『愛』と『平和』の為に 〜Love&Peace~   作:とある世界のハンター

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第33話 亡霊ハンティング

 

 

 

 

 

 

 そして翌日。2日目と多少メニューは異なれど、同じ時間からのスタートだった。疲れを感じながらも、皆必死に取り組んでいる。

 

「気を抜くなよお前ら。みんなもダラダラやるな、何をするにもまずは原点を常に意識しとけ。向上ってのはそういうもんだ。何の為に汗掻いて、こうしてグチグチ言われるか、常に頭に置いておけぇ!」

 

 ━━━━━━━━原点

 

 相澤の言葉に、希桜音はふと思い出すことがあった。それは期末テスト明けに行ったショッピングモールでの出来事。そこで見た旧友と思われる姿を。

 

 ━━━━━━━━匂いは同じだったし、やっぱり...

 

 「そこ!攻撃が止まってる!ピクシーボブ、もっと追加!」

 

「え?は、はい!」

 

 考え事に気を取られて、攻撃の手が止まっていたようだった。それでも回避は出来る辺り、彼女も体が戦闘に馴染んできたのだろう。手にしたフルボトルバスターを横一閃に振り、ワラワラと集まってきた土魔獣を薙ぎ払うのだった。

 

 

 

 


 

 

 

 そうして夕食を食べ終えた生徒達。次に待ち受けるのは

 

「肝を試す時間だぁあ!!」

「「「「試すぜえぇぇ!!」」」」

 

 そう、肝試しの時間だった。昨晩2時まで補習を受けていた補習組も、さすがに疲れを忘れて取り組むようだった。のだが、日中の訓練が疎かになっていたため補習へと無理矢理連行されて行った。

 

「嫌だァァァ!!」

「「試させてくれえぇぇ!!」」

「ばいば〜い」

「希桜音ちゃん補習組に冷たいとこあるよねぇ」

「まぁまぁ、5人の分まで楽しも〜!」

 

 補習組の悲痛な叫びが完全に聞こえなくなったところで肝試しのルール説明へと移行する。

 

 ・脅かす側先行-B組

 ・A組→3分置きに2人1組でスタート

                ルート折り返し地点の御札を持って帰る

 ・B組→直接的な脅かし禁止

               個性を用いて脅かす

 ・より失禁させた方が優勝

 

『お、成長したな』

「メモれば問題ないよねぇ」

「話聞けば分かるだろ」

 

「さぁ!くじ引きでパートナー決めるよ!」

 

 ルール説明のあとは、脅かされる側のA組はくじ引きでペアを決めることになった。

 

「ん?2人1組...あれ?20人で5人いないから」

「1人余るねぇ。言い出しっぺの法則で、緑谷君が余りかな?」

「無慈悲ッ!?」

 

 そんな戯言を言いながら、希桜音は手にしたくじの番号を確認する。

 

 1組目    障子&常闇

 2組目    轟&爆豪

 3組目    耳郎&葉隠

 4組目    青山&八百万

 5組目    蛙吹&麗日

 6組目    尾白&峰田

 7組目    飯田&緑谷

 8組目    小兎謚

 

「...言い出しっぺの法則は?え、待って。怖いの苦手なんだけど。え、マジ無理。戦兎一緒に行こ?」

「さっきまでの余裕は何やねん」

『分かったよ。スタート地点まではな』

 「いいぃぃやぁぁあだぁあ!!!」

 

 そうして時は流れて12分後。森からは耳郎と葉隠の叫び声が延々と飛んで来ている。いよいよ5組目が出発し、抱き枕代わりになる女性陣がいなくなった希桜音は途方に暮れていた。

 

「胸...いい感じの、柔らかめの...」

「柔らかめの巨大果実いっただk「せい」ぐふぉ」

 

 峰田の飛び込みによるセクハラをさり気なく躱してカウンターを入れた希桜音だったが、あることに気付いた。

 

「...変な臭いしない?」

「あれ、なに?」

「黒煙?」

 

 緑谷の指し示す先には、森の奥から立ちのぼる黒煙があった。山火事か何かかと心配していると、ピクシーボブがピンクのオーラを纏って、森の奥へと連れ去られて行った。

 

「っ、変身」

 

 【鋼のムーンサルト!ラビットタンク!yeah】

 

 希桜音は咄嗟に変身して、ピクシーボブの飛んで行った方向へ戦闘態勢を取った。その先に見えるのは2人の男性、そして血を流して倒れているピクシーボブ。

 

「なんで、万全を期した筈じゃあ...なんで(ヴィラン)がいるんだよォ!?」

 

「ピクシーボブ!!」

「待って。ヤバい...」

 

 ピクシーボブを取り返そうと走り出した緑谷だったが、マンダレイに止められてしまった。恐らく相手は相当の手練、生半可な実力では勝てないと瞬時に判断したのだろう。マンダレイはテレパスを発動させた。

 

 「皆!!(ヴィラン)2名襲来!他にも複数いる可能性あり!動ける者は直ちに施設へ!会敵しても決して交戦せず撤退を!」

 

「ご機嫌麗しゅう雄英高校!我ら(ヴィラン)連合開闢行動隊!」

 

(ヴィラン)連合!?」

『エボルトが来てる可能性あるな』

「じゃあさっさとコイツら倒して、探すべき?」

「あら?威勢が良いのがいるわねぇ?」

 

「待て待て!早まるなマグネ!仮面ライダーもだ!生殺与奪は全てステインの仰る思想に沿うか否か」

「やつの思想に当てられた連中か...!」

 

 トカゲに似た(ヴィラン)はその問いに嬉嬉として頷き、そして飯田の事をステインの終焉を招いた者と評した。

 

「申し遅れた。俺は、スピナー!彼の夢を紡ぐもn「うっさい!」

 

 (ヴィラン)が背に身に付けていた大剣を振り翳す前に、希桜音はウサギの跳躍力でひとっ跳び。彼に蹴りを入れて、もう一人の(ヴィラン)諸共吹き飛ばした。

 

 ━━━━━━━━この匂い

   

 2週間程前に嗅いだ匂い。希桜音は咄嗟に森の奥へと飛んで行った。マンダレイの制止も聞かずに。

 

『希桜音!どこ行くんだよ!?』

「邪魔しないで!いるの、いるの!」

『いるって何がだよ!?』

 

 何がだよ、その問いに希桜音は答えない。

 別に答えられない訳ではない。彼女の名前を口にすれば、自分の中から彼女が消えてしまう気がしたのだ。

 

『っ!希桜音止まれ!!』

「ちょ、何!?」

 

 急に身体を止められ、ずっこてしまう希桜音。なんだなんだとイラつきながら立ち上がると、目の前に立つ人影に気が付いた。

 

『避け』

 

 られなかった。拳は希桜音の死角から襲い、彼女を吹っ飛ばした。肺の中の空気が抜けた、そんな感覚と共に希桜音はそれを初めて視認した。

 

「ったく、どいつもこいつも邪魔ばっかしやがって...」

 

 目の前に佇むのは、背中に貯水タンクに似た物を背負い、腕の筋肉は異常に発達。そして脳は体外へと晒し、その目に人としての意識は無さそうだ。

 

「脳無...!」

 

 【MAX  HAZARD  ON!】

 

 【ラビット!】

 

 【ラビット&ラビット!】

 

 【ガタガタゴットン!ズッタンズタン!】

 

 【 Are  You  Ready ?】

 

「ビルドアップ」

 

 【OVER FLOW】

 

 【紅のスピーディージャンパー!ラビット&ラビット!】

 

 【ヤベーイ!ハエーイ!】

 

 ラビットラビットへと変身した希桜音は、取り出したフルボトルバスターを構え、目の前の脳無目掛けて斬りかかる。

 

 

 

 

 

 

 




交戦、開始
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