような音を奏でながら局部の緊張を高め、臨海に達した瞬間に赤嶺は独歩へと駆け出した。

当然、避ける術も何もない独歩はただ憮然と立ち尽くしているだけ。

 

「独歩ちゃんッッ!」

 

園子の叫びも虚しく、次の瞬間には独歩の顔面に赤嶺の拳が轟音と共に叩き込まれ、

同時に舞う独歩の血飛沫は、戦いのゴングが鳴った事を告げていた。

 




赤嶺さんがガチで殺る気マンマンで草しか生えない。
私の描くこの作品の赤嶺さんはレズっ気高めで、ドSです。だって一目見た時からそう見えry

卑劣を堂々と使う武術家...まるでどこかの死刑囚のようだ。

園子様
絶賛囚われのヒロイン中。独歩の安否よりもメモ帳の中身が気になる。

独歩ちゃん
奇襲とか俺もやられたことあるし、やったこともあるから今更赤嶺に仕掛けられてもどうと言うことはない。やられたのなら、いずれやり返す(ここ重要

ツンデレ海王
以外に戦える。手柄を独歩に持ってかれそうでかなり悔しそう。
帰って事が済んでたらマジでぶちのめそうとしてる。 星屑が以外に柔らかかったから食用としていけるのでは?と思ってる。

伊予島杏
烈の事をただのヤバくて怖い人だと思ってる。だって 常に吊り目だし、マッチョだし、めっちゃダッシュして接近してくるし、いきなり叫ぶんだもん。

土井珠子
烈の喧嘩相手。だけどタマが一方的に思ってるだけ。最近独歩に殴られ過ぎて防御力が200くらい上がった。 ついでに独歩の真似で手刀も身につけたから接近戦もできるようになった。

7000文字も費やしてやっと殴り合いが始まるという遅さ。 いやー、ペース上げたいけどキツイっす。

男装ぐんちゃん欲しいんですけど、いつ実装されますかね?
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