『愛』と『平和』の為に 〜Love&Peace~   作:とある世界のハンター

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「爆ぜろリアル!弾けろシナプス!」


第11話 爆ぜろバブル、弾けろシナプス

 

 

 

 

 

 

 

「『オラァ!』」

 

 ゴリラモンドフォームへと変身した希桜音は、万丈の掛け声と共に戦闘を行っている。ゴリラ側、すなわち右腕をメインにした戦闘をしている。

 右フック、右ストレート、右アッパーetc...

 本来なら、大振りである右は左で牽制しつつ使うのだが、緑谷の素早く、そして気を散らす動きのお陰で右の大振りを放てるのだ。

 

 ━━━━━━━━すばしっこい動きだな...!

 

 緑谷の動きを見て、希桜音はそう思った。

 今までの緑谷は、一瞬のみ力を振るえるパワー型だと思っていたが、今の彼はそれをセーブして使っている。パワーは劣っているようで、回避に専念しているようだが。

 

『埒が明かねぇ!必殺技でキメるぞ!』

 

 万丈の言葉通り、希桜音はドライバーのレバーを回し始めた。

 左手で何かを掻き集めるようにしていると、脳無と呼ばれる大男の周囲に氷のような物体、否、ダイヤモンドが形成され、彼を包んだ。

 

 【Ready GO!】

 

 【ボルテック フィニッシュ!】

 

 希桜音はそれを右ストレートで思い切り粉々にした。

 ダイヤモンドをパンチ一つで壊すというのは、おかしな話に聞こえるが、ダイヤモンドというのは瞬間的に加えられる力に弱い。そのためパンチ力に優れたゴリラの腕で壊せることは理にかなっているのだ。

 

『決まったァ!』

 

 しかし、粉砕されたはずの脳無は、メキメキと残っている頭部分から再生を始めた。

 希桜音は急いで殴りにかかるが、黒い靄の登場で足を止めざるを得なかった。

 

「緑谷くん、コイツお願い!」

 

 分かった、という前に緑谷は動いていた。思い切り殴りにかかった。

 

 ━━━━━━━━かっちゃんと切島くんが殴りかかった時、コイツは危ないって言った。つまり、本体はどこかにあるはず...!じゃなきゃそんなこと言わない!

 

 ワープさせられないよう慎重になりながらも、弱点を探すことに徹する緑谷。

 希桜音は緑谷の方へ行かせまいと、脳無の方を向く。脳無は片腕以外はほぼ再生しきっており、さすがの速さだと言うしか無かった。

 

 ━━━━━━━━万丈、フェニックスとロボ

 

『お、おう。でもいいのか?行けそうなのに』

 

 ━━━━━━━━緑谷くんっていう攻撃の隙が無くなった今、多分スピードじゃ勝てない。攻撃を喰らうことも考えてコレ!

 

『分かった!』

 

 万丈は希桜音に言われた2つのフルボトルを振ってから希桜音へと渡した。希桜音はゴリラとダイヤモンドを抜いて押し入れへと放り込む。

 

 【フェニックス!ロボット!BEST MATCH!】

 

 取り出した2つのフルボトルを挿し込んで、レバーを回す。前後には鎧の型が形成されて行く。

 

 【Are You Ready?】

 

「ビルドアップ!」

 

 【不死身の兵器!フェニックスロボ!yeah】

 

 フェニックスロボフォームへと変身した希桜音は、低空だが宙へと翔び、右腕から火炎弾を放った。

 火炎弾は脳無を包み、彼の体内から焼き尽くそうとするのだが、体内から再生されていくようで効いているようには見えない。とりあえず連発して追い込みをかけて行くが、攻撃に耐えることをしなくてよいと判断した脳無は希桜音目掛けて飛び上がった。飛び上がった脳無は、空中で思い切り希桜音を殴り飛ばした。鋭く思い右ストレートは、彼女を変身解除ギリギリへと追い込む。

 吹っ飛ばされた彼女は、地面へと勢いよく落ちると、持ち前の修復能力で立ち上がって、空中へと再度飛び上がった。

 

 ━━━━━━━━いった...!

 

 酷い痛みを覚えたようで、希桜音は回避に専念することにした。

 しかし、敵に攻撃の意思がないと分かった脳無は、仲間である黒い靄に加勢すべく緑谷の方を向いた。

 

「こっちだ!!」

 

 咄嗟に希桜音はロボの腕で脳無の頭を掴んだが、脳無はそれを払い除けるようにして希桜音を吹っ飛ばした。

 吹っ飛ばされた希桜音だが、炎を飛ばして意識を緑谷から自分へと戻すことに成功した。空中で体勢を立て直した彼女は、新たなフォームへと変身することにした。

 

 ━━━━━━━━地上戦で回避向け...万丈、ニンニンコミック!

 

『おう!』

 

 万丈は忍者とコミックのフルボトルを振って希桜音へと渡すと、フェニックスとロボットのフルボトルを受け取った。

 新たなフルボトルを挿し込んで、希桜音はまたフォームチェンジを行う。

 

 【忍者!コミック!BEST MATCH!】

 

 【Are You Ready?】

 

「ビルドアップ!」

 

 【忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!yeah】

 

 ニンニンコミックフォームへと変身した希桜音は、4コマ忍法刀を取り出してトリガーを引いた。

 

 【分身の術!】

 

 トリガーを1回押すことで、分身体を出現させることが可能。新たに現れた三体の分身達は、4コマ忍法刀を片手に脳無へと襲い掛かった。

 脳無は特にたじろぐ様子も見せず、飛び掛ってきた分身のうち1つを拳で掻き消した。

 

 【火遁の術!火炎斬り!】

 

 【風遁の術!竜巻斬り!】

 

 その隙に分身2体はトリガーを引いて忍術を発動させた。竜巻による風を受け、火遁の威力はさらに増す。斬られた脳無は見る見るうちに炎に包まれた。

 炎によって皮膚は焼け落ちていくが、脳無の再生力の方が速いようで攻撃の意味はない。脳無は拳圧で炎を払い除け、傍にいた分身の頭を掴んだ。

 

 【隠れ身の術!ドロン!】

 

 しかし希桜音は、これ以上分身を消させないために煙幕を発生させた。しかし煙幕を巻くには遅かったらしく、残りの分身へと投げつけられ分身は完全に消えてしまった。

 

「チッ」

 

 希桜音は思わず舌打ちしてしまった。

 

 ━━━━━━━━さて、倒せる算段は端からないけど、時間稼ぎすら怪しくなってきたな

 

『ラビットラビット使えよ希桜音!』

 

 ━━━━━━━━体付いてかない、却下...!

 

 さすがにこの状況に腹が立ってきているのか、無性にイライラする希桜音。ニンニンコミックの左腕に付けられた筆を使い、空中に壁を描いて創ることでなんとか攻撃を避けているが、このままでは埒が明かない。

 

 ━━━━━━━━4コマ忍法刀のインターバルは未だ時間がかかる...フォームチェンジしたいな

 

 しかし、肝心のフォームチェンジ先が思いつかない。

 様々な大きさのブロックを創り、立体的な戦闘フィールドを作ったのだが、簡単に破壊されていく。

 

 ━━━━━━━━万丈、なんかいいのないの?

 

『はぁ?...コイツはどうだ?』

 

 そう言って万丈が取り出したのは通常のフルボトルの倍以上の大きさのボトル。というより缶。ラビットタンクスパークリングだ。

 ラビットタンクスパークリングフォームへと変身すれば、4コマ忍法刀、ホークガトリンガー、カイゾクハッシャーの3つのベストマッチウェポンを対応するボトルをベルトに挿さずとも使用出来る。

 希桜音はインターバルの終えた隠れ身の術を発動させ、姿を眩ませる。その隙にフォームチェンジするのだ。

 動きながらだが、ラビットタンクスパークリングの缶を振る。シャカシャカと炭酸に似た音声が流れ、脳無に位置を悟られるがその前に動く。

 

 【ラビットタンクスパークリング!】

 

 【Are You Ready?】

 

「ビルドアップ!」

 

 その声と共に希桜音は煙から飛び出し、ドリルクラッシャーのソードモードで斬りかかった。

 

 【シュワっと弾ける!ラビットタンクスパークリング!yeah yeaaaaaah!!】

 

 ラビットタンクスパークリングフォームへと変身した希桜音は、右手にドリルクラッシャー、左手に4コマ忍法刀という姿で脳無を斬り刻んでいく。

 

 【火遁の術!火炎斬り!】

 

 途中途中、火遁や風遁を使用して癖のある攻撃をしつつ、持ち前の機動力で攻撃を躱して行く。ヒットアンドアウェイだ。

 しかし、攻撃の合間を縫って脳無は右ストレートを希桜音の正面へと打ち込んだ。希桜音は両手の武器でガードしつつ、咄嗟に後方へと跳んで攻撃を避ける。しかし、その拳によって起こされた風圧で彼女の両腕は後方へと追いやられ、持っていた武器を手放してしまった。

 

「っ!」

 

 反撃の隙は与えない、とでも言わんばかりに脳無はもう片方の手で再度殴りかかる。

 左脚をついた希桜音は、左脚のクイックフロッセイレッグから泡を発生、破裂させて高速でその場から緊急脱出。さらにカイゾクハッシャーを取り出し、ビルドアロー号を掴んだ。

 

 【各駅電車!急行電車!快速電車!海賊列車!】

 

 引っ張る時間によって威力が上がるビルドアロー号を限界まで引っ張り、脳無目掛けて放つ。攻撃は脳無の顔面へと命中、怯んだようで動きが止まった。

 続けて攻撃しようと再度ビルドアロー号を引っ張るが、彼女の耳に轟音が入ってきた。場所は出入口付近。そちらの方へ視線をやると、スタークの腹部へ拳を当て、遠くへと殴り飛ばしているオールマイトがいた。

 

「私が来た!」

 

 オールマイトは階段の中腹部分へと着地すると、勇ましい声でそう叫んだ。しかし、その声はいつもの様に笑ってはいない。真剣な表情そのものだ。

 

「死ねぇ!」

 

 さらに、黒い靄の方から声が聞こえた。この物騒な台詞を吐くのは彼一人、爆豪勝己だ。

 爆豪は黒い靄の本体と思われるアルミ製の筒をがっちり掴んでいた。爆破させ威嚇し、動けば爆破させると宣言した。

 

「ヒーローらしからぬセリフだな」

 

 爆豪と共に切島もやって来たようだ。切島は腕を硬化させると、轟の凍らせた荒れた氷の上から青白の男へと殴り掛かる。しかしそれはいとも容易く避けられた。

 

「小兎謚少女!これを!」

 

 希桜音は再度オールマイトの方へと向くと、彼は希桜音目掛けて何かを投げたようだった。何か、を希桜音は受け取って確認する。

 

「フルボトル...?っ!」

 

 脳無の拳をギリギリで躱し、受け取ったフルボトルを確認した。二人の記憶を辿っても、これは見たことのない物、恐らくF1フルボトルと同じくこちらの世界で創られた物だろう。

 

「ヤツの攻撃力を低下させるため奪った!君が持っていてくれ!」

 

 そう言ってオールマイトはスタークへと殴り掛かる。本来なら生徒を逃がさなければいけないのだろうが、それを許してくれるほどの(ヴィラン)ではないのだろう。笑顔でいることを忘れるくらいに、彼は焦燥に駆られている。

 

 ━━━━━━━━万丈、F1フルボトル取って

 

『もしかして変身すんのか?』

 

 ━━━━━━━━このままオールマイトを待つよりかは、新しい力に賭けた方が早い気がする

 

 分かった、と万丈は指定されたフルボトルを希桜音へと渡した。ラビットタンクスパークリングを万丈へと預けた希桜音は、F1フルボトルと新たなフルボトルを手にして振る。

 

「さぁ、実験を始めようか。」

 

 【キョウリュウ!F1!BEST MATCH!】

 

 2つのフルボトルをベルトへ挿し込み、レバーを回す。新たなフルボトルの名は、名付けるならキョウリュウフルボトルと言ったところか、などと希桜音は考えながら変身の構えを取った。

 

 【Are You Ready?】

 

「ビルドアップ!」

 

 【音速の帝王!F1ザウルス!yeah】

 

 

 

 

 

 

 

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