『愛』と『平和』の為に 〜Love&Peace~ 作:とある世界のハンター
補足
小兎謚 希桜音の名前について
小=「お」or「し」とも読む▶「おし」▶「押し」―「押し入れ」の「押し」
謚=「おくりな」▶押し入れへ入れる=押し入れへ送る
雄英高校の午前授業は一般的な普通科高校となんら変わりない。必修科目の英語や国語などの授業を普通に行う。昼は大食堂でクックヒーローのランチラッシュによる高品質低価格の昼食を頂ける。
「うまーい!」
「ね、美味しい!」
希桜音は新たに喋れるようになった芦戸三奈、そして蛙吹と共に食堂で昼食をとっていた。
ちなみに戦兎は研究に没頭しており、万丈は昼寝をしている。
希桜音達は談笑しながらも学食を着々と食べ進め、目の前の皿を空にした。その後は教室へと戻り午後の授業となる。
午後の授業はヒーロー科らしく、ヒーロー基礎学というものを行う。今の時間はちょうど昼放課を終えた時間、いよいよヒーロー基礎学の時間が始まろうとしていた。
「わーたーしーがー!普通にドアから来た!」
午後の授業のチャイムと共に、NO.1ヒーローのオールマイトがA組へと入ってきたか。
ここで、ヒーロー基礎学について軽く説明しよう。ヒーロー基礎学とは、ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目だ。戦闘訓練を始め、ヒーローの歴史や体作りを行う。単位数も最も多い。
「そして、今日はコレ!戦闘訓練だ!」
『戦闘』という単語に、一部の生徒はやる気を滾らせる。ヒーローのイメージとしては、やはり戦闘で
「そいつに伴ってこちら!入学前に送ってもらった個性届けと、要望に沿って誂えた
教室の壁から出てきたロッカーに入っている各生徒用の
オールマイトは各自着替えてグラウンドβへ行くように指示し、解散させる。生徒達は元気よく返事をして、
グラウンドβへとやって来た生徒達は、各々
格好から入る、これも大切なことだとオールマイトは言う。それに身を包むことによって、それが自覚に繋がるらしい。
「さぁ始めようか!有精卵共!」
━━━━━━━━ここ、入試のとこ...
グラウンドβの既視感に、希桜音は入試のことを思い出していた。このビル群の中に現れた巨大ロボ。それを破壊した自分...全てが幻のように思えてくる。
「君らにはこれから
自分の世界へと意識を潜らせていた彼女は、オールマイトの説明により引き戻された。
入試の時とは違い、屋内での戦闘を行うらしい。
「基礎訓練無しに?」
「その基礎を知る為の実践さ!但し、今度はぶっ壊せばオーケーなロボじゃないのがミソだ。」
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ぶっ飛ばしてもイイんすか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」
「分かれるとはどのような分かれた方をすればよろしいですか?」
「このマントヤバくない?」
『1人おかしいな』
「ん〜!聖徳太子ぃ!」
次々に質問する生徒達に、オールマイトは頭を悩ませる。新人教師故、まだこの職に慣れていないようだ。
彼は手の平サイズの小さなメモ帳を取り出し、訓練の内容を説明し始めた。
『つまり、"ヒーロー"は"
━━━━━━━━なるほどねぇ
『説明ちゃんと聞けよ』
━━━━━━━━はいはい
コンビ及び対戦相手はくじ引きで決めるらしい。
チームA 緑谷 出久&麗日 お茶子
チームB 轟 焦凍&障子 目蔵
チームC 峰田 実&八百万 百
チームD 爆豪 勝己&小兎謚 希桜音
チームE 芦戸 三奈&青山 優雅
チームF 砂藤 力道&飯田 天哉
チームG 上鳴 電気&耳郎 響香
チームH 常闇 踏陰&蛙吹 梅雨
チームI 尾白 猿尾&葉隠 透
チームJ 瀬呂 範太&切島 鋭児郎
コンビはこういう組み合わせになった。
爆豪と組むことになった希桜音は、中学時代の彼の言動を思い返し、先が思いやられることになる。爆豪の顔を軽く見たのだが、コチラを睨んでいた。
━━━━━━━━合格者お呼び出しの時のアレで目ェ付けられたんだろな...
「最初の対戦相手は...コイツらだ!」
オールマイトが引き当てたクジは、
他のペアはモニタールームで観戦と観察をするらしく、蛙吹と共にいた希桜音は蛙吹に別れを告げた。希桜音は再度爆豪に目を向けるが、彼はもう緑谷の事しか頭にないようで、頻りに彼を睨みつけていた。
━━━━━━━━冷戦だなぁ...
「
そう言ってオールマイトは戦闘場所であるビルへと
『生身の人間相手だからな、やり過ぎんなよ?』
戦兎の忠告に頷いて答えた希桜音は、ハリボテの核兵器がある最上階へと上がった。その間、爆豪とは一切何も会話をしなかった。というのも、爆豪からは怒りの感情がヒシヒシと感じられ、話すにも話せない状態だったのだ。
「...えと、下に降りて戦ってきていいよ?」
「あ゛ぁ?ったりめぇだろがァ!」
とりあえず最低限の会話だけでもと希桜音は話し掛けたのだが、気に入られていないようで突っぱねられてしまった。作戦が決まっただけマシだと希桜音は考えたのだが、爆豪がこちらを睨みながらこちらへと歩いてきてそれどころではなくなった。
「援交少女の小兎謚希桜音...ちょっとした有名人だったっけなぁおい」
嘲るようにして爆豪は話し始めた。忘れかけていた事実を思い出し、希桜音は少しフラッシュバックを起こしてしまい足の力が抜けかける。
髪を掴まれ、引き摺り回され、痛みを訴えながらも暴行される日々。その思い出を遮るように爆豪勝己の声が聞こえる。
「中二で急に虐められ始めたんだよなぁ?理由は知らねぇが、醶いことを毎日毎日」
「...何が言いたいの?」
「没個性がなんで
━━━━━━━━八つ当たり、か
「行った、か...」
酷い嗚咽。嫌な思い出。
ドス黒い感情や記憶が小兎謚希桜音の体内を這いずり回った。しかし、今は戦闘訓練。希桜音は戦兎と万丈に諭され意識を
「...さぁ、実験を始めようか。」
涙目になりながらも、桐生戦兎の決め台詞、それを勝手に用いて彼女はビルドドライバーを取り出した。戦兎は何やら文句を言っていたが、気にせず彼女はボトルを振る。
【スパイダー!冷蔵庫!BEST MATCH!】
【Are You Ready?】
「変身」
【冷却のトラップマスター!スパイダークーラー!yeah】
誰もいない階層で変身した彼女は、これから来るであろう二人のヒーローを迎え撃つ準備を始める。