A、筋肉と美少女の融合は一度やってみたかったんだ。いうなれば、趣味。
Q、赤嶺さんはどうしてドSなの?
A、一目見た時から・・・って前から言ってるでしょォォォオ!
Q、エグイ展開ってあります?
A、ありますねェ!
いつか刃牙のキャラ紹介風にゆゆゆのキャラを紹介したい。
「コォ・・・・ッッ!」
呼吸を整え、構えた赤嶺友奈の拳が眼前の独歩向けて打ち込まれる。
人間の顔を金属で打ん殴ったら恐らくこんな音がするのだろう。 轟音と共に独歩の身体が大きく揺れた。
「とっと・・・ッ」
常人であれば一撃でノックダウンさせられているであろう上段突きを耐える事が出来たのは、日ごろの訓練の賜だと独歩は己の鍛えた肉体に感謝し、自身の身体と周囲を見直した。
びちゃり、と廊下のタイルを濡らしているのは独歩の血だ。 鼻からの出血は止まることなく、首を伝い、白の道着を朱に染めていた。 鏡で自分の姿を見たならば、どれほど不細工な様を映しているだろうか。
「頑丈だよね・・・」
拳に付着した血を払うように腕を振るい、粘着質な赤い液体は廊下の壁にも点々とした飛沫が飛散していた。
それでも赤嶺は動きを止めることはない。
「・・・シッ!!」
武に精通していない者から見れば、捉える事も難しいであろう神速の打拳。まるでボクサーの如く、顔面に、胸部と腹部に一発ずつ突き刺さる赤嶺の連撃が178センチ、110キロの男の身体を激しく揺らす。
赤嶺友奈の身長は154センチとリーチの差は歴然、拳の発射角度は若干斜め上故、若干の不安定だ。しかし、相手は全く動くことが出来ない筋肉ダルマ、サンドバッグである。
攻撃もさせない、という行動制限が赤嶺のこの戦いでの不安要素を消し去っていた。
「――――そらッッ!!」
相手が動いてこない、という余裕から繰り出されるの赤嶺の蹴り。 軽快なステップから大きく振り上げられる美しい褐色の脚は見事に抉っていた。
独歩の無防備な金的を。
「――――ぎっっ!?」
声にならない悲鳴を上げ、独歩の全身が硬直する。 本来なら180度まで振り上げられる赤嶺の蹴りは独歩の二の股の間に留まり、勢いを失った後もグリグリと押し付けられ、独歩の膝が砕けた瞬間に引き抜かれる。
有無を言わさず、赤嶺の連撃が炸裂する。
金的により頭が下がった独歩の顔面目がけ膝蹴り、
膝立ちで身体を逸らせ露わになった喉へ右足側頭蹴りが突き刺さる。
一連の動作、わずか3秒に満たない。
その間、独歩の顔面からは更に血が溢れ、打突により気道は狭まれ意識混濁、体中に酸素を送る事もままならず、瞳孔は開き、膝立ちのまま完全に沈黙。
「独歩ちゃん!!」
思わず目を背けたのは乃木園子だ。 全身は未だ拘束され、無理に動こうものならバーテックスから伸びている触手が容赦なく園子の首と胴をキツく締め上げる。 勇者システムのアプリのロックが例え解除されていようといまいと、アプリを手にできていない時点で園子は完全に無力化されていた。
「ダメだよ、ちゃんと見なくちゃ」
赤嶺の腕が伸び、園子の頭を掴んでは力任せにその方向を修正させる。窓の方角を向いていた頭が抵抗虚しく前方を向いた時、瞳に映ったのは膝を折り、呆然と口を開けている独歩の姿だった。
片目の瞳孔は開かれ、口元から垂れる液体は唾液と血液を混ぜた物だ。 蹴られた股間を抑えるはずの手はぶらん、と腰の辺りを漂い魂が抜けたその表情は、死んでしまっているのではないかと錯覚させる。
「誰のせいでこうなってるか、ちゃんと自覚してほしいかな」
妖艶な表情で、園子に笑いかける赤嶺。 独歩に肉体的ダメージを与えつつ、園子の心も削る。 それが赤嶺の狙いだ。
「不用意に私に捕まった貴方が悪いんだよ? だからあの人は、今もずっと・・・殴られっ放しなんだ。 かわいそうに、ね」
見せつけるように、両の手の人差し指、親指を使って園子の両目を開かせる。 彼女の身体は冬でもないのにカタカタと震えだし、
「どっぽ、ちゃん・・・いや」
ものの数秒、眼球が乾燥した訳もなく園子の瞳から伝うものがあった。 己自身の無力さ、利用されてしまう歯がゆさ、それで傷ついている者がいるという事実が普段冷静な園子の思考を破壊する。
園子の脳裏に、瞬時に去来する光景がある。
「あ、ああ・・・っ」
季節は2年前、場所は樹海化した瀬戸大橋。
あの日、自分たちが無力だったが為にその身を犠牲にし、自分たちと世界を救ってくれた紅い勇者の少女を園子は思い出す。
真紅の勇者装束を己の血で尚染め上げ、虚しく吹いたそよ風に揺れる腕の通っていない右袖が今でも園子の瞼には焼き付いていた。
「・・・・やめて、よ」
無意識のうちに呼吸が乱れ、尋常ではない汗が額から溢れだす。 誰しもがどこかで強烈な体験から忘れることが出来ない、ふとした事で身体に異常を来す、一言で表すならトラウマ。
過去の光景が現在の状況が重なり、身体が石化したかのように動くことを拒否し始める。
「フフ・・・」
一方で赤嶺は確信していた。 自身の勝利を。
独歩はいまだに放心状態でまったく動くことが出来ず、園子は心もズタズタにされ、戦意喪失。 その証拠に、生きる力を失ったようなその瞳からは涙しか流れていない。
その光景を目の当たりにした赤嶺は胸に小さく痛みが走るのを感じる。 動ける者が自分しかいないのだから、危害を加える者は誰もいない。 何かで殴られた訳でももないのに、赤嶺に対して小さくダメージを残した。
勿論、痛みの正体に赤嶺自身は気付いている。 だが、
「これもね・・・・」
御役目なんだ、と心の内で続ける。 まるで自分に言い聞かせながら。
ある程度邪魔物はいなくなったのなら、星屑を部室の中に向かわせて巫女を人質に取る事で作戦は終了する。 その指示を場にいた星屑に投げようとした時だ。
「みんな、そろそろ部室に行っちゃって――――」
「馬鹿言ってんじゃねェや、お嬢ちゃん」
声のする方向、振り返ったその場所に愚地独歩は立っていた。
○
蹴りを繰り出した赤嶺自身も疑問に思っていた。 男の急所を蹴り潰した割には、反応が薄かったものだと。
過去、この世界に召喚される前の赤嶺にとって対人戦は朝飯前。 もはやそれが日常となりつつあり、その日常の中では男性と相対することもあった。 その時、積極的に狙ったのは関節技でも脳を揺らす打拳でもない。 男の急所、金的だった。
男の股間というのは、簡単に言えば内臓だ。 デコピン程度の力で弾かれれば強烈な痛みを発するその器官は、何とも頼りない薄皮によって吊るされているだけである。 これを狙わない手は無い。
野球のキャッチャーがピッチャーの投げたボールが地面で跳ね、そのまま股間に直撃する光景を見たことはあるだろうか。 その惨状たるや、なんとも恐ろしいことか。股間を押さえ、声を上げる事も無く、選手は地面をのたうち回る。 強烈な痛みにある者は失神し、泡だって口から吹くだろう。
実際、実行した金的狙いを見舞われた相手は思った通りの反応を見せ、効果を確認した赤嶺は、男を倒すならまず狙うは金的だと自分の仲間、
「ン~ン、勇者の拳ってのは・・・こんなもんかィ」
なのに、目の前の男、愚地独歩が勇者の力による蹴りを物ともせず、笑顔を向けてきているという事実に、赤嶺は得体の知れぬ何かを感じた。
独歩が血の滴る鼻を片方を指で塞ぎ、鼻を噛む要領で力を入れると噴水のような勢いで血が飛び出す。
「オジサン・・・演技が上手いね」
鼻から噴出した血は地面を濡らし、水溜まりを形成している。 それを自身でも気味悪いな、と呟いていた。
「へっへっへ、どうでぃ・・・・お嬢ちゃんから見ても、イイ線いってると思うんだが?」
「主演男優賞、あげたいくらいだよ」
赤嶺自身、独歩が金的を物ともしなかった理由は既に理解できている。
独歩の股間を蹴った瞬間、蹴り慣れた臓器の感触が
「”コツカケ”・・・・」
「・・・・ほぅ、良く知ってんじゃねぇか」
嬉しそうな声色の独歩の言葉は赤嶺が言い当てた事に対しての賞賛の現れである。 彼の言うコツカケとは、沖縄に伝わる武術の一つ。
「腹筋の操作で睾丸を腹へ引き上げちまう、琉球空手に古くから伝わる技法さ・・・・」
故に、金的に打ち込まれた赤嶺の蹴りは無意味。 急所突きはほぼ不可能となるのである。
「へんな技編み出したもんだよね、昔の男の人って・・・・」
自身が女であるが為に、知識として身につける程度となった技に苛立ちを覚えた。 この技法が無ければ、恐らく先ほどの蹴りだけで勝負はついていただろうと。
「それじゃあ、今度はお嬢ちゃんが新しい技生み出しちまいな・・・たとえば、そのおっぱいを綺麗に内側に仕舞いこんじまう、とか」
「なっ・・・!!」
自身の胸を隠す動作で羞恥の色に顔を染める赤嶺に、だってよォ、と独歩は続ける。
「その中学生にあるまじき胸・・・・東郷といい、上里といい、男からしたら揉んでくれって言ってるようなもんだぜ。 天性の産物、そう言うべきか。
だがそれを持たずして生まれた奴らが居るってことを忘れてねェかい? ・・・壁の気持ちを考えなッ ついでにうちの球子あたりにでも分けてやれッ」
悪い笑みを浮かべている独歩が両の腰に手を当て言い放つ姿はまさしく悪党のそれだ。赤嶺は思う、コイツただのセクハラじじいなのでは?と。
「・・・・独歩ちゃん、大丈夫、なの?」
独歩を心配する声は乃木園子のものだ。 彼が立ち上がった事に少なからず希望を見出したか、その瞳にはわずかながら光が戻っていた。
「これくらいでくたばる様なら”武神”なんて呼ばれちゃいねぇのよ・・・こんなヤツのパンチ、屁でもねェな」
自身も、園子も元気づけるように胸を手で叩き、音を鳴らす。 肌と肌がピタリとひっつくほど密着させて奏でた音は気持ちよさを覚えるほどのものであった。
「さっきから・・・・さぁ」
独歩の眼前、赤嶺が右手を震わせていた。明らかに、怒りという感情が垣間見える。
「好き勝手言ってくれるじゃない・・・ッ」
怒気を孕んだ声色で赤嶺が構える事も無く、ゆらりと動く。 危機を察知したのは園子だ。
「独歩ちゃん! 逃げてッ」
出来れば逃げて欲しい、今度の赤嶺は本気で独歩の事を壊しにかかりかねない。 最悪、殺してしまう可能性もある。
自分が原因で戦うことが出来ない以上、彼がこれ以上傷つくということを園子が望むわけが無かった。
「うるせーなァ、アイツが今まで以上に殺ル気だってのは見なくても分かってんだよ」
対して独歩は園子の言葉を聞いた上で立ち留まった。
「だが退がりゃしねぇッ 俺の空手は”後退”のネジを外してあんのよッッ」
不敵に笑って見せた独歩は条件付けされている以上、大きく変わった動きを見せる事はできない。 赤嶺はその揺るがない絶対的有利を突いてくる。
「勇者・・・五連―――」
直後、赤嶺の身体が羽毛のように宙に舞った。 動きにして、その場から浮き上がったようなそのノーモーションによる跳躍は、かつての地下闘技場で戦った
「パァァァアンチッッ!!」
直後、突風が吹き荒れる。 容赦のない、遠慮のない、拳の嵐が独歩の顔面、胸筋、腹部にかけて拳が突き刺さった。
弾丸の如き威力を持つ拳が見舞われる度に独歩の血が鼻から噴き出し、廊下の周囲を朱に染めていく。
「―――ッッ」
必殺の連撃を加えた赤嶺が感じたのはまたしても違和感。 自身の渾身の力を込めた拳は確かに男の身体にダメージを与えた。
だが、今まで拳が当たるたびに揺らしてきた上半身、数歩ずつよろめいていた下半身が全く動いていないという事実に歯痒ささえ覚える。
加えて殴った感触は人間のモノとは思えない程の硬さ。 まるで鉄。
その正体は、独歩の構えを見る事で答えを容易に得ることが出来た。
呼ッ
「まさか・・・
脇を締め、膝を柔らかく曲げたその構えは空手の守りの型。
呼吸のコントロールによって完成されるこの型は完全になされた時にはあらゆる打撃に耐えると言われる。
赤嶺の連撃を耐えきって見せた独歩が小さく息を吐いて不敵に笑っていた。
「お嬢ちゃんのパンチが凄くてなァ、”技”なんてものを使っちまったぜ・・・悪いな」
「別に? 構わないよ」
自身の渾身の力を乗せた拳が、勇者の力が技によって防がれた現実に赤嶺は息を呑む。だが、その程度でとまる赤嶺ではない。
五発浴びせて駄目ならば、千発浴びせて倒れるまで殴るまで。
「勇者ァ・・・・」
今一度構え、拳を繰り出さんとした時、独歩の瞳が見開いた。
「勇者部五箇条ォォォォ! ひーとーつーッッ!」
それは独歩の視線の先にある赤嶺ではなく、園子に届くもので、
「”なるべく諦めない”ッッ」
聞き覚えのある言葉が耳に届いた瞬間、園子の瞳に生気が戻った。
別に園子様を曇らせたかったわけじゃない、という嘘は通用しない。 鋼メンタルの園子様があの程度の責めで動じる訳ないだろッ いい加減にしろッ と思った方、正常です。 ただ私が中途半端に曇らせてしまっただけだ。
さて、この話が終わったら日常回。 こいつらで日常回でやるとか正気かよ・・・と自分でも思ってるのだ。
男装イベントとかあるから刃牙キャラが女装するイベントを思いついたが多分収拾つかなくなるからお蔵入りさせます。(書かないとは言っていない)
次回は近い内に投稿する予定。