『愛』と『平和』の為に 〜Love&Peace~   作:とある世界のハンター

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連日更新途切れましたねぇ(遠い目)


第19話 闇を照らすライトニング

 

 

 

 

 

 

 

 二回戦の一戦目が始まり、控え室が空いた。希桜音は控え室へと移動すると、押し入れの整理を再度開始する。

 

 ━━━━━━━━中距離戦向け...

 

 使わなさそうなフルボトルは奥へと追いやって、使いそうなフルボトルは手前へと置いた。ドリルクラッシャーはガンモードで待機、フルボトルバスターも同じだ。

 ふとモニターを観ると、今戦っている轟が()を使っていた。対する緑谷は轟目掛けて拳を握る。それらはぶつかり合い、物凄い爆発に包まれた。

 

「結局使ってるじゃん...」

 

 準備運動がてら軽く体を動かしながら、希桜音は部屋を歩き始めた。モニターから察するに、舞台の修復の時間を喰われそうだ。未だ部屋を出なくても済む。

 

 ━━━━━━━━ここで勝てば次は轟君か...

 

 モニターに映っている轟を観て、希桜音はそう実感したのだった。

 

 

 


 

 

 

「さて、と」

 

 再び彼女は陽の光と歓声に包まれた。蛍光灯の冷たい明かりとは一変して、熱い。

 相対する常闇はコチラをじっと見つめ、いつでも戦闘可能と言った雰囲気を醸し出していた。

 

 ━━━━━━━━まぁ、常闇君と戦うというよりは

 

「二回戦二戦目ェ!A組小兎謚 希桜音vsA組常闇踏陰!!」

 

「はじめ!!」

 

黒影(ダークシャドウ)!」

 

「そっちメインだよねっ!」

 

 開戦の狼煙が上げられた。それと同時に黒影(ダークシャドウ)が希桜音目掛けて飛んで来た。希桜音はラビットフルボトルを握って瞬間的に速度を上げてソレを躱した。

 

【ラビット!タンク!BEST MATCH!】

 

 押し入れからビルドドライバーを取り出した希桜音は、それを腰に巻いてすぐさまボトルを挿し込む。

 背後には黒影(ダークシャドウ)が迫っているが、すぐに変身できれば変身は阻止されない。

 だが、その考えは否定されてしまった。

 

「ふんっ!」

 

 背後の黒影(ダークシャドウ)に気が向いている最中に、常闇自身が希桜音のビルドドライバーを狙って手を伸ばしてきた。希桜音は咄嗟にそれを躱したのだが、それは常闇の思う壷。背後から迫ってきた黒影(ダークシャドウ)に奪われてしまった。

 

「小兎謚、貴様の弱点は変身前に変身を封じられること。さすれば、おそるるに足りない!」

 

 ビルドドライバーを片手で持っている常闇は、真っ直ぐと黒影(ダークシャドウ)を伸ばして希桜音を狙う。

 

 ━━━━━━━━この位置じゃ狙えない...!

 

 黒影(ダークシャドウ)が真っ直ぐ伸びている為、常闇は間接的に守られている形になっていた。これでは、一回戦と同じような形での勝ちは狙えない。

 希桜音はゴリラフルボトルを取り出して黒影(ダークシャドウ)を大振りで殴るのだが、簡単に避けられ体を掴まれてしまった。黒影(ダークシャドウ)はそのまま真っ直ぐ真っ直ぐと場外目掛けて飛んで行く。このままでは、希桜音は場外だ。負けだ。

 

「確かに、私の弱点は変身前の生身の状態...かもね」

 

 黒影(ダークシャドウ)を振りほどこうと足掻いていた希桜音は動きを止め、腕を力なく落とした。

 

「でもさ」

 

 希桜音は顔を上げ、真っ直ぐとした目を常闇に向けた。常闇は希桜音の顔に視線を向けたが、それはミスディレクションだった。

 

()()()()2()()あることは考えなかったの?」

 

 ニヤリと笑う希桜音の腰には既にビルドドライバーは巻かれていた。黒影(ダークシャドウ)は慌てて奪おうとするのだが、時既に遅し。

 

【オクトパス!ライト!BEST MATCH!】

【Are You Ready?】

 

「変身!」

 

【稲妻テクニシャン!オクトパスライト!yeah】

 

 ステージの端ギリギリで変身した希桜音は、左足の踵に備え付けられた穴から水を高圧噴射して素早く蹴りを入れた。黒影(ダークシャドウ)はそれに怯み、希桜音はその隙に脱出する。

 

「戻れ!黒影(ダークシャドウ)!」

「遅い!」

 

 黒影(ダークシャドウ)は背後から希桜音を掴もうと手を伸ばすが、希桜音の右肩の蛸足は希桜音の肩を離れて黒影(ダークシャドウ)を喰い止める。その隙に希桜音は左肩の発光装置を最大出力で照射した。

 辺り一面何も見えない真っ白な世界となるが、希桜音はその間に常闇の腕を掴んで場外へと投げ飛ばした。

 

「常闇君場外!小兎謚さんの勝利!」

 

 白世界の終わりを告げるように勝敗が告げられた。希桜音は既に変身を解除しており、投げ飛ばされ倒れている常闇を引き上げていた。

 

「俺の黒影(ダークシャドウ)の弱点は光...知っていたのか?」

 

 立ち上がった常闇は希桜音に疑問を投げ掛けた。しかし希桜音はそれを否定した。

 

「たまたまだよ、目を潰すのが早いから光らせてるだけ」

 

「そうか...だが、次はそう易々とはいかないぞ」

 

 伸びをしながらそう答えた希桜音は、常闇の忠告に礼を言って舞台を後にした。

 常闇の言う通り、次の試合では一回戦二回戦と同じように目潰しからの場外とはいかないだろう。廊下の端に身を預けた希桜音は、今のうちにと確実に使うであろうアイテムを押し入れの手前へと持ってきた。

 

 ━━━━━━━━氷対策はコレで出来る...けど

 

 熱く燃える炎。USJで包まれた熱を思い出した希桜音は背中に冷や汗が流れるのが分かった。

 轟の炎を対策しなければならない、それが今の彼女にはとても歯痒いものだった。右肩を掻き毟りながら、希桜音はビデオを撮っている戦兎のいる、選手席へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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