ゆゆゆの世界だと大神の登場キャラって敵キャラ多くね?だって主人公ラスボスやん。 胡散臭い剣士とか、天狗とか、あと敵キャラの妖怪たち。
何が言いたいかというと、新たなクロスの可能性が私のなかで広がったッッ。
今回はシリアスから一変した真面目なギャグ回です。時系列的には赤嶺部室襲来後のお話。
――――讃州中学勇者部。
世のため、人のためになる事を勇んで行う部活動のことを言う。 部員数はいつの間にか15人を超える。
なんかいつの間にか知らない制服の子とかいて部員が増えている気がするけど多分皆は気にしていない。
主な活動内容としては、
校内清掃、
部活の助っ人、
麻雀の代打ち、
野菜提供、
屋根補修、
ファッション相談、
恋愛相談、
園児、老人へのレクリエーションなどなど。
こうして挙げて行けどもキリが無いわけなのだが、それは秀でた分野に精通した部員が様々な活動に参加することができるようになったためである。 そのため、知名度は讃州市では知らない者はいないほどだ。
一時は文化祭の演劇の内容があまりにも素晴らしかったために讃州市の新聞に載ったほどである。 それ以降、勇者部への依頼はひっきりなしに寄せられ、その多忙さは部員が分担して依頼にあたる程となった。
「どうぞ、お入りください・・・・」
そして今日も椅子に腰を掛け、意味深に手を組んだ勇者部部長、犬吠崎 風の元に、悩みを抱えた依頼人がやって来るのだ。 勇者部の活動がまた始まる。
「私は勇者部の者たちから嫌われていないだろうか?」
用意された椅子に座り、モノ憂いげな表情でそう語るのは男。 見たら逃げ出しそうな厳つい顔つきとチャイナ服の間から見える筋肉質な褐色の腕は学生と呼ぶにはいささか無理があるか。
依頼者は烈海王だった。
「・・・えーっと烈さん、嫌われてるというのは?」
部長である風は物怖じしない。 強面の筋肉質な中国人にじっと見つめられて相談を持ちかけられることなど、現実の世界でもないことだが、そこは自身の女子力で対応する。
「勇者部の部員から避けられている気がするのだ」
対して烈海王、悩ましい表情で小さく嘆息をつく。 先ほど自身がやっていた手を組んで肘を着き、頭部へ拳を当てるその姿は心底悩んでいるようである。
「あー」
風には思い当たる節がある。 それは部長である風に同じくして寄せられていた依頼とは違う、同じ部員たちから持ちかけられたものだった。
その一人一人の告白を、風は思い出す。
『その・・・、いきなり全速力で目の前に走ってきたらそりゃあ怖いですよ。 ええ、怖いです・・・あと静かになったと思ったらいきなり大声で叫ぶし・・・』
『タマが思うに、ヤツは危険人物だ。 タマが杏の側にいるから問題ないが、きっといつでも勇者部をのっとるつもりでいるに違いないッ
え? マウンテンバイクのことまだ根に持ってるのかって? ・・・・んなわけないだろッ!?』
これは杏と球子のものだ。 ちなみに、球子はいまだに烈に対して破壊したマウンテンバイクの請求を続けているらしい。
『いやぁ、あの人なかなかとっつきにくくてね・・・・
あれやってる最中に目の前にラーメン置いたらどう反応するのかなーって試したらヤバい睨まれたにゃ。 怖い怖い』
秋原雪花、それはただ邪魔をしに行っているだけなのでは? と風は思ったが、のんびりと自由にやるスタイルの雪花にとって色々と試さずにはいられなかったのだろう。
『烈さん? ええ、怖いわよ・・・・あの人、私の畑の向かいの土地に中国の薬草を作るとかで同じ規模の畑を作り出したのよ! 一日よ!?たった一日!・・・・宣戦布告よ!ウォーよ!この私、農業王・白鳥歌野へのチャレンジよッッ!
いつしか私の畑を取り込む気でいる気なんだわッ そう考えるともうスクアリー! 恐怖よ恐怖!』
農業を志している者のサガなのか、自分の領分に踏み込んでくる敵が現れたと勘違いしている諏訪の勇者がいる。
『え? 烈さんですか? あらあら・・・風先輩ったら、何を言い出すかと思えば・・・・・戦争をご所望で?』
『東郷さん、私・・・日の丸の旗を持ってきます・・・ホシガリマセンカツマデハ』
東郷と須美に関しては言及すれば色々と問題があるので割愛。 歴史の闇とは根深いものだ。
「それで、どうなのだ・・・やはり、苦情は来ているのかッ」
ぐい、と顔を近づける烈に風が若干引いた。 相当気にしているのかもしれないが、そういう強引な面が原因ではないかとも風は思う。
「・・・烈さん的には、どうしようと思ってます?」
敢えて直接には言わない風の言葉に察しはついたか、両の手を組んで烈はうなだれる。
「勇者達と無理して仲良くなろうとは考えてはいない、彼女達も勇者だが12~14歳が中心の少女。 男性と接することを嫌う者もいるはず」
「だが、一個人として――――、彼女達を戦いの際は見守るように、いざと言う時は助太刀できるようにと独歩氏から頼まれている」
いうなれば、
「有事の際に信頼関係を築けていない、それは共闘においてはあまりにも致命的・・・・。 問題が起きてからでは遅すぎる。何か手を打たねばならないのではないか」
なるほど、と風は身体を背もたれに預けた。
要するに、この人は真面目すぎるのだ。 あまりにも。
「だったら、烈さんから話掛けてみるのはどうですか? お互い、実際に話してみれば、みんないい子たちなんで仲良くなる切っ掛けになるかと」
勇者部は基本、部員同士でも、校内でも人付き合いが良い方だ。 友奈ズは聖人君子かと思わせるほど人付き合いのプロフェッショナルで、入部して間もない他の時代の勇者達と言葉を交わす事ですぐ仲良くなれたし、
他の者たちにもそれが伝播したのか、基本は話し合いと言う名の相談を重ねて、色々と部内の問題を解決してきてはいる。 千景などの特別な事情を持つ者はどうか分からないが。 風だって深くは知らない。
本人にとって知られたくない事情があれば、こちらは無理に知る必要はないと風は考えている。 それは部長としての配慮だ。
一方で提案された烈は視線を逸らした。 何故? と首を傾げる風に対し、烈がぽそっと呟く。
「・・・いないのだ」
「は?」
「我々のいる世界に・・・・私の周りにはあのような少女達はいなかったのだッッ」
「は?」
「我々の知人は基本は同じく、戦いに身を置く者達だ・・・独歩氏と同じようなッ」
「・・・・ちなみに、どんな人たちと普段お過ごしで?」
腕を組んだ烈が数秒程、考え込んでいる。 そんなにいるのか、ヤベー奴が。
「隻腕の空手家、バッテン疵モチのプロレスラー、二重人格軍人、顔面凶器喧嘩師、神の子ボクサー、徳川財閥の老人、地上最強を自負する男とその息子・・・・と、その息子の腹違いの兄」
「~~~~~~ッッッ!!!?」
「あと、最近は古代の・・・・白亜紀時代の者とも関わりがあった」
想像絶する女気のない環境である。 なんで恐竜がいた時代の人間?と関わりがあったのかすごく気になるワードが出たが風はこの際気にしない事にする。
烈はたんっ、と机を叩いては、
「つまり・・・だ。 私は、自分より年下の少女と会話する技術がないのだッ 余りにも不慣れッッ 中国四千年を持ってしてもッ これはッ これだけはッッ」
「烈さんは真面目なんですね」
「~~~~~ッッッ!!!」
おい、なんで頬を染めている。 お前はアレか、そんな強面な顔を持っておきながら中身にツンデレと言う属性を宿した生物なのか。
恐らくだが、勇者部の中で近い感じで当てはめるなら勇者部に来た頃の夏凛みたいなものなのか。
本心ではどうすればいいか分かっている、だが上手く言葉に表せられない・・・あ、これ完全にツンデレですわ。 男版の三好夏凛だ。
「えー、なにコレ」
これはかなり難所だ。もしこれが風の思う三好夏凛という少女の方程式に当てはまるのであれば、相当に時間が掛かる。
今ではだいぶ大人しくなった三好夏凛は入部当初、とにかくいろいろと噛みついてくる、いわばキレるナイフだった。 今でもその片鱗をちらつかせることがある。
それでも勇者部奇人、園子ズは『そのツンデレ具合がおいしいんよ~』、と良くわからない事を言っていたが。
「対処を・・・ッッ、御教授願いたく・・・ッッ」
ただ、本人は相当考え込んでいる様子である。 実際に年下である風を頼ってきているのがその証拠か。 こういう一面を部員たちが知る事が出来れば、問題も早く解決できそうなのだが。
「むむ、じゃあ今度部員を呼んで話し合いを―――」
風が話を纏めようとした時だ。 突如として部室の扉が開かれる。同時に重なる声が部室内に響き渡る。
「ちょっと待ったァ――――――ッッ!!」
「ちょっと待ったァ――――――ッッ!!」
「ッッ! ちょっと待ったコーーーーール!? どうしたの園子、それに独歩さん」
ほぼ同時に、シンクロかよ、と思う程の勢いで現れたのは凄まじい悪い笑みを浮かべた園子と独歩だった。
というか仲が良いな二人とも。
「話は全て聞かせてもらったんよ~」
どこの強キャラだと思わせんばかりの腕組みで現れた園子。
どうやら廊下で今までの話を聞いていたらしい。その隣に眼帯の厳ついオッサンがいるという光景はあまり想像したくないが。
「なんでェ烈、俺を頼らずに風ちゃんのところに行くってことは・・・相当煮詰まってたみたいだなァ?」
「独歩ッッッ 貴方と言う人はッッッ」
般若の如く顔に現れるほどの怒りを浮かべた烈が立ち上がる。 だがその際も事実を突かれ、羞恥に顔を染め上げては独歩に尚も笑われた。
「なぁ園ちゃん、コイツ、こういう所があるんよ~」
「そうですなァ、独歩ちゃん。 でもだいたい分かってたんよ~」
口調を合わせるな、そこ。 傍から見ていても恐ろしい光景だから。
独歩は元の世界で烈海王を知っている人物である。 となれば、彼の性格もある程度知っていたのか、この世界に来て彼がこうなることをある程度察していたのか、完全に趣向は今の烈を面白がっているに違いない。
完全に園子タイプの人間がもう一人増えた、というべきだろうか。 風は額に手を置いて今後の勇者部を嘆いた。
「それで? 解決策があっての発言なのよね園子? どんな手があるのか聞かせてちょうだい」
問われた園子は小さく笑みを浮かべていた。 どうやら本当にあるらしい。それが変なものではない事を祈るばかりだ。
「だいたいフーミン先輩も思ってる通りなんよ~」
あ、だいたい分かった。 多分ロクでもない奴だ。
「ギャップ萌なんよッッ!!」
「ぎゃ・・・・っぷ?」
目を点にしたように、これまでの人生の中で脳内に存在しなかった言語を聞いた烈の呟き。
「そう、ギャップ萌! 旧世紀から存在する萌要素の一つッ ふとした時にその人が見せる意外な一面にときめきを感じるものなんよッ それは男女問わず起こりうるものなんよッ!!」
曰く、クラスでは不良のレッテル貼られた男子生徒、その実、雨の中、捨てられた子猫を見つけては抱きかかえて家に持ち帰って世話をするという優しさなど。
つまり夏凛もその一部と言う訳か。
「烈さん、一応警告はしておくけど、この人たちのアドバイスで必ず好転するとは思わないでね、うん、一応警告はしたから」
決してこれは責任逃れをする言い訳などではない、決して。 と、風は自身に言い聞かせた。
それを聞いた上で烈海王はしばしの沈黙の後、
「このまま私の務めを果たせないのであれば、それは中国武術の敗北だッ」
この人、どこでも中国拳法持ち出すなァ・・・そこから一旦離れようよ。
と、諭そうと思った風だが、恐らく絶対聞く耳を持たないだろう。
烈から中国拳法を取り上げたら多分自害する。 いつぞやの東郷と同じように刃を持ち出して自害するだろう。そんな気がした。
「辛い道のりだぜ? 身を削るかもしれないぜ~? Are You Ready!?」
もうどんなキャラなのか分からなくなった園子の問いに、烈は険しい表情で堂々と言い放つ。
「私は一向に構わんッッッ」
「よし来たッ 園ちゃんッッ」
「フーミン先輩ッ」
その瞬間、園子と独歩の瞳が妖しく光った。 即座に烈を挟み込むように二人が座り、部長である風を巻き込んだ会議が始まる。
「まずはこのコミックスの裏表紙の・・・・ご先祖様とちーちゃんを模したキャラで紙相撲するんよ~」
「・・・そうか、なるほど。 しかし、なぜ紙相撲を?」
「なんだァ?テメェ・・・・」
「え、独歩さん・・・なんでキレたの?」
―――――こうして今ここに、悩める男の問題を解決すべく、勇者部の活動がごく少数の者たちによって極秘裏に開始されたのだった。
それが果てしなく険しい道であるということを当の本人、烈海王は知る由もなかった。
○
部室の外、廊下の壁に寄り掛かる少女が居る。 アンダーフレームの眼鏡とカチューシャが特徴のその少女は、部室内から聞こえる風や烈の会話を聞いていた。
「ふーん、なるほどね・・・・」
たんっ、と勢いをつけて壁を背で蹴った少女は勢いを利用して廊下の中央に立つと、部室に入ることなくその場を後にする。
「難儀な性格してるなーって思ってたけど、話を聞いて納得がいったかな。 でも、なんだかこれ・・・」
すごい、面白そうにゃ。 そう笑みを浮かべた少女、秋原雪花は誰も居ない廊下を鼻歌交じりに歩き出すのだった。
〜依頼者、烈海王〜
烈で怖いと思ってたら花山とか出てきたらどうするんだよ勇者部・・・。
この作品の烈さんは武術家としてだけでなく、人付き合いとしても色々悩む人間として描いていく予定。
今回から章ごとに分けていこうとおもいます。真面目な本編の『勇者と武人の章』と、短編がメインの『幕間檄ッッ』と、誕生日イベの『祝福の章』を作成予定。
ちなみに独歩のアダ名はダークネス園子・カラテタイプ。
次の友奈ちゃんの誕生日まで、俺は仕事だからよぉ・・・.感想を・・・止まるんじゃねぇぞ(意味不
一応予約投稿する予定です。