ゆゆ刃牙~漢達のきらめきッッ~   作:バロックス(駄犬

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お願いです、ゆゆゆい戦闘中でボスキャラが画面の端で攻撃対象にすらならずスピクリできなくなるバグの改善をしてくださいッッ なんでもしますからッッッ

ついでに赤嶺さんのイベント参加を早くしてください、プレイアブル化してください(要望多め)


第十六話~ルール変更のお知らせ~

―――神様よ。

 

 

―――って、俺たちはそんなに神様なんて信じてないんだがなァ……

 

 

 

―――勝手に人間(ヒト)の力をお前(テメェ)らの匙加減で量って貰っちゃ困るぜ?

 

 

 

―――試練を与えるのは大いに結構、だが一つだけ言わせてもらうぜ神様よ……

 

 

 

―――人を上から目線で試せるほど……神様ってのは、そんなに(えれ)ェのかい?

 

 

 

 

 

―――――

 

 

―――

 

 

――

 

 

 

 

 

――――未解放地域・愛媛。

 

 

 樹海化した世界を歩く少女たちが居る。残された愛媛の土地を攻略する為にやって来た勇者達だ。

 

「よーし! 今日も我が古郷愛媛を解放してやるぞー!」

 

 先頭を往く土井球子の快活な声が響く。他の勇者達もその声に続くように声を上げた。御役目に対する気合は十分である。

 

 

 

「タマァ、随分と張り切ってンじゃねぇか」

 

 後方、勇者を全員が見渡せる位置には独歩と烈を含めたグラップラー達も一緒だ。

 

「あったりまえだァ! 今回はタマ達が攻め込む番なんだからな!」

 

 旋刃盤を持つ腕を掲げて、球子は言う。

 今回の戦いは勇者部側から造反神の領土へと攻め込む戦い。いつもなら神樹の神託が無い限りは堅守に徹する勇者達だったが、未解放地域に超大型のバーテックスが建造されているという情報があった。

 

 

 これまでのバーテックスより遥かに大きい個体が二体。

 激戦は避けられまいと誰もが思う。その中で土井球子が言い出した事だ。

 

 

『神様が守護れない部分は人間が頑張って守護るんだ!』

 

 

 神託が出ていない時点で、勝手に敵へと攻め込むのはリスキーであったものの、今回は勇者部一同が攻め込むという案に賛成した。

 

「勇ましい限りですね、愚地氏」

「そうだなァ、烈よ。 オイラ、嬉し泣きしちゃいそう」

 

 勇者達の攻めるという判断に二人のグラップラーは、球子の存在を頼もしく思い、笑みを浮かべた。

 

「いつか、神の力に頼らずに生きていかなければならない……それは彼女たちの世界での問題が解決されたらいずれは訪れること、考えるべき課題―――」

 

 異形の存在、バーテックスを倒す戦いが始まって300年、勇者達の世界が神樹による恵という施しで生きながらえている事情は既に知っている。

 

 

 だが、と烈は思う。果たしてそれは、本来あるべき人としての生き方なのだろうか、と。

 

 

 今はまだいい。バーテックスと戦っているのだから。

 だが、バーテックスとの戦いが終わり、平穏を取り戻した後も神樹という神にすがって生きていくことを烈は好ましく思わなかった。

 

 

 人はそんなに弱い生き物だろうか。

 

 

 嵐が来て、田畑が荒らされても人々は新しく苗を植えては耕した。

 道路や橋が壊れても、次に建造(つくる)時はもっと頑強(かたく)なるように技術を生み出した。

 大津波や大地震という大災害に見舞われても、地域が、国が、世界が手を取り合っては再建の誓いを立てて復興させてきた。

 

 

 

 何時(いつ)だって、どんな時だって……人間(ヒト)は苦難を乗り越えてきた。それこそ、神様の力とやらを抜きで。

 知恵を絞り、得体の知れない力に頼ることなく努力し、窮地を脱してきたのだ。

 

 

 

「『神託が無い限りは攻め込むべきにあらず』。 これまでの神樹による導きだけでなく、人間としての考えで攻める事を選んだ今回の勇者達の行動……果たして『吉』と出るか、『凶』と出るのか」

「なぁに、駄目だったんならオイラ達が手ェ貸してやるのさ。 早く暴れたいんだがねェ」

「フフ……そう言って愚地氏は、土井が危険な目に遭うのがイヤなだけなのでは?」

「フン」

 

 鼻を鳴らして、独歩はそっぽを向く。

 勇者部の副顧問として鍛錬の手伝いをする独歩だが、球子の特訓に付き合っていることもあってか時折、球子と居る時は息子・愚地克己と共にいるような安らいだ顔をしているのだ。

 

 

 それは傍から見ればまるで、父と娘を見るような。

 

 

「それに、伊予島の事も―――」

「烈テメェ……アホなこと言ってねェでブッ壊したタマのマウンテンバイク代、早く出しときなよ」

「ッッッ あれはッ 神心会持ちということには出来ないのですかッッ」

「できる訳ねェだろバァカッッ」

 

 

 それに、と独歩が先頭を歩く球子の、更に奥を見据えて思うのだ。

 

 

 どうにもイヤな予感がする、と。

 

 

 そして独歩のイヤな予感は、即座に的中することとなる。

 数十メートル先の場所で、

 

 

「―――待ってたぜ……勇者達よ」

 

 

 勇者達の前方、一人の男が立つ。

 地上最強の男・範馬勇次郎が。

 

 

 

 目の前に現れた黒服の男にタマは首を傾げる。

 

「ん? 誰だこのオッサン」

「球子ッ 下がれッッ」

 

 後方から飛んで、球子の前へと現れた若葉が警戒度マックスで既に生太刀を抜刀している。

 

「こ、この男は……一体……ッッ」

 

 常在戦場、常に武器を持ち歩いて武を研鑽を告げている若葉の目には男の姿が一体どんな姿に見えたのだろうか。

 

 

 星屑なんて目じゃない……、

 ヴァルゴ……でもない、

 スコーピオン……でも、

 レオ・バーテックス……なんて、まだ優しいか?

 

 これまで若葉見てきたバーテックスよりも遥かに強大で強力なモノ。それは鬼。

 

「……お、鬼だとッッッ」

 

 

 たった一人の男の戦闘力は神の尖兵を遥かに凌駕する鬼だったというのが若葉の脳内にイメージされたものである。

 これまで戦ったことのない得体の知れない生物を相手にするかのように額に汗が浮かび、動揺を隠しきれない。

 

「クックック……流石、初代勇者というべきか。 なァ……若葉よ」

 

 勇次郎が嗤っている。

 

「相棒は―――、上里ひなたも達者でやってんのかイ?」

「――貴様、私だけでなく、ひなたまで……何故知っている」

 

 放たれる圧に押されながらも気丈に振る舞うのが精いっぱいなのが若葉の現状だ。若葉だけではない、恐らく、勇者部全員が、勘の良い夏凛や棗、雪花は気付いているだろう。

 ピリピリと電気が帯電しているように肌を刺すような感覚が告げている。この男は危険だと。

 

 

「やはり、来ていたのかッッ……」

「勇次郎……」

 

 その邪気にも似た圧力を物ともせず、勇次郎の前へと出る者がいる。烈と独歩だ。

 

「独歩さん、烈さん……と言う事は、二人の世界の人なのか」

 

 ああ、と独歩が頷く。

 

「この男は範馬勇次郎、俺達の世界で『(オーガ)』なんて呼ばれてるヤベェ奴だ」

「だがッ 何故この男がここにッッ まさかッッ」

 

「その通りだぜ」

 

 烈の言葉に勇次郎がまたしても嗤う。

 

「お前さんらとの前に立つ―――、その意味即ち、俺が造反神側の協力者としてお前たちと敵対してるってことよ」

 

「オーガだかハンマーだか知らないけどさァ」

 

 球子が口を開く。

 

「どんな奴らが出てきたってタマ達がブッ倒せばいい事だろう!」

 

 馬鹿な、と烈が歯軋りをした。

 先ほどまで勇ましい発言が、勇次郎の登場だけで無謀の言葉に変換される。

 

「ホゥ……」

 

 球子は知らないのだ。

 範馬勇次郎を前にブッ倒す、とか喧嘩を売るというのがどういう意味なのか。

 

「デカい事を言うようになったなぁ土井……、相変わらず何もかも小せェが」

「ち、小さいとはなんだ小さいとはッッ というかなんでタマのこと知ってんだァ! 説明しろコラァ!」

 

 そう言って、啖呵を切る球子を前に勇次郎は微動だにせず、むしろ嘲笑っていた。

 

「まぁ、いい。 俺も今日は別に闘りたくてきたわけじゃねェ……聞けッ 勇者一同ッッ」

 

 勇次郎が叫ぶ。 

 その言葉はまるで魔法の如く、そうせざるを得ないような強制力を持ち、勇者達の動きがぴたりと止まる。

 

 そして口の端を上げ、勇次郎は言うのだ。

 

 

 

 

 

「この神々の戦い……ルール変更のお知らせだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「雑魚ども相手にチマチマと領土の奪い合い……それが貴様ら勇者がこの世界で受け持った”御役目”、だったな」

 

 勇次郎が両の手を広げ、それはこの樹海、未解放の地域を示しながら、

 

「造反神の領土内にある愛媛・徳島・高知の一部が既に俺の領土となっている……樹海が終わったら巫女どもに確認でもすればいい……赤い領土は、黒く変色されている筈だ」

 

「……オーガッ まさかッ」

 

 烈が察したのか眉を顰める。  

 勇次郎のこれから言うべきことが、どれほど恐ろしい事なのかそれが理解できたのだ。

 

「――この戦い、俺も混ぜさせてもらうぜ」

「~~~~~~ッッッ!!!?」

「……マジ?」

 

 冗談かよ、と独歩が問うがそれは無駄な事だろうと、独歩自身もそれは理解している。

 武の道を往く者にとって、範馬勇次郎という生物が敵に回るということがどういう事なのかは身を持って知っている。

 

「まさか……オーガ自ら―――」

阿呆(あほう)が」

 

 独歩の言葉を勇次郎が断ち切った。

 

「俺が手ェ出したらスグ終わっちまうからなァ……、貴様ら勇者にはそれなりに相応しい相手と戦ってもらう」

「私達に相応しい相手、だと?」

 

 不審に思う若葉。

 今の勇者にとって戦うのに相応しい相手、それが何なのか、見当がつかない。息を呑んで、勇者達はその言葉を待つ。

 

 

 

「―――俺達の世界の戦士(ファイター)だ」

 

 その静寂を引き裂くようにして、勇次郎の口が開かれる。

 

「俺達の世界……」

「まさか、お前さんが召喚するってのかい……?オイラたちの世界から」

 

 そうだ、と勇次郎は言葉を紡ぐ。 

 独歩と烈の世界、それはバーテックスのいないだけの普通の世界だ。

 

「俺がこの世界に呼び出す奴らと戦い、勝利して陣地を奪う……これまで戦いと違うのは、バーテックスは使わねェってところだけだ。 それ以外はいつも通りだ」

 

 

 だがその世界には確かにいる。常軌を逸した者が、格闘者(グラップラー)たちが。

 

 世界最高の筋力を持つ男が、

 血上最強の男の血を引く男が、

 我流の柔術にて実践家の男が、

 生まれながらにして強者の男が。

 

 

 各々が一番に磨いてきた力を持つ者が勇者の前に立ち塞がる。

 それがこの男、範馬勇次郎という存在によって成されようとしている。

 

 

「戦争だ……」

 

 

 

 

 

「”神対勇者”……ではないッッ」

 

 

 

 

 

「ましてや”人対勇者”でもねェッッ」

 

 

 

 

 

 

 

「”格闘者(グラップラー)対勇者”の全面戦争……異世界別異種格闘技戦の始まりだッッ」

 

 

 

 

 

―――場所、自由。

 

 

―――時間、自由。

 

 

―――武器使用、自由。

 

 

―――ルール無用の喧嘩祭り。

 

 

「飽きる事のない戦いの世界、  ”()りたいヤツは好きなだけ()れッッッ”  」

 

 それがこの戦いのルール。

 しかしルールがあるようでないような、告げられたその内容に一同が息を呑んだのも束の間、

 

「どうだっていいんだよそんな事ァ!」

 

 土井球子が叫ぶ。

 

「グラップラーだろうが、なんだろうがッ それがタマ達の前に立つってんならッッ 全員、問答無用で倒すまでなんだよッッ こっちはさぁッッ!」

「やだ……タマッち先輩、かっこいい」

 

 その威勢の良さに改めて杏が見惚れている一方で、他の勇者達にも伝播したのか、

 

「歌野の件もあるし、厳しい戦いになりそうね……若葉ッ」

「風さん、これまでの鍛錬は無駄ではなかったということを見せてやろうッ」

 

 風と若葉が共に見合う。

 対人の戦闘訓練は独歩や烈と共に積んでいて適応力が出来ていたのか、怖気づいたという印象は勇者達には無かった。

 

「クク……その意気や良し―――悪かねェ、ならばこの地域を賭けての初戦、さっそく始めるとするかい……?」

 

 勇次郎が頃合いか、と手を挙げた瞬間、その横を通るようにして悠々と歩いてくる男がいる。

 

 

 男の背丈は180センチ、くらいだろうか。勇次郎と比べると見劣りしてしまうが、それでも勇者達より大きいことは変わりない。

 

 上裸から窺えるのは鍛え込まれた肉体、

 太すぎず、

 細すぎず、

 シャープ寄りの”バランス”の取れた体つき。

 

「――勇者が例え少女であっても、俺は容赦はしないッッッ」

 

 黒のレスリングパンツ、ロングのボブヘアー、額の赤いバンダナはその声量に見合う闘志の表れか。男の出立ちは確実にプロレスラーのそれだ。

 

山本稔(やまもと みのる)……コイツが貴様らの最初の相手だ」

 

 勇次郎が紹介すると同時に、山本が両脇を固める構えを取る。

 

「さぁ来いッ 『完成』された格闘技を見せてやるッッ」

「……『完成』?」

 

 それが条件反射だったのか定かではないが、

 勇者の中でその単語に人一倍敏感な少女がいるのを、山本は知らなかった。

 

 

「私の目の前で……完成型勇者を前にして『完成』を名乗るとは、いい度胸ねッッッ」

 

 勇者の集団から飛ぶようにして山本の前に姿を現す少女が居る。

 燃える炎の如き赤の装束、

 機動力重視の双剣、

 敵を射すくめるであろう吊り上った眼光と、

 

 

 

 

 

―――勇者部随一の”にぼし好き”。

 

 

「アンタの相手はこの私ッ 完成型勇者、三好夏凛が相手だッッッ」

 

 

 その双剣を手に取り、夏凛が構えたのを見た勇次郎がこれから戦う二人の間に入るようにして立つ。

 

 

「――これは俺からのサービスだ……一発目だけは俺が仕切ってやらァ……始まったら最後、相手を心の芯から屈服させるまで叩けッッ

――――では双方、」

 

 黒の眼光が妖しく光る。

 勇次郎の腕が空へと延び、手刀の形を取る。だがそれは攻撃するのではなく、始まりを告げるモノ。

 

 

「”””開  始ッ ッ ッ(はじめい)”!!!”””」

 

 次の瞬間、不戦の鎖を断ち切るかのように、戦いの合図を告げる勇次郎の腕が振り下ろされた。

 

 

 




Q:素手と武器持ち相手ではグラップラーが不利なのでは?
A:それでもイーブン、それなりのハンデが勇者側にあります。
Q:召喚されるグラップラーはいつの時期の人なの?
A:登場時期はバラバラですが、この山本はトーナメントの時。

もうここから花結の章、原作とかけ離れた展開へ行きます。
生々しい対人戦闘訓練が出来ますよ!やったね赤嶺ちゃん!


グラップラーNo.7
山本 稔(やまもと みのる)
身長/体重:184/102
説明する特徴は特になく、敢えてあげるなら”バランスのいい選手”
バランス命、それが山本稔。
戦闘形態(ファイトスタイル)
バランスのイイと評される完成されたシュートレスリング(完成しているとは言っていない)
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