『愛』と『平和』の為に 〜Love&Peace~   作:とある世界のハンター

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前回の補足
ビルドドライバーを使用して変身するためにはハザードレベルが3.0以上必要。ハザードレベルを上げるためには、フルボトルを用いた戦闘でちまちまと上げるか人体実験で強制的に引き上げるかのどちらかである。


第2話 再会。ベストマッチな奴ら

 

 

 

 

 

 戦兎が希桜音の中に入ってから10ヶ月以上が過ぎた。季節はもう冬、受験生達は勉強に追い込みをかける時期、もしくはその積み重ねた力を発揮する時期だった。

 しかし、希桜音は現在身体能力強化に精を出している。ある理由で希桜音は『ヒーロー科』へ行くことを決意したのだ。

 その理由は、戦兎にも明かしていない。しかし、熱意は確かなものだ。今日もハザードレベルの向上のため、フルボトルを握り締め大木に拳をぶつけている。

 

『...って言っても、入試今日なんだけどな』

 

「はぁ...はぁ...何か言った?」

 

『なにも〜?』

 

 そう、戦兎の言う通り、今日は希桜音の志望校の入試当日である。彼女は最後の最後まで変身できるレベルまで上げているのだが、若干届かない。

 

「これで最後...変身!」

 

 時間的に最後の確認になるだろう。ベルトのレバーを回して見るも、ベルトは拒絶反応を起こしたようだった。希桜音は変身に失敗してその場に倒れる。

 

『試験開始行くぞ。ほら』

 

 希桜音は戦兎に促されてフラフラと立ち上がった。

 個性の押し入れを使い、ビルドフォンとライオンフルボトルを取り出した。ビルドフォンにライオンフルボトルを挿しこみ変形させ、マシンビルダーにする。マシンビルダーは仮面ライダービルドの使用するバイクだ。希桜音はマシンビルダーに跨って、ヘルメットを被った。

 服装は大人らしい私服、会場傍のコンビニで制服に着替えれば問題は無いはずだ。彼女はそう思って私服で特訓していた。持ち物を確認して、彼女はアクセル全開で試験開始へと急行するのだった。

 目的地は、NO.1ヒーローを始めとしたプロヒーローを続々排出する名門、雄英高校。

 

 

 


 

 

 

「着いた...人多いな」

 

『だな、ほら邪魔だから奥行け行け』

 

 ━━━━━━━━は〜い

 

 保護者のような雰囲気を出す戦兎に、それを煙たく思う反抗期の娘のような希桜音は人気の少ない場所へと移動しようとする。

 そんな時、希桜音の背後からある少女と小さな無機物が門を潜ってやって来た。

 

「『人多...!』」

 

『万丈!?』

 

 聞いたことのある声に、戦兎は希桜音の体を奪って声を掛けた。その声に、小さな無機物も反応したようだった。スグに希桜音の方へと飛んできた。

 

『戦兎!戦兎なのか?ちっさくなったな!』

 

『はぁ!?お前の方が小さいじゃんか!何お前、クローズドラゴンになったの?』

 

『違ぇ!合体だ!』

 

『あー、うん。憑依ね。』

 

『ヒョーイ?おい戦兎!ヒョーイってなんだ?』

 

 馬鹿は置いといて、戦兎は万丈もといクローズドラゴンを連れている少女に話し掛けた。キョトンとしていた少女だったが、戦兎に話し掛けられ意識をこちらへと戻した。

 

『俺は桐生戦兎。そいつの...仲間だ。この体は子兎謚 希桜音、今俺はコイツの体を借りて喋ってる。』

 

「へ?え、あーっと、私麗日お茶子って言います。」

 

 戦兎は万丈について色々聞きたかったが、周りからの目線が痛い。麗日には受験終了後にまた話そうとだけ告げ、希桜音に主導権を譲った。

 希桜音は麗日に目線で挨拶を済ませ、そそくさと離れた。

 万丈はと言うと、麗日に軽く別れを告げて希桜音に着いて行った。

 

『戦兎、なぁ戦兎ぉ』

 

「私は子兎謚 希桜音です。なんで付いてくるんですか。」

 

 万丈が嫌なのか、希桜音は冷たい態度をとる。しかし万丈は気にせず、戦兎に会わせてくれと頼む。

 仕方ない、と希桜音は万丈を自身の押し入れへと招き入れた。その際、分離するかのようにしてクローズドラゴンを残して万丈だけが入り込んだ。希桜音は慌ててクローズドラゴンを掴んだが、万丈はそんなこと気にせず戦兎との再開を喜んだ。

 

『ここどこだ?家?』

 

『あーもー、説明は後でするからちょっと黙ってなさいよ』

 

 万丈は戦兎に諭され、渋々黙り込んだ。戦兎は希桜音に時間ギリギリまでハザードレベルを上げるよう指示する。

 戦兎に指示された希桜音は、ダイヤモンドフルボトルとフェニックスフルボトルを持った。人が周囲にいないことを確認すると、校舎裏の木を殴りつけ始めた。これは希桜音がヒーロー科を志望してからずっと続けている特訓法である。

 

 

 


 

 

 

「今日は俺のライヴへようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!」

 

 ━━━━━━━━うっさ

 

『まぁまぁ、そう言うなよ。』

 

『イエーーーーイ!!!』

 

『うっさいな!ちょっと黙ってなさいよ』

 

 実技試験開始前ということで、現在希桜音は講堂にて実技試験の概要を確認していた。説明は雄英高校の教師であり、プロヒーローでもあるプレゼント・マイクによって行われる。

 

『要約すると、各々指定された試験会場にて4種の"仮想敵"と戦いポイントを稼ぐ...と。それぞれ0~3Pのポイントに振り分けられている、か。』

 

 途中から話を聞いていなかった希桜音は、戦兎に説明をしてもらい理解した。

 

「更に向こうへ━━━━"Plus Ultra"!!それでは皆、いい受難を!!」

 

 プレゼント・マイクの最後の一言、雄英高校の校訓を聞いた受験生達はそれぞれの試験会場へと赴く。

 希桜音も同じく試験会場へと向かうため歩き始めた。

 この雄英高校一般受験では、アイテムの使用は原則不可だ。しかし、個性に関係するものであれば予め申請していれば試験で使えるらしい。

 

 ━━━━━━━━使えてよかった...

 

 希桜音も申請をしたうちの一人なのだが、この『ライダーシステム』を説明するのにとても苦労した。最終的には納得して貰えたのだが、使うのは少しばかり心が痛む。

 試験会場へと進むと、その他の受験生達は準備運動をして体を温めていた。希桜音も軽く動こうとするが、大きな声がそれを遮った。

 

「ハイ、スタートー!!」

 

 ━━━━━━━━あー、だいたいわかった。

 

 突如始まった試験に、受験生のほとんどは足を動かさずに思考を停止させていた。なぜ、だとか、は?だとか、不信感を抱く者ばかり。

 しかし、希桜音は合図を聞いてスグに走り出す。

 

 ━━━━━━━━誰よりも上へ上へ早く早く行く向上心が無ければ、ヒーローにはなれない...ってことか

 

 希桜音はそう解釈したが、実際どうなのかは定かではない。

 希桜音の姿を見た者や、プレゼント・マイクに諌められた者達もスグに希桜音の後を追い掛けるようにして走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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