艦娘ぐらし、始めました-Welcome to Kan-Colle world-   作:嵐山之鬼子(KCA)

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いよいよ艦娘生活開始! ですが、色々世知辛い事情も。


-03-

 「あ! 扶桑さん、お疲れ様です。今戻られたのですか?」

 「ええ、扶桑以下、第一艦隊6人、無事帰投したわ──あら、その子は?」

 寮の設備(大浴場や食堂、談話室など)の説明のあと、次は鎮守府内の他の施設も案内してもらおう……というところで、出撃から戻り、提督に報告してきたばかりの扶桑さんとバッタリ顔を合わせた。

 ちょうどいいタイミングだし、今入渠している子もいないらしいので、まずはこの鎮守府所属する艦娘達と顔合わせをすることになり、寮の前の広場のようになった場所に、全員が呼び出された。

 「初めまして。陽炎型駆逐艦11番艦、浦風です。本日より本艦隊所属となりました。どうぞよろしくお願いします」

 集められた艦娘たちの前に立って、ビシッと敬礼しながら挨拶の口上を述べる。

 見たところ、ここの提督の指揮下にある艦娘は12人。

 戦艦は扶桑のみ。空母も祥鳳のみ。

 重巡は足柄と……衣笠、かな。

 軽巡は多摩と那珂。

 残りの6人が駆逐艦か。

 オーソドックスな白と紺のセーラー服の子は吹雪……いや、三つ編みにしてるから磯波だな。

 あの黒セーラーな「けいお〇」っぽい子が白露で、麿眉ポニテが初春だろう。

 緑系セーラーでショートヘアなのは、睦月だよな。

 まぁ、この4人はギリギリ中学生くらいに見えるんだけど……。

 残りのふたり──朝潮と雷はヤバい。どう見たって小学生だ。朝潮は小学校でも高学年っぽいからまだしも、雷はガチで10歳以下にしか見えない。

 ゲームプレイしてた時は気にしてなかったけど、こんな幼女と言ってもいい年代の子が戦場に赴くとか、送り出す方も精神的にかなりキツそうだなぁ。

 多少の救いは、今の俺、いや(うち)は、彼女達を見送る提督(じょうし)じゃなく、共に戦う艦娘(せんゆう)だってことか。

 各人の自己紹介を聞きながら、頭の片隅でそんなことをツラツラ考える。

 

 「現在、この鎮守府では、基本的には、扶桑さんを旗艦とする第一艦隊と、祥鳳さんを旗艦とする第二艦隊に分かれ、通常の出撃・哨戒任務と遠征任務を毎日交代で実行しています」

 おっと、大淀さんが補足説明してくれてる。ちゃんと聞かなきゃ。

 「両艦隊とも旗艦・重巡・軽巡・駆逐×3という構成で、12人でちょうど2グループ巧く回っていたのですが……」

 あれ? もしかして、私、いらない子?

 「いえ、今後は浦風さんには、3日ずつ第一と第二に入ってもらいます。そのぶん、駆逐艦の方たちは一日につきひとりずつ自室で待機──という形で休養をとってください」

 なるほど。この鎮守府は原則的には週に一度、日曜を休日にしているそうだけど、年少組は実質週休二日になるわけか。

 「ただし、浦風さんについては、当面週休一日となります」

 申し訳なさそうな大淀さんの言葉に、気にしないでほしいと告げる。

 「まぁ、配属されたばかりで熟練度(レベル)も低いですからね。少しでも皆に追いつくためには、経験を積まないと。それに駆逐艦以外の艦娘(ひと)は元から週休一日なんでしょ。だったら別に問題ありませんよ」

 本物のブラック鎮守府はこんな程度(もん)じゃないだろうしなぁ。

 

  * * *  

 

 同僚となる皆への紹介も終わったので、この集まりはそこで解散となり、とりあえず自室(へや)にでも戻るか……と思ったところで、早速声をかけられた。

 「これ、そこな新人」

 振り返ると、扇子を手に白い超ミニワンピを着たポニテ少女が此方を見つめている。利根と並ぶ“のじゃロリ”娘双璧の片割れ、初春だな。

 「何か御用ですか、えーと…初春さん?」

 特に怪しまれるような真似は(言葉遣い以外)してないはずなんだけど。

 「なに、そんなに警戒せずともよい。これでもわらわはこの鎮守府の最古参でな。最先任として何か新人の力になれればと思うたまでのこと」

 「もっともこの鎮守府自体、発足してまだ半年も経たぬのじゃが」とカカカと笑う初春さん。察するに、あの提督の初期艦なんだろう。

 「あー…それは有難うございます。正直、今は右も左もわからない状態でして」

 むしろ「何がわからないのかすらわかってない」と言うべきか。

 「およ? だったら、今日はもう任務(おしごと)もないし、浦風ちゃんも睦月たちといっしょに行動してみたらいいにゃしぃ!」

 初春さんの隣にいた茶色いショートカットの子──(たぶん)睦月が、ニッコリ笑って、そんな提案をする。

 「あっ、そうだね。それ、いいと思うよー!」

 ふたりより少し年かさに見える黒いセーラー服姿の子──白露(推定)も元気に賛成してくれた。

 本音を言うなら、精神年齢20歳の非リア充男子としては、女子中学生的集団と行動を共にするというのに、若干の抵抗感がなきにしもあらずだけど……。

 今の(うち)は駆逐艦娘・浦風で、今後、任務等々で彼女たちとチームを組む機会は多いだろうし、少しでも早く馴染むためにも、断るという選択肢はないよね。

 「えっと、ご迷惑じゃないなら、そうさせてもらっていいですか?」

 そんなワケで、私は三人にホイホイついていくことになったのだ。

 ──これ、フラグじゃないよね? ついて行ったからって「アッー!」な展開になったりしないよね?

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