夜はやがて朝になる   作:ぐりぃ

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どうも、ぐりぃさんです。

勢いに任せて2話も書いちゃいました(笑)

2話はみなさんも馴染みのある、あの出来事を中心に書きました。

それと、前回よりは長く、読みやすくなってると思います。

それでは2話です、どうぞ!


第2話 差す朝日

 

 私は未だ静まらない心を押さえつけながら、入学式会場の自分の席に座る。もしかしたら私の見間違いかも知れない。もしかしたら別の朝日六花かもしれない。もしかしたら何かの手違いかもしれない。もしかしたら、もしかしたら。

 何故信じたくないのか、自分でも分からなかった。なんで避けようとしているのか、なんで関わりたくないのか。

 けれども、この1-Aに「朝日六花」がいるのは事実だ。

 今すぐにでもあの朝日六花なのか確かめたいが、あくまでも今は式典中だ。急に立ち上がって確認するわけにもいかない。

 また世界が邪魔している。この世界は、醜いものだ。

 

 

 舞台に目を向けると、どうやら式は順調に進行しているようだ。

 

「えーと、次は生徒会長挨拶です。」

 

 薄浅葱色の髪をした少女がマイクの前に立つ。私の直感でしかないが、何か嫌な予感がする。高等部の生徒会長、何かが違う。

 

「えーですです...

 みんなー!入学おめでとー!生徒会長の氷川日菜です!羽丘は勉強も大事だけど、生徒会長的には、」

 

 私の直感が告げる。何かが来る。

 

「るんっ♪てしよー!」

 

 と言うと同時に、氷川会長が原稿を放り投げる。そして元気に手を振り始める。

 やはり私の直感は合っていたようだ。ここまで異色な生徒会長は羽丘初だろう。

 周りの生徒は歓喜の渦に巻かれているが、私は違う。正直、この学校、あのような生徒会長で大丈夫だろうか。

 

 

 

 入学式が終わり、教室に戻る生徒たちの話題は会長の挨拶のインパクトで持ちきりだった。

 もちろん、私には関係ないが。私には、もっと重要なことがある。

 私は生徒たちの間を早足ですり抜け、1-Aへと向かう。

 後ろのドアを開け、まだ誰もいない教室へと滑り込む。出席番号が1番最後なのだから、どうせ席も1番隅だろう。その席へと座る。

 そして、再び自分の世界へと戻る。

 

 朝日六花は、本当にあの朝日六花なのか。

 一緒に弾き、一緒に歌った朝日六花なのか。

 もしそうなら、私の願いが叶うのならば、「約束」を、ちゃんと守りたい。

 確かめたい。今なら、邪魔するものはない。

 その感情に突き動かされて、勢いに任せ自分の席を立つ。

 いつの間にかクラスに数名いた生徒たちは、前で大魔王とか何とか言ってポーズを決めている竜胆色の髪の少女に気を取られていて誰も私に気付かない。

 私は確かめなくてはならない。朝日六花が、時を共にしたあの朝日六花なのか。

 今度は、心を静めることはなかった。

 開いているドアを抜け、廊下に飛び出ようとした時。

 

「ふぁぁ...ぁぁぁ...ああっ!?」

「うわっ?!」

「...っ!」

 

 孔雀色の何かと、栗皮色の何かにぶつかってしまい、プリントが宙を舞い散る。

 

「ああぁ...ぁぁあ!」

 

 孔雀色は飛び跳ね、プリントを掴もうとするが、プリントはすり抜け、彼女の手は虚空を切る。彼女が掴めなかったプリントは、ことごとく地面へと落ちていく。

 一方、栗皮色は、舞っているプリントの1枚を

 見事に掴み取り、そのまま地面に散らばっているプリントを拾おうとしゃがみ込む。

 私は、突然起こったことの処理が出来ずにその場に立ち尽くしていた。だが、すぐに落ち着きを取り戻し、2人の手助けをしようとしゃがむ。

 

「もぅ...おたんちん...」

 

 と孔雀色が言う。おたんちん。「間抜け」とかいう意味の岐阜弁。私はそれを聞き、懐かしさから笑い声を漏らしてしまう。

 何年ぶりにそれを聞いただろうか。何年ぶりに笑っただろうか。

 孔雀色と栗皮色が不思議そうにこちらを見つめる。私は自分に意識を向けられていることに気付き、慌てて首を振る。注目を集めたくない。私を、見ないで。

 栗皮色は、そのメッセージを受け取ったのか、孔雀色の方を向く。

 

「ごめんね、大丈夫? このプリント、みんなに配るの?」

「は、はい...出席番号が1番だから、先生に頼まれて...」

 孔雀色は、少しばかり緊張しながら答える。

 

「えっ、まじで?」

 栗皮色が苦笑しながら返す。

 

「ま...まじです。」

「あはは...苗字、『あ』からとか?」

「うん、」と孔雀色。「朝日、朝日六花です! よろしくね!」

 

 朝日。六花。孔雀色の髪。

 

「や...やっぱり...!」とつい口から漏れる。「やっぱり、六花ちゃんだよね...! ...ぁ、」

 

 またやってしまった。また自分に注目を集めてしまった。地震の訓練のように、机の下に潜り込みたい。私は縮こまる。

 六花ちゃんは疑問を抱いたような顔で私を見つめる。

 

「えっと...あなたは...?」

 

 

 

 その一言で、世界に亀裂が入った。

 そうか。

 覚えていないのか。

 一緒に過ごしたあの日々も、

 一緒に歌ったあの歌も。

 全部、

 忘れてしまったのか。

 

 

 

「おーい...?」

 と栗皮色が顔の前で手を振っている。

 私は我に返る。

 

「...ぁ、ごめんなさい... えっと、夜月三蕾です...よろしくお願いします…!」

 

「三蕾ちゃん...」と六花ちゃんはスマホを取り出し、メモをしている。昔からマメな性格は変わっていないようだ。

 六花ちゃんがスマホを打つ手を止め、栗皮色の方を向く。

 

「えっと...」

「あ、ごめんね。私は戸山明日香。よろしくね!」

「よろしく!」

「...よろしく...お願いします…」

 

 

 

 思い返すと、今日は朝日が輝いていた。




と、いうことで2話いかがでしたか?

バンドリ2期の1話をベースにして書きましたが、やっぱり「おたんちん...」は可愛いですね...w

前回「独自の世界線でやらせてもらう」と言いましたが、意外とキツイので「既存の世界線+独自の解釈」みたいな感じで行かせてもらおうと思います。

それと、お時間あれば評価感想頂けると嬉しいです、3話書く活力になりますw

次回は独自回で行こうかと考えてます、
「あの場所」とかも出てきますよ...!
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