Twitterでこの作品を見た方から、ゆゆ式×とバキのクロスだと思ったというコメが。
もし自分がゆゆ式とクロスさせるなら『刃牙式』かなぁ。グラップラーが生徒か先生役で。
グラップラー(読者)諸君のお陰で今回も無事投稿できたッッ
ついでにランキングにも少し残ってたッッ 感謝ッッ
鷲尾須美とは国防に命を燃やす一人の少女である。
その正体は国防仮面壱号……もとい、中学生である東郷美森の幼少期の姿だ。
そんな須美が樹海化警報を聞き、偶々今回は離れていた仲間の元へと駆け付ける途中の事である。
須美の翡翠の瞳が、一人の人物を映した。
大柄で、とても太い、そんな男を。
白スーツが様になっていると言えばいいのか、男の歩く姿は悠々と、かつ毅然としており須美から見ても男の姿は一つの絵になるのである。
しかし、勇者とバーテックスしか存在できない樹海にて男がいるという事実が、須美に警笛を脳内で鳴らさせた。
そして須美は思うのである。
あの大男は、グラップラーの一人に違いない、と。
グラップラー。
須美たちのいる世界とは別の世界からやってきた格闘士達。
範馬勇次郎という地上最強の生物が率いるグラップラー軍団はこの造反神を鎮める勇者との戦いにも乱入してきたのだ。
その実力は、あの夏凜を一時期でも戦闘不能まで追い込むほどである。
須美はこのグラップラーがあまり好きではなかった。
理由は明白、その文字列が横文字だからである。須美はあまり、オブラートに包むが外国というものに抵抗があった。
バーテックス、という横文字にも未だに抵抗があるというのに。
最近では、部室内でもグラップラーという単語が流行りだしている。
独歩や烈の影響もあるのだろうか。
このままでは部室どころか、御国の未来が危うい。
健全な日本の未来を、自身が
己が愛する国を
「勇者部所属、鷲尾須美……押して参りますッッ!!」
彼女の取り柄とも言えるロングレンジによる戦闘を仕掛ける。
もはや使い慣れたであろう自身の武器である弓を構え、狙いを定め、放った。
勇者によって放たれた矢は、例え少女の物であっても絶大な威力を発揮し、それは現実世界で言うミサイルにも匹敵するのである。
その音速にも近い速度で放たれた光矢が、男の地面にて直撃した。
しかし、
どうっ、と轟音と共に地面を抉る力を持つ須美の弓矢に男は怯まない。
それどころか、足を止めることなく須美の方向へと進み出した。
(この人、恐怖心というものがないの……ッッ!?)
地面を破壊するほどの弓矢を目の当たりにすれば、思わず足を止めてしまうだろうと考えていた須美。
だが、目の前の男は怯まず進む。徐々に近づく距離、須美との距離は20メートル程か。
射程距離はロングからミドルへ。
「くっ……!!」
即座に男に向けて二発目の矢を放つ。
しかし、当てる意志のない矢は鋭さだけを増して男の顔の真横を通り過ぎた。
徐々に矢と身体の距離を縮めさせていく。
それでも男は止まらない。
次で三発目。ここで男の歩みを止めさせるしかない。
しかし、これ以上男の身体の付近を狙うとなるとギリギリの部分、服や頬を掠める程の威嚇射撃を行うしかないと、須美は悟った。
(ここで止めて見せるッッ)
再度気合を入れなおして、今度こそと弓矢を放つ。
光に彩られた蒼の軌跡を描いた矢は真っすぐに男へ向かい、その頬を掠めるように通過した。
矢が掠めた男の頬には出血は見当たらない、本当に触れたか触れない程度に、ソフトタッチの限界に挑んだ須美の磨きに磨かれた射撃技術の賜物だ。
並みの者ならば、今の一矢で生命の危機を感じて歩を止め、恐怖で尻もちすら着くはずだ。
その男が並みの男であったならば。
「お嬢ちゃん」
確かに須美の矢は男の動きを止めた。
だが、その代わりに男から声が返ってくる。
「ちゃんと狙いな」
「え……?」
男に言われた須美は思わず息を呑んだ。
(私の矢が当てるつもりがないというのを悟ったというの?)
須美の矢は男を最初から狙っていたわけではない。
男に戦闘を仕掛ける前にメッセージを飛ばした仲間たちが、須美の元に駆けつけるまでの時間稼ぎだ。
そもそも、対人戦の経験が浅い須美が迷わずに人間を撃てる筈がないのである。
(それでも……私の意図を察知するにはあまりにも早すぎる……)
たったの三発の弓矢でそれを見抜いたというのか。
須美は思う、この男はかなりの手練れだと。
「……」
声に答えが無かったことに気にすることなく、男は再度、須美に向かって歩き始めた。
その一歩が大地を踏みしめるたびに、須美の胸がドクンと跳ねる。
予感する。
この男を近づかせてはいけない、と。
さすれば確実に死がやってくると、と。
「はあああああああ―――――!!」
怒号に近い気迫を染み込ませた声を上げながら、須美が弓矢を連射する。
単発がダメならば速射の連射だ。
数に物を言わせて、男の動揺を今度こそ誘う。
須美は弓を連射を止めない。
指が耐えられる限界まで、彼女は弓を放ち続ける。
機関銃の如き圧倒的手数で迫る弓が男の周囲にこれまで以上に地面を破壊していく。
それでも男は止まることを知らない。
何度も頬を掠めても、
何度服を切り裂いていっても、
その巨躯は怯まず、恐れず、須美の方へ進み続ける。
止まらない。
本物の銃弾が来たって、この男は絶対に止まらないのではないか、そんなことを思った須美だった。
「はぁ…っ!はぁ……っ!」
「この辺くらいか……」
遂に指の限界から連射を止めた須美は肩で息をする状態であった。
その須美の疲労を知ってか知らずか、または関係ないのか、男が呟く。
男は自らの胸目掛けて親指で示すと、
「撃てよ」
この距離なら、
「外さねぇハズだ……」
だけど、
「もしそれで仕留めれなかったら……分かってるな」
「~~~~~~~ッッッ」
死刑を告げるような男の言葉に、須美の肉体が硬直する。
須美と男の距離は10メートルも無い。5メートルくらいか。
撃てば必中の距離。数キロ先の敵を射抜くことが出来る鷲尾須美に余程の手違いが無ければ外さない距離。
だが、
(……敵であれど、撃つべきなの、私はッッ!!?)
眼前の男は紛うこと無き敵。この造反神を鎮める戦いに与する悪鬼だ。
しかし、人という人種である以上、彼らもまた須美が
敵を倒すための神の力を
男は対して、真っすぐに細い目で須美を見つめていた。
視線を逸らしたら確実に殺る為に距離を詰めてくる、と言わせんばかりの威圧感が須美の華奢な身体に叩きつけられる。
「う、うう……っ! うあああああっっ!!」
絶叫。
引けども引けぬ覚悟で、須美の引いた弓矢が放たれた。
至近距離で放たれる光矢は瞬く間に男に直撃し、爆散し、辺り一帯を爆風が包み込む。
「あ、ああ……」
男の姿が見えなくなるほどに舞い上がった砂塵を前に、須美の身体が膝からがくりと崩れ落ちる。
敵であっても守るべき人に弓を引いた。
重症に、若しくは致命傷に至るほどの威力の矢を。
全てはお国の為に。
守るべき友と日常の為に。
人類守護を掲げる勇者が人を攻撃したという事実。
その相反する理念に、鷲尾須美の正義が揺らぎ、胸が痛んだ。
しかし、
「……へぇ」
煙の中から聞こえた、男の声。
「やれば出来るじゃねェか……」
「……なッ!!!」
ぬぅ、と男の声と共に煙から姿を現したのは、手。
疵に覆われ、元から厚かったであろう皮膚がモノを殴る事によって完璧な硬さを形成した厚手。
疵はあれど、須美の弓よって生まれた負傷が一つもないその男の手が須美の眼前に突き出されている。
(す、素手で防いだというの……ッッ!!? 勇者の弓をッッ!?)
全力全開の須美の一撃を、男が素手で、しかも片手で防いだという事実に須美は激しく動揺する。
男が唯一受けたであろうダメージは手に残る微妙な焼け跡程度か。
それすらも、男にとってはダメージの内に入らないのだろう。
そして遂に、
「……」
男が動く。鷲尾須美目指して。
山が動いたようだった。
不動の像が満を持して動いたようだった。
殺意と熱意を混ぜたような細目がぎらつく様に、その男の尊大な一歩は思わず須美を後退させる圧がある。
「……ッッッ」
一歩、また一歩と。
男が須美へと近づくにつれて、須美もまた一歩ずつ後ろへ。
だが、大の男と小学生の歩幅はあまりにも違いすぎる。必然的に須美が徐々に詰められていく形になった。
「あ……」
背にぴたり、と張り付く感触。
須美の一回りも二回りも巨大な樹海の樹木がその背に聳え立っていた。
気づかないうちに後ろへ下がり続けた結果、須美は逃げ場を失ったのである。
「……」
「あ、あぅ……」
須美が見上げれば男が。無言で須美を見下ろしている。
目先に映る男の顔には無数の疵が。
それを見た須美は、
(ご、極道……この人は絶対に極道を征く男の人ッッ)
この平和な四国で今では絶滅危惧種である極道という人種に須美は畏れる。
かつて夜の街中を風を切って歩く尊大なその手のDVDを見た須美だったが、実物を目にして恐怖で震えた。
(わ、私……どうなっちゃうのッッ!? 叩かれるッ!? あの手でッ!? 力いっぱいッ!?
イタイッ!? その後はッ!? 身包み剥がされてッ!? 港に沈むッ!? 人生ッ 終わりッッ!?)
過去に両親に内緒で拝見したその手のDVDでそういった展開を見てしまった須美がこれから自身に起こるであろう悲劇を予測する。
物の数秒で命を散らし、四国の海に沈められ、鷲尾須美の章が予想外の完結を迎えることを想像した。
「い、いや……っ、こないで、くださ……い」
あの巨大な手で殴られたら、どんなに痛いのだろうか。
あの手で組み伏せられたら、何も抵抗できないのだろうか。
恐怖に涙を濡らして、身を小さくして自身を守るように身体を両の手で抱きしめ震える須美は端から見れば子犬のようであった。
「……」
「ひぅ……っ」
須美が恐怖の象徴としていた男の、太くて厚い皮を持つ手が顔の真横の樹木に押し当てられる。
ずしっ、と樹皮に沈み込む男の掌の圧に須美の身体がびくっと跳ねた。
(助けて……誰か、そのっち……銀!)
恐怖で声も出せない須美はせめて胸の内で友の名を叫ぶ。
同世代で辛い御役目を乗り越えてきた大切な友の名を。
「須美ぃぃぃいッッ!!!」
「わっしいいいいいいい!!!」
助けて。
その言葉に答える者が確かにいた。
彼女の、鷲尾須美にとってかけがえのない友たちが。
〇
小学生である乃木園子と三ノ輪銀は現在絶賛垂直落下中だ。
樹木の真上から飛び降りて、その目標は真下に居る巨大な大男へ。
園子、銀という順に樹木を足場に走りながら降下していくという荒業は勇者としての身体能力と乃木園子による作戦ならではだ。
ましてや、大切な仲間の危機とあれば何が何でも助け出さなければならない。
須美が、チームの頑張り屋さんが泣いている。
わっしーが、心のどこかで助けてと叫んでいる。
乃木園子と三ノ輪銀にとって、それだけの理由があれば限界という境界を越え、無茶を押し通すことが出来るのだ。
「いくよーミノさん!」
「おうよ!」
乃木園子が槍を前に構えて先端を傘へ変形させる。
防御をするための武器を出して、脚力による加速と重力落下の加速を加えて園子のスピードは瞬間的に三ケタを超えた。
バーテックスの強力な水光線を防ぐことが出来るほど強固なこの楯で男に体当たりをかますのが園子の考えである。
彼女もまた、対人戦の経験が浅い勇者の一人だ。
だが友を助ける為に相手の骨の何本かを折る覚悟が出来ている。
チームを任されるリーダーとして一番大事なことを優先した結論だ。
「でやああああ!!」
超スピードの園子の突進が男の真上から圧し掛かるように炸裂する。
普段のぽわぁとした雰囲気の園子から想像もできないような気迫の籠った声が木霊した。
しかし刹那、園子は両腕から感じた激痛に顔を歪ませた。
園子が体当たりをした相手は確か人間だったはずだ。
だが槍を通して伝わってきた感触はなんだ。
ごッ、という人間の柔らかい身体とはかけ離れた途轍もなく硬い何か。
園子は瞬時に巨大な岩を連想する。
鉄、チタン、炭素……あらゆる鉱物を隙間なく詰め込んで圧縮させたような人智を超えた硬度を持つ岩石を。
「くぅあ…っ!」
余りにも硬いものを鉄の棒でブッ叩いたときのような感覚だ。
ビリビリと腕に力が入らなくなった園子の突進は崩れ、傘ごと身体が吹っ飛ばされる。
(アレは……拳?)
距離を強引に取らされる園子が明瞭になった視界で見たものは男の拳だった。
固められた右の拳。
しかし強烈な握力によって形成されたそれは血管が浮き出て、皮膚の色を変えてしまうほどのもの。
そしてその拳は、単に無造作に突き出された程度の拳だった。
それはまるでじゃんけんでグーを繰り出すみたいな、それぐらいに弱弱しい勢いで。
殴られたのではなく、ただ伸ばされた拳が勇者の突進を弾き飛ばしだのだ。
その事実に、園子は思う。
アレに殴られなくて、よかったと。
そして同時に、
「ミノさん!行って!」
自身の背後を負うように落下していた銀に合図を送った。
「うおおおおおおおお!!」
樹海に響く少女の声。
三ノ輪 銀の大斧による一撃が炸裂した。
樹海を真っすぐに駆け降りる銀は園子の後ろで、最大攻撃による不意打ちを狙っていたのである。
振り下ろされた大斧は地面を容易く割り、轟音が鳴り響く。
「大丈夫か須美ッ!」
「ぎ、銀……」
地面を破壊した銀は砂煙舞う視界の中ですぐさま須美の場所まで駆け寄る。
須美は腰が抜けたのか、地面に座り込んでいた。
「ったく、無茶しすぎなんだよ須美は。 ほら、いったん体制立て直すぞ、アタシに掴まれ――――」
ぽかんとしている須美を起こすべく、銀が手を差し出す。
このまま周囲の視界を遮っている煙に紛れて、この場から離脱を図ろうとした銀であったが、
「……」
「ッッ!! そう簡単にはいかないかッ!!」
大男が銀の眼前に立ちはだかっていたのを見て、状況は一変する。
先ほど振るった大斧の一撃は銀が当てることを前提としていない物だったとはいえ、微動だにしないのは異常すぎないか。
「くそ、こうなったら……」
それでも銀は友の為に戦うことを恐れない。
目の前の男と交戦する覚悟を決めようとして、銀は大斧を再度手に持とうとする……が、
「オメェ、あの時の……」
「え……?」
敵である男からの不意の一言に銀の斧を持っている手の動きが止まった。
〇
花山薫は思わぬ再会に思わず動きを止めてしまっていた。
彼の瞳が捉えた一人の少女、赤い装束に大斧と、もしやとは思っていた花山は頬を緩ませる。
かつて、花山がこの似たような風景の場所で出会い、共に敵と戦った少女、三ノ輪 銀だ。
「元気だったか?」
普段寡黙な花山の口調が少しばかり景気の良いものとなっている。
それほどに、花山は三ノ輪銀という少女を探していた。
あの時に負った怪我はどうなったとか、
友達も一緒に元気なのかとか、
花山にとって、あの戦いの後の事を聞いてみたい、積もる話がある訳なのだが。
「……?」
当の本人、三ノ輪 銀はというと、きょとんとした顔で花山の顔を見つめている。
「俺だ……ホラ、名刺の……」
「メイシ……?」
「花山だ」
「ハナ、ヤマ……?」
ひたすら疑問符ばかりを浮かべる銀に花山は違和感を覚える。
まるで、自分のことなど、最初から会ったことのないような、そんな反応。
「ねぇミノさん、この人ミノさんの知り合い?」
いつの間にか槍を持っていた少女も駆け付けている。
銀はうーんと唸って、
「いや、銀さんも……流石にこういう強面の”オジサン”には縁がないというか……」
「……」
オジサン。
銀の容赦ない言葉が、花山の動きを停止させた。
花山は今年で19歳、まだ未成年である。
自身の顔立ちがいかに誤解される姿をしているのかをある程度理解していた花山。
しかし、小学生に二度もオジサン扱いされる。
「うわ、なんか怒ってる?」
「あれれ~?でも私には俯いているようにも見えるよ~?」
「ぎ、銀!私たちと知らないところでこの人とイカガワシイことをッッ ゆ、勇者とあろう者が……不純よ!」
「ち、違うって須美!ほんと、”こんなオジサン”は知らないってば!」
それは全身に刀傷を負っても、銃弾を受けても、口の中で銃弾を爆発させられても動じない花山に唯一深手を負わせるほどの威力を持っていた。
小学生の言葉とは、時として残酷なものである、と花山はこの歳で初めて思い知らされるのである。
「……」
「あ、動き出した」
花山は長い沈黙を破るように、ゆっくりと銀たちに背を向けて離れる様に歩き出した。
覚えてないのか?とか。
俺だぜ?花山だぜ?とか。
事の真相を聞こうとする以前に、
(……………………………………オジサンかァ)
後ろで佇む少女たちに見えないようなため息をつく花山に、そんな心の余裕は無く……。
その後の事はあまり覚えていない、暫くすると周りがまた光始めて、気づくといつもの花山が知る現実へと帰ってきていたのだった。
〇
~花山組事務所~
その当時の光景を、花山組構成員・田中KENはこう語っている。
いやァ~、ビックリしちゃいましたね、あの時は。
大将ったら事務所にいつの間に帰ってきたと思ったら、開口一番に……
「……酒だ」
って、言うんすよ。珍しい事じゃないんすけどね、俺達ヤクザモンにとっちゃあ酒飲むなんて。
でも、いつもと違ったンすよ。そん時の大将……。
事務所のソファに一人座って、ぐいッて一口飲むとッスよ?
「……ふぅ」
一息ついて、また飲み始めるんすよ。
なんかため息みたいな、ちょっと落ち込んだみたいな、そんな感じだったんス。
あの花山薫が、まるで『今日イチ悪いことがあったから忘れよう』と、気を紛らわせようとして酒を飲む……考えられないッスね。
俺、思ったんスよ。この世界って、俺達が居た世界とは違って人類全体が健康体じゃないスか。
それこそ不自然なほどに。夜の街に行っても犯罪臭のするお店とか、ソレっぽい雰囲気の奴らがいないンすよ。
オンナと風呂入るお店とか、ね。
いかに花山薫って言っても、一人の男なワケだし……予測するに女関連だって思ったんス、だから―――、
『大将も溜まってンすよ……欲求不満ってヤツっすよね?』
って、木崎さんに言ったらシコタマ打ん殴られたんス。
なんでか分かります?
〇
――――深夜、とある『公園』にて。
外灯が少ないその場所は、全体的に暗い印象だ。
僅かな明かりが照らしている部分からその半径数十メートルの範囲は薄暗く、公園の遊具が鮮明に分からないほどである。
どこか不気味さを漂わせる公園に、一人の少女が居た。
「……どちらさまで?」
西暦の勇者、郡千景は平常を保ちながらも警戒心を強め、目の前に現れた男に問いを投げかけていた。
一人の男がいる。
身長は170前後だろうか、油の乗った肌と歳相応の無精髭は齢を50ほどを予想させる。
現代社会では高齢、とまではいかないがそれなりに歳を食っているであろうにも関わらずに、
男の肉体は来ている服からでも分かる程に筋骨が隆々としている。
瞬時にして分かる、只者ではないというソレ。
異様な佇まいの男に、千景が息を呑んだ。
「
暗闇から這い出るように、足音すらも付かせないような歩みで近づく男は言う。
「
「本部……?」
本部と名乗る男に、千景は聞き覚えのない名に首を傾げた。
それを見て本部はくつくつ、と込み上げてくる笑いを抑える様にスッ、と何かを取り出した。
外灯に照らされて、一際輝きを放つソレに千景は見覚えがある。同じ西暦の勇者、乃木若葉も使用している類のものだ。
銀の鋼に反射している日本刀とそれを構える本部の視線は千景を真っすぐに見据えていた。
「ワルいが………遊んでもらうぜ」
勇者、郡千景に公園最強の生物が迫る。
週ごとに執筆する作品を変えていくというスタイルにしてみようと思う。
全開はゆゆ刃牙メインだったから、今週は赤嶺さんか大神か。
次回は俺達の本部が活躍するから来週まで震えて待つがイイ。
~花山薫~
銀に忘れられていた事にショックを隠せない。二度もオジサン扱いされて、尚且つ覚えられていなかったら流石の花山もへこむ。事務所に帰って飲んだ酒はいつもより苦かった。
コンビニで買ったウィスキーは樹海に置いてきた。
~三ノ輪 銀~
なんだこのオッサン!? 知らない人にはついて行かない、関わらないを貫くよゐこ。
遠足に行く前の銀なので、花山のことを知らないと言ったら知らないのは当然なのである。
~鷲尾須美~
被害者その2。ヤクザは女の人をひん剥いて、最後に海に沈める生物だと思ってる。
花山と銀の関係を怪しく思う。
~乃木園子(小)~
岩かと思ったらやたらと硬い人の手だったことにビックリ。涙目のわっしーが大男に襲われ、ソレを助ける銀の姿に執筆意欲が湧いていたのは別のお話。
~郡千景~
次回の被害者。ジャンプ買いにコンビニに行こうとしてた。
~本部以蔵~
俺達の本部。解説者。公園最強の生物。公園で戦うと身体能力に100%の補正が掛かり、バキの世界では公園にて最強。本部が強くて何が悪い。
公園に居たら獲物がやってきた。遊ぼう。
感想や意見はジャングルジムを背に立ち、相手の腕を日本刀で切り落としてからお願いします。