『愛』と『平和』の為に 〜Love&Peace~ 作:とある世界のハンター
戦闘なし
五月✕〇日
今日から日本での活動を日記として記していくこととする。オールマイトの紹介で日本に来ることが出来たが、この保須は最近物騒な事件が起きているらしい。夜間の外出と裏路地は控えるべきだろう。
今日の仕事は事務所内の清掃だ。内装は明日から来る雄英生に任せようと思う。
五月✕✕日
今日は職業訓練ということで雄英生が事務所へとやって来た。名を小兎謚 希桜音、ヒーロー名は仮面ライダーロードという。体育祭のビデオは観ていたが、思っていたよりも小さかった。名の通り小兎らしさもある。早速オールマイトに言われていた通り、カウンセリングを始める。
とりあえず彼女と手合わせしてみた。抑えてはいるようだが、戦闘本能は活性化されている。これを抑えるのは少し長くなりそうだ。実力は体育祭で準優勝を飾るレベル...いやそれ以上だ。ベルトからアイテムを抜くことで変身解除になる事を知らなければ、恐らく...
中にいる2人のうち1人と昼食の間に軽く話をした。詳しい事情までは教えてくれなかったが、武術に心得のある人物のようだった。久々にボクシングをしてみたくなった。
午後は2人でパトロールがてら近所のヒーロー事務所へと出掛けた。軽く挨拶を済ませ、ご飯を買って帰る。さすがにコンビニ弁当やカップ麺ばかりではダメだと希桜音に叱られ、渋々晩御飯の材料を買った。あまり料理は得意では無いのだが。
眠い。続きは明日
五月✕△日
久々に料理というものをした。希桜音の手伝いがメインだったが、彼女の料理の腕はかなりのものだ。料理が好きなのだろうか、楽しそうにやっていた。参考にしよう。
思えば、誰かと衣食住を共にするのは久しぶりかもしれない。寧ろ初めてだろうか。いやはや、キャラを使い分けるのは疲れるものだ。外見は米国人の血が強いが、半分は日本人の血なのだから。
今朝は希桜音とランニングをした。体力はあるようだが、まだまだだ。帰ってすぐに手合わせをした。スクラッシュドライバーとやらでは身体への負担が大きいとは聞いていたので、生身での戦闘を行った。生身でもこの歳にしては強い方だが、慣れていないようだ。悔しがる姿が愛らしい。
朝はトーストを食べてパトロールへと出掛けた。特に
昼はザル蕎麦、日本人はザル蕎麦を食べるべきだろう。この時確認したが、希桜音にアレルギーは特に無いらしい。良かった。
午後のパトロールは
夜はデリバリーが来るまでの間希桜音にちょっとだけ技を教えた。実際に使うかどうかは置いておいて、知っておいて損は無いだろう。
夕食を終えた後は2人でお風呂に入った。最初は嫌がっていたが、ガツガツ行くと諦めてくれた。中々に発育の良い体だ。眼福と言うやつだろう。私の方が良いが。
所々に見られた傷について突っ込んだが、答えてはくれなかった。あの寂しい表情は、今でも頭に過ぎる。
五月✕□日
目が覚めると腕の中で希桜音が眠っていた。寝間着が若干湿っている。泣いたのだろうか。
こんな時、相手の記憶を読み取れる個性でもあればと思うが、無いものねだりしてもしょうがない。
とりあえず今朝の訓練は無しにしよう。
パトロールで異常は無し。平和な一日だ。
夜は手合わせしながら色々聞いてみた。教えてはくれなかったが、涙目で抱き着いてきた。さすが私、包容力の塊だ。泣き疲れて寝てしまった希桜音を運ぶのも一苦労。か弱い女の子だもの、しょうがない。
五月✕▼日
朝起きると、希桜音が既に朝食を作ってくれていた。サンドウィッチが美味しい。
朝の戦闘訓練は数日振りに変身させてみた。ビルドドライバーでの変身は、身体に負担はスクラッシュドライバーに比べ少ない。赤と青のラビットタンク、緑と銀のペンギンスケーターと、様々な姿を見せてもらった。結果は引き分けということにしておこう。余裕ぶってはいるが、内心ではギリギリの戦闘でビクビクしている。
午前のパトロールは久々に
星空を見ながらスナック菓子を食べていると、希桜音が横に来てそれを奪ってきた。懐いてくれたのはありがたいが、これは私のだ。止めてほしい。
唐突だったが、気になっていた傷のことについて語ってくれた。幼い頃に父に付けられたものらしい。母は仕事が忙しいらしく、必然的に父と一緒になる事が多かったらしい。稼ぎは母の方が良かったらしく、それが重圧となって父は行き場のない怒りを娘である希桜音に当てていた、だとか。
とりあえず撫でておいた。いや、考える事を止めたとかでは無く、そうでもしないと私が耐えられなかったのだ。
五月✕◆日
気付いたら寝てしまっていた。少しノートが濡れている。最悪だ。
希桜音の表情が少し暗い。今日は仕事はお休みとして、ショッピングモールへ買い物に行こうか。あくまでも職業訓練という名目でのカウンセリングなのだから、このくらい目を瞑ってくれるはずだ。
戦闘戦闘と言わない希桜音は、初日に比べれば充分小兎になったと言える。
ショッピングモールへとやって来た私達は、早速フードコートへと行きたかったのだが、ここは希桜音に任せた。だが希桜音は私に任せるらしい。ならばお言葉に甘えよう。容赦なくクレープを頂こうじゃないかと、私達はアイスクリーム屋へと向かった。
クレープは美味しかった。全く、カロリーだなんだとは言ってられない、罪な食べ物だ。
午後は女の子らしく服でも買おうと、お高めの所へと向かった。他人のコーディネートはお人形の着せ替えのようで楽しい。
帰りは串焼き屋という所へ行ってきた。彼女の中のもう1人が卵焼きに砂糖をかけて食べているのが衝撃的だった。美味しいのだろうか。
楽しい一日だった。
五月✕●日
今朝はランニングから始まった。一日分運動していないからか、結構疲れた。歳かな、まだ若いが。
そのあとは希桜音にスクラッシュドライバーを使わせてみた。戦闘本能が抑えられれば良かったのだが、結果はバツ。どうすれば良いのだろう。
五月△〇日
戦兎に一度話を聞いてみた。彼曰く、守りたい、救いたいという気持ちで克服したという事例は知っているらしい。なぜ最初から聞かなかったのだろう。
希桜音にそんな気持ちがあるのだろうか。昨日の希桜音になら、聞いてみる価値はあったのかもしれない。とりあえず聞いてみよう。
聞いてきた。分からない、覚えてないらしい。個性の副作用が出てしまったか、全く面倒な個性だ。また地道に戦闘本能を抑えていくしかないだろう。
五月△✕日
昨晩、希桜音から話し掛けられた。戦いたい気持ちと、それを抑えようとする気持ちがごちゃごちゃになっているらしい。
これはマズい。何とかしなければならない。
だが焦りは禁物、とりあえず今朝は生身での戦闘を行った。明らかに強くなっている。骨が折れそうだ。
パトロールはここの所異常なし。
帰ってからはまた生身での戦闘。つい隠し道具のワイヤーを使ってしまった。大人気ない。
五月△△日
今朝の戦闘訓練の最中に、ふと思い出した事を希桜音に聞いてみた。原点、オリジンはあるかと。分からないと答えられたが想定内。ゆっくり思い出していって欲しい。
懐かしい、私がこの個性でヒーローを目指すのを挫折しかけていた時に言われた言葉だ。オールマイトは元気にしているだろうか。
五月△□日
近所のヒーロー事務所に雄英生が職業訓練に来たようだ。本来は今日からなのだろう。あの全身鎧の真面目少年、少し気になるがあちらはあちらでやるのだろう。私は希桜音に専念する。
彼女の原点について聞いてみた。未だ思い出せないらしい。それが鍵になると思うのだが仕方ない、思い出すまで待とう。
五月△▼日
今日は特に進展は無かった。強いて言うなら私が新しい料理を覚えたことぐらいだろう。たまには料理することにしよう。
やはり料理をしている希桜音は戦闘本能が抑えられている。聞けば中学三年から始めたらしい。私も1年経てばこのくらい上手くなれるだろうか。
「さて、寝ましょうカ...」
スラスラと書いたペンを机の端に置いたエモーは、欠伸をしながら椅子から離れる。バタンとベッドに身を任せると、疲れに襲われたのか、スグに寝息をたてて寝てしまったようだ。