『愛』と『平和』の為に 〜Love&Peace~   作:とある世界のハンター

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第7話 兎はハントされるのか?

 

 

 

 

 

『まーたマスコミか』

 

 ━━━━━━━━だね

 

 戦闘訓練から数日、オールマイトが雄英の教員になったことがニュースで明かされてから、連日マスコミが雄英に押し寄せることとなった。

 生徒達はこのマスコミの波に飲まれつつ進むが、大抵インタビューに捕まってしまう。

 

 ━━━━━━━━マスクマスク...と

 

 希桜音はマスクとサングラスを身につけ、完全とまでは言わないが、ある程度の顔を隠す。押し入れからラビットフルボトルとUFOフルボトルを取り出し、軽く振ってから走り出した。ラビットフルボトルの能力で脚力を強化、思い切り踏み切って記者達の頭上を飛び越えた。さらにUFOフルボトルの能力で浮遊時間延長、フワフワと浮いて校門を通り抜けた。

 

『少しぐらい喋ってもいいじゃねぇか』

 

 ━━━━━━━━めんどい!やだ!

 

『えぇー』

 

 ふん、と言って両手に持っていたボトルを押し入れの戦兎へと渡す希桜音。傍から見ればポケットにボトルを入れるような動作だった。

 

『ふふふ...見つけたぞ』

 

 記者集団の後方。希桜音を見つめる異様に肌が青白い男、そしてサングラスからその動作を見つめていた男の存在に、彼女は未だ気付かない。

 

 

 


 

 

 

 HR(ホームルーム)の時間、相澤は昨日の戦闘訓練をVTRで確認したらしく、一部の生徒(緑谷と爆豪)を軽く指導した。その後、彼はHR(ホームルーム)の本題に入ると口を開いた。

 

「急で悪いが、今日は君らに」

 

 ━━━━━━━━また臨時テスト?

 

 生徒の恐怖を煽る相澤の言葉に、生徒達は咄嗟に身構えた。しかし、それは杞憂に終わってしまう。

 

「学級委員長を決めてもらう」

 

(((((学校っぽいの来た)))))

 

 心做しか、相澤の口調がいつもより優しい。緊張を紐解いた希桜音は落ち着いて、委員長について考え始める。

 

 ━━━━━━━━飯田君と八百万さんだろなぁ

 

 そう言って希桜音は傍の飯田に視線を向けた。

 彼の言動は、入学式当日から今日に至るまで、まさしく学級委員長と言えるものだった。彼が学級委員長なら納得できる。

 続いて八百万百。彼女は口調から分かる通り育ちが良く、昨日の戦闘訓練では的確な講評をしていた。彼女が学級委員長ならば、飯田の暴走も止められるはずだと希桜音は思った。

 

「委員長やりたいです!それ俺!」

「俺も」「ウチもやりたいっス」

「僕の為にあr「リーダーやるやる!」

「女子のスカートは膝上12cm!」

「俺゛だぁ゛!俺゛え゛ぇ゛!!」

『はいはいはい!!!俺やる!!』

『お前は大人だから無理でしょーが!』

 

 ━━━━━━━━うるさっ

 

 一気にクラスが騒々しくなった。普通こういうものは雑務と同様に扱われ、誰もがやりたがらないものなのだけれども、ここヒーロー科では皆を引っ張るトップヒーローの素地を鍛えられる役なのだ。皆が率先してやりたがるのも納得出来ると、希桜音は考えた。

 

 ━━━━━━━━一人違う目的のがいたけど

 

 騒々しいクラスは、飯田によって鎮められた。彼曰く、他を牽引する責任重大な仕事なら他の意見あってこその物らしい。民主主義に乗っ取り、投票で決めるべきだと言った。

 

「うん。投票でいいと思う。」

 

 既にそびえ立っている飯田の腕をスルーして、希桜音は彼の意見に賛同した。

 

「どーせ皆、自分にしか入れないぜ?」

 

「だからこそ、複数票入った人が相応しいんじゃないの?」

 

 希桜音の言葉に周りの人間は納得し、早速投票で決められる事となった。

 投票結果は、上から緑谷 3票、八百万 2票、麗日、希桜音、轟を除いた15名が1票となった。飯田は自分に票が入っていたことにとても感激していたが、それでも自分が委員長になれていないことにスゴくショックを受けているようだった。

 

 ━━━━━━━━泣くか喜ぶかどっちかしろよ

 

 上記の結果に乗っ取って、緑谷が委員長、八百万が副委員長となった。教壇に立つ緑谷はガチガチに震えていた。

 

 ━━━━━━━━望んだ結果だろうに...

 

 

 


 

 

 

 午前の授業を終えた希桜音は、束になった資料を持って職員室へと向かっていた。HR(ホームルーム)の後、相澤にフルボトルについての資料をまとめてくるように言われたのだ。曰く、生徒達の個性等についてまとめられている情報があるらしいのだが、希桜音の戦闘の(メイン)はフルボトルを使用したライダーシステムであるため、念の為必要らしい。そのため、放課の時間に60種類のフルボトルについて、現在分かっている情報を書き記したのだ。さすがに疲れたのか、空腹が彼女を襲いつつある。

 

「梅雨ちゃんが席取っといてくれるてからな、早く行かないと...」

 

 少し駆け足になって曲がり角を曲がったが、その時誰かにぶつかってしまった。すぐさま希桜音は頭を下げるが、ぶつかった男性は気にしていないようで顔を上げるよう促した。

 しかし、その声を聞いた途端、希桜音の体は瞬時に彼の横を通り抜けビルドドライバーを取り出した。

 

「ちょ、戦兎何して...」

 

 戦兎が体を勝手に使っていたのだ。しかし、戦兎は止めずにボトルを取り出した。

 

「忘れたのか?『俺は一度戦ったフォームを記憶してるんだ。』

 

 ダンディーな声から、明らかに敵意のある声へと変わった。希桜音が顔を上げると、目の前には戦兎と万丈の記憶に色濃く残っている人物が立っていた。

 

『エボルトォォォオオ!!!』

 

 戦兎は持っていたラビットとタンクのフルボトルをしまい、未だ彼が戦っていない姿で戦闘をすることにした。

 

 【ハザードオン!】

 

 手にしたハザードトリガーをビルドドライバーへと装着させ、手にしたフルボトルをドライバーへと挿し込んだ。

 

 【おばけ!マグネット!SUPER BEST MATCH!】

 

 【ガタガタゴットンズッタンズタン!】

 

 【Are You Ready?】

 

「変身っ!」

 

 【アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!】

 

 仮面部分である2つの箇所を除き、全身が黒に染った形態。通称ハザードフォーム。ハザードトリガーをビルドドライバーに装着することで可能で、これにより一時的にハザードレベルを上げることが可能である。しかし、その代償として脳が刺激に耐えられなくなると理性を失い、最後には自我が消滅する危険が伴う。

 

『おいおい、その体は未だハザードレベル3.3。使いこなせないだろ。』

 

『黙れエボルト!なんでお前が復活したか知らないが、ここでお前を倒す!万丈、チビドラに乗って出てろ。暴走したら頼む!』

 

『分かった!』

 

『希桜音、少し我慢しててくれ...!』

 

 戦兎の気迫に押され、希桜音はうんとしか答えられなかった。戦兎は万丈が外へと出たことを確認すると、未だ変身していない石動惣一、に擬態したエボルトに殴り掛かった。

 エボルトはそれをギリギリのとこで躱し、銃型の武器、トランスチームガンを取り出した。

 

 【コブラ!】

 

『蒸血』

 

 【MIST MATCH!】

 

 【コッ・コブラ...コブラ......ファイヤー!】

 

 取り出したフルボトルを挿し込むと、銃口から霧のような物が吹き出し、彼の体を包み込んだ。火花と共に霧が晴れると、コブラの意匠が施され、血を模したワインレッドを貴重とした姿が現れる。

 

『久々にブラッドスタークでの戦闘だ。楽しくやろうじゃねぇか。戦兎ォ?』

 

『黙れぇぇぇ!』

 

 戦兎の怒り、エボルトの危険性、それを示すように非常ベルが鳴り出した。それを合図に、開戦の火蓋が切って落とされたのだった。

 

 

 

 

 

 

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