5人目のAR -PAIN FOR LIBERTY-   作:めめん

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 bilibiliで連載している公式コミカライズ版の指揮官が女性で、しかも22歳という若さで「ファーwww」となっています。
 しかし、この手のゲームのメディアミックスって基本的に主人公の性別は男にされるので、これはかなり珍しいケースな気が……

 ――しかし、1話目から本文の文字数が20000字オーバーとか、自分のこの長文癖なんとかしたい……


第1章 小隊 -I want to know her-
私と彼女 by M4A1


00/

 

 

 現在時刻――0559。天気晴朗。風は無し。

 現在位置――S09地区鉄血管轄区域内指定集合ポイントA。

 AR小隊5名、全員スタンバイ完了。

 予定どおり、時刻0600をもって作戦行動開始――

 

 はあっと一度だけ軽く息を吐く。

 数日前に降り積もったまま残っている雪の影響で冷えた空気が、私の口から溢れたそれを白い煙に変えて空へと舞い上がらせた。

 この身は機械でできた人間の模造品ゆえに、本来はこのように「息を吐く」、そして「息を吸う」などという行為はする必要はない。

 しかし、私たちは可能な限り人間の動作・仕草を再現できるように作られている。できるのならばそうするに越したことはないだろう。

 なにより、私たちはもともと「()()()()()()()」ために作られた存在――それなら、外見だけでなくそれ以外の面も人間らしくあるべきだ。

 

(――それに、全く人間らしくない人形なんて、それこそ鉄血の奴らと変わらないわ)

 

 そう思いながら私は一度目を前から横に向ける。

 私のそばに立っていたM16姉さんと目が合い、彼女は普段と変わらない気楽そうな表情で手にしていたライフルを軽く上にあげた。

 

「早く行こうよ、M4! 絶品の鉄血がわたしたちを待ってるよ!」

「SOP II、いつも言っているけど、私たちは遊びに来ているわけじゃないのよ」

 

 さらにその後ろへと目を向けると、これまた普段と変わらぬ喜色を浮かべた顔でSOP IIが私を急かし、それをAR-15がやはり普段どおり咎めている。

 

 みんなこれまでと変わらない。小隊全体に何も問題は見られない。

 これなら今回の任務も問題なく最後までこなせるだろう。

 

 ――ひとつの不安要素を除いてだが。

 

「…………」

 

 私は黙って背後に振り向く。それにつられるようにM-16姉さんたちも後ろに振り向いた。

 その先には、普段私の頭を悩ませる存在が、()()()()()()()()思わずその場で頭を抱えたくなるような光景を披露していた。

 

 

「あ――」

 

 私たちの視線の先に立っている彼女の口からそのような言葉が漏れた。

 その言葉と同時に、彼女がそれまで右手の人差し指で回転させていた.45口径自動拳銃(フォーティーファイブ)――フラッシュライトを取り付けたM45A1――がポトリと音をたてて彼女の足下に積もっていた雪の中に突き刺さるように落ちた。

 それを見た彼女は、はあっとため息をつくと、軽く屈み込ながら右手でそれを拾い上げる。

 

「やっぱりオプションを付けた状態じゃ無理か……

 いや、そもそもリボルバーじゃなきゃ上手くいかないのか? オセロットのようなカッコいいガンスピンは――」

「Recce」

「ん?」

 

 ぶつぶつと独り言を呟きながら己のサイドアームに付着した雪や水滴をパーカーの袖で払い除けていた彼女の名を私は口にする。

 それによって彼女はようやく私たちが向けていた視線に気づいたようで、「あ。ヤバ……」と漏らしながら慌てて右太ももに備えていたホルスターにM45A1をねじ込み、こちらの方に向かって早足で歩いてきた。

 

「よし。行こ――うッ!?」

 

 彼女――Recceが言い終わるよりも先に、私は彼女の脳天に左手で手刀を叩きこんだ。

 それほど本気を出したつもりはないが、一瞬ゴスッと鈍い音がした。

 

「~~ッ!」

 

 私の手刀を受けたRecceは、うめき声をあげて頭を抱えながらその場に再び屈み込む。

 正直、頭を抱え込みたいのは私のほうだ。

 

「――まずはこちらの存在を悟られないように鉄血の偵察部隊を排除しつつ、一番近い奴らの司令部を占拠するわ。

 AR小隊、行動開始よ!」

「えっ!? M4、Recce置いて行っちゃうの!?」

 

 先陣を切って駆け出した私を追いかけながらSOP IIが問いかけてくる――が当然、無視する。

 とっくに時刻は6時を過ぎているのだ。本来なら数十秒前にはもう駆け出していなければおかしい。

 出遅れた分を取り戻すためにも、足を止めたり、振り返っている余裕などない。

 

「心配しなくても、あいつはちゃんとついて来るさ」

「はぁ……本当にどうしてあんな子がうちの小隊にいるのかしら……?」

 

 M16姉さんやAR-15のそんな声も背後から聞こえてくる。

 AR-15、あなたのその気持ちは私にもよくわかるわ。

 

 

 Recce Rifle。

 私たち「AR小隊」の5人目のメンバー。

 そして、小隊屈指の問題児兼トラブルメーカー――

 そんな彼女と私たち4人の出会いは、お世辞にも「良い」とは言えないものだった。

 

 ――いや、はっきり言って「最悪のファーストコンタクト」だったかもしれない。

 

 最も近い鉄血の前線司令部に向かって森林地帯を駆けながら、私はふと半年ほど前のことを思い出していた。

 

 

01/

 

 

「ゴメンね~。急に呼び出したりしちゃって……」

「いえ。こちらも特に予定はなかったので……」

 

 I.O.P社の研究練の長い廊下を私たち4人はペルシカさんの後ろに続く形で歩いている。

 研究練の奥へと通じているそこを歩いている者は私たち5人以外誰もおらず、不揃いな足音だけがただ響き渡っていた。

 

「――それで、今回はどのような要件なんですか?」

「また何か特別な任務とか?」

「う~ん……詳細な説明はここでは言えないけど、少なくともそういう類の話ではないわ」

 

 AR-15とSOP IIからの問いかけにペルシカさんはそう答えた。

 その返答に私の隣を歩いていたM16姉さんが「任務ではないのか?」と呟きながら少し驚いた顔を見せる。私も内心意外だと思った。

 

 私たちAR小隊は表向きの肩書きこそ「グリフィンの戦術人形部隊」だが、実際は「グリフィンに出向している16LAB――厳密にはその主任であるペルシカさん――が保有する戦術人形部隊」だ。

 そのため、今回のようにペルシカさんから呼び出しを受けて私たちがI.O.P社まで赴くケースの場合、グリフィンを通してではできない――すなわち、公にはできない極秘の任務などを彼女からお願いされることがほとんどである。

 新しく開発した装備のテストや、ペルシカさんが「なんとなくそうしたくなった」として私たちのメンテナンスを行ったりすることも過去にはあったが、これは全体として視ればまれなケースだ。

 

(今のペルシカさんの言い方からして、これまでのように何らかの作戦の依頼というわけではないみたいだけど……

 でも、それなら“ここでは話すことができないような内容の話”という点が引っかかるわ……)

 

 私がそのようなことを考えていると、いつの間にか私たちは長い廊下を抜けて、研究練のとある一角にある電子ロックで固く閉ざされた扉の前にたどり着いていた。

 ――このエリアは16LABに与えられた専用の研究ブロックで、I.O.P社の研究練の中でも特にセキュリティが厳重な場所である。16LAB製の戦術人形である私たちでさえ、こうしてペルシカさんの付き添いがなければ足を踏み入れることすらできないくらいだ。

 

「この部屋よ」

 

 そう言いながらペルシカさんは扉の横に備えられていた認証システムで、自分の顔と指紋、さらには目の虹彩を読み取らせて扉のロックを解除した。

 厳重なセキュリティシステムで管理されている扉が、音をたててゆっくりとスライドして開いていく。

 

「ここって……」

「なんだ……この部屋は……?」

 

 そこははっきり言って奇妙な部屋だった。部屋自体の広さに反して、備えられている設備が非常に少なかったからだ。

 部屋の真ん中にぽつんと置かれているベッドとその枕元に設置された机、そしてその上に設けられたコンピューターと数台のモニター――本当にそれだけである。

 ――さながら、研究室というよりどこかの病院の一室のようだ。

 ここがI.O.P社の研究練でなければ、「間違えて病室に来ちゃった?」などと思ってしまいたくなるほどその部屋には病室感が漂っていた。

 

「あれ? ベッドに誰か寝てるよ?」

 

 そう言ったSOP IIがベッドに近づいていく。

 彼女のその言葉で、私もベッドの上に誰かが寝かされていることに気がついた。

 

「――えっ?」

「? どうしたのSOP II――ッ!?」

「これは……」

 

 ベッドに寝かされている者の顔を最初に覗き込んだSOP IIの動きがピタリと止まり、それを不思議に思った私が続けて相手の顔を見た。そして驚いた。

 隣に目を向けると、M16姉さんとAR-15も同じく自らの顔に驚きの色を浮かべている。

 

「M4……よね?」

 

 AR-15の口からそのような疑問の声が漏れる。

 そう。ベッドの上に寝かされていたのは、私と瓜二つ――いや、()()()()()()()()姿()()()()戦術人形だった。

 髪や肌の色、体形や身長など、全て私そのものな存在が、その体にかけられた白いシーツ1枚を除いて一糸まとわぬ姿でそこにはあった。

 目は閉じられていたため瞳の色まではわからないが、おそらくそこも私とまったく同じ色をしているだろう。

 

「これってダミー?」

「いや違うな。こいつは紛れもなくオリジナルだ。

 だが――」

 

 SOP IIの問いにM16姉さんがすぐさま答え、そして言葉を詰まらせる。

 M16姉さんが言ったとおり、目の前で寝かされているソレはダミーではなく、正真正銘オリジナルの戦術人形だ。

 しかし、()()()()()()()()()()()()()という確信が、なぜか私の中にあった。

 その様子からして、おそらくM16姉さんも同じ確信を抱いているのだろう。

 

「驚いた? まぁ、驚くわよね?」

 

 まるで悪戯が成功した子供みたいな笑みを浮かべるペルシカさん。

 ここにきて私たちは、今回彼女に呼ばれた理由が目の前のソレであることに気がついた。

 

「ペルシカさん、これは……いえ、この子はいったい……?」

「この子は“影武者”よ」

「カゲムシャ?」

 

 突然ペルシカさんの口から飛び出した単語(ワード)を思わず疑問形で復唱してしまう。

 影武者――私の記憶モジュール内に存在するデータによると、主に日本の侍の間で用いられていた、敵や味方を欺くために対象の身代わりとなる人物のことだという。

 ――正直、身代わり前提であることを除けばダミーと大して変わらないような気もする。

 

「そう。この子はいわば“M4の代用品”――“M4の予備”ってところね」

「予備――ですか?」

 

 再び疑問の声を漏らしたAR-15に対してペルシカさんは黙って頷き、改めて口を開く。

 

「この先、AR小隊には今まで以上に困難な作戦に就いてもらうことが多くなると思う。だから予め保険を用意しておくことにしたの。

 あなたたちはみんな替えがきかない特別な存在だけど、その中でも隊長であるM4は“戦術人形でありながら戦術人形を指揮できる”という点から特に重要。今後の鉄血との戦いにおいては、いの一番にM4が狙われる可能性がある――」

「だからこの子を作ったってわけ?

 ()()()()()()()()()M()4()()()()()()が必要だと思って……」

「そういうこと。

 だけど、ただダミーと同じことをやらせても意味がないから、この子にはM4と同等の能力を与えるだけでなく新しいAIを一から作って組み込んであるわ。

 M4の身に()()()()()のことが起こった場合、この子を“AR小隊の隊長である戦術人形M4A1”として振舞わせて、敵も味方も欺くためにね。

 だからこの子は“M4の影武者”であり“M4の代用品”であり“M4の予備”なのよ」

 

 SOP IIの言葉を交えつつ、ペルシカさんは淡々と私たちに目の前で眠り続ける私の姿をした少女について説明していく。

 上からは当初、私のAIを複製したものを搭載すべきだなどと言われたらしいが、それだけはどうしても嫌だったという話を聞き流しながら、私は再びベッドの上に目を向けた。

 

 ダミーではないオリジナルでありながら、ダミー同然の役割を与えられた人形――

 私とは違う存在(AI)でありながら、その時が来れば()()()()ことを義務付けられた存在――

 

(それはもう“オリジナル”とも“ダミー”とも呼べないんじゃないかしら?

 この子本来の姿は――この子本来の存在は――この子にとっての“自己”はあるの……?)

 

 人形であるとはいえ、生まれた時点で「自分」という存在がほぼないに等しいであろう少女――その頬に私はそっと触れた。

 まだ一切稼働していないその体は非常に冷たく、「眠っている」というより「死んでいる」と称したほうがしっくりくる気がした。

 

「――ペルシカ……じゃあ、こいつは……」

「ええ。この子、今日からAR小隊のメンバーに加えるから。よろしく♪」

 

 視線を上に戻すと、M16姉さんとの話を終えたペルシカさんがその顔に笑みを浮かべていた。

 彼女のその笑顔は私たちもすっかり見慣れたものであったが、私にはなぜかそれがあくどいものに見えた。

 

 

02/

 

 

「――今その子の電脳を起動させたわ。

 数分もしないうちにAIやメンタルモデルも本格稼働して目を覚ますでしょう」

 

 ベッドのそばに備えられていた机の上のコンピューターを軽く操作したペルシカさんのその言葉に、私たちはまたしても少女の顔を覗き込んだ。

 考えてみれば、私たちはこれまで多くの戦術人形を見てきたけれど、みんなその誕生の瞬間に立ち会ったことなど一度もなかった。

 それゆえか、目の前の少女の覚醒(目覚め)を私たちはどこか「緊張」とも「期待」ともとれる奇妙な感情を各々その顔に浮かべながら待つ。

 

「あっ! 今少し瞼が動いたよ!」

 

 SOP IIが興奮しながら少女の目元を指さす。

 

「うるさいわよSOP II。こういう時ぐらいは静かにしなさい」

 

 AR-15がSOP IIを咎めるが、彼女の声もどこか普段とは違って若干興奮気味だ。

 ――どことなくその顔も喜んでいるように見えるのは私の気のせいではないだろう。

 

「M4」

「はい?」

 

 ふいに私の隣に立っていたM16姉さんが声をかけてきた。

 

「どんな気分だ?

 自分とまったく変わらない姿をした戦術人形の誕生の瞬間に立ち会っている今の心境は?」

「――よくわかりません。緊張しているのか、興奮しているのか、それともまた別の感情なのか……

 例えるなら、まるで自分が生まれた時の記憶が突然客観的な視点でフラッシュバックしているような――そんな感じがします」

「そうか……」

 

 口元に薄く笑みを浮かべながらそう呟いて、M16姉さんは視線を再び少女の方に戻した。

 それにつられるように私も視線を下ろす。

 それとほぼ同時に、少女の両目の瞼がピクピクと痙攣するように動き始めた。

 目覚めの時が刻一刻と近づいてきている――

 

 

「あ……」

 

 ――やがて、そのような言葉を漏らしながら少女がその両目をゆっくりと開いた。

 その瞳は予想どおり私のそれと同じ色をしていた。

 しかし、同じ色なのにどこかその瞳からはがらんどうとした――空虚な雰囲気を感じたのは、単に私の気のせいなのか、少女がまだ生まれたばかりだからだろうか。

 

「…………」

 

 私たちは黙って目を開けた少女の瞳を見つめる。

 戦術人形――人の手によって生み出された機械(もの)であるとはいえ、ひとつの生が覚醒した瞬間を目撃した私は、さながら神の御業を見た信徒のような気分だった。

 

 少女の瞳が動き、私たち1人1人と順番に目を合わせていく。

 そして、一通り目を合わせ終わると再び視線を天井へと向けた。

 

「…………」

 

 少女はわずかに口を開いたままなにも言葉を発さず、黙って天井を見つめ続けている。

 もしかしたらメンタルモデルが稼働し切っていないのかもしれない。

 このままもう少し様子を見よう――と思った矢先、少女の口がかすかにだが動いた。

 

「こ、こは……?」

 

 ――やはりメンタルモデルが稼働し切っていないようだ。

 戦術人形は自分たちやグリフィン、I.O.P社や鉄血に関する情報は一通り記憶モジュール内に予めデータとしてインプットされている。

 だから当然、今自分がいる場所や目の前にいる私たちのことだって本来ならば彼女は知っていなければおかしいのだ。

 彼女は今ここがどこであるかわからない旨の発言をした。つまり、それはまだ彼女のメンタルモデル内にある記憶モジュールが本格的に動いていないことを意味する。

 

「――みんな、そろそろ離れたほうがいいわよ」

「えっ?」

 

 突然、少し離れた場所から様子を見ていたペルシカさんが私たちに対しておかしなことを言ってきた。

 思わずみんなでベッドの上の少女からペルシカさんの方に目を向けてしまう。

 

(離れたほうがいい? どこから? ベッドから?

 それとも――いや、そもそもなぜペルシカさんはそんなことを?)

 

 私たちが不思議に思っていたその時、それは起こった。

 

 

「あ……あ、あ……」

「ん?」

ああああああああああッ!

「うわっ!?」

「な、なになに!?」

 

 ――突如として少女が自らの頭を両手で抱え込みながら叫び声をあげ、そしてその場で暴れだしたのである。

 叫び声は徐々に大きくなり、暴れている少女の動きも時間が経つにつれて激しさを増していく。

 その手で時に頭を、時に胸元を激しく掻きむしり、両足は時に虚空を蹴り上げ、時に自らが寝かされていたベッドを激しく蹴り叩く。

 

「――ッ!」

「あっ!? 危ない!」

 

 ――やがて、自らの体にかけられていたシーツごと少女はベッドから転がり落ちた。

 しかし、床に激突する寸前のところでM16姉さんとSOP IIが2人がかりで彼女の体を受け止める。

 

「大丈……夫じゃないね、これ」

 

 少女に声をかけようとしたSOP IIであったが、2人の腕の中でも少女はまだ叫び、暴れ続ける。

 SOP IIたちは少女の腕を取り、なんとか彼女を抑え込もうとした。

 

「お、落ち着けって……な?」

 

 M16姉さんがぎこちなく笑みを浮かべながら少女をなだめるが、一向に治まる様子はない。

 むしろ、さらに激しさを増しているように見える。

 

「がふッ!?」

「M16!?」

「M16姉さん!?」

 

 暴れ続ける少女の足が運悪くM16姉さんの頬に当たり、その顔を蹴り飛ばした。

 明らかにクリーンヒットしていたが、それでも倒れずに踏ん張ったのはさすがだ。

 

「M4! 私たちも!」

「え、ええ!」

 

 AR-15とともに私も暴れ続ける少女の体を押さえつけるのに加わった。

 私が右足、AR-15が左足、SOP IIが右腕、そしてM16姉さんが左腕を押さえるという形になる。

 

「M16姉さん、大丈夫ですか?」

「ああ。しかし、こいつはいったいどうしてしまったんだ?」

「――暴、走……」

 

 私は四肢を押さえつけられながらも未だに暴れるのを止めない少女をチラリと見やりながら、思わずそう呟いた。

 暴走。そう、「暴走」だ。

 目を覚ました途端、これほどまでの狂乱状態に陥るなんてそれ以外にあり得ない。というより、それ以外になんと呼べばいいのか。

 原因こそわからないが、少女は自らのメンタルモデルが本稼働したと同時に暴走した――これは疑いようがない事実だ。

 

う、ぎ……が……

「あっ……」

 

 ――少女の体がビクンと一度大きく跳ねたと思うと、急激に力が抜けていき、それに比例するかのように一定のテンポでその体を痙攣させた。

 そして、体から完全に力が抜け切れると同時に再び大きく一度だけ跳ね上がると、彼女はぐったりと床に横たわり動かなくなった。

 私たちは一瞬、少女が死んでしまったのかと思い焦ったが、肩で息をしていることに気づき胸を撫で下ろした。

 

「やれやれ……ようやく落ち着いたか……」

「で、でも、この子本当に大丈夫かな?」

 

 M16姉さんとSOP IIが話をする傍ら、私は少女の様子を確認するために今一度その顔を覗き込んだ。

 先ほどまでは打って変わって、その顔は乱れに乱れ、汗と涙と鼻水と涎でぐしゃぐしゃになっていた。目は焦点があっておらず、どちらもあさっての方向を向いてしまっている。

 ――本当に、この少女に何が起きたというのだろうか?

 

「――日本のことわざに“二度あることは三度ある”って言葉があるらしいけど、確かにそのとおりだったみたいね……」

「ペルシカさん?」

 

 またしてもペルシカさんが意味あり気な言葉を吐いた。

 同時に、私は彼女が先ほど少女がこうなることをわかっていたかのような発言をしていたことを思い出した。

 

「…………」

 

 私たちは何も言わず、ペルシカさんに対して「説明しろ」という意味を込めた視線を向けた。

 ペルシカさんは私たちが向けた視線の意味を察したようで、一度ため息をつくと観念したかのような様子で再び口を開いた。

 

「わかったわかった。ちゃんと説明するから……」

 

 両手で私たちを宥めるような素振りを見せながらペルシカさんはゆっくりと語り始める。

 

「実はその子を目覚めさせたのは今のが初めてじゃないの。過去に2回起動を試みていたのよ」

 

 どちらも失敗したんだけどね、と付け加えながら、ペルシカさんは再び机の上のコンピューターの前に立つ。

 

「――これを見て。これが今回の彼女のこれまでのメンタルモデルの状態。こっちが1回目の起動時のもの。そしてこっちが2回目のよ」

 

 そう言いながら、ペルシカさんは私たちにモニターのひとつの画面を見せる。

 そこには少女のメンタルの状況を表す波長が3つ表示されていた。

 3つとも特に違いは見られない――が、数秒ほど眺めていたところで、AR-15があることに気がついた。

 

「――ねぇ、これおかしくない?」

「おかしい?」

 

 モニターに近づいたAR-15が一番上の波――すなわち今の彼女のメンタル状況を指さした。

 

「その子、つい今しがたまであんなに荒れ狂っていたのに、メンタルモデルが稼働してからまったく乱れてない。

 普通、あれだけ狂乱していたのなら波長だって激しく乱れていないとおかしいわ」

「ッ!」

 

 確かにそのとおりだ。モニターに表示されている波長はどれも穏やかな波を形成している。つまりは正常――「なにも問題はない」ということだ。

 だが、実際の少女は先ほど自分たちの前で「暴走」と呼んだほうがしっくりくるほどの狂乱ぶりを見せた。

 それなのに――なぜ彼女のメンタルモデルは正常値を示しているのだ?

 

「どういうことなんだペルシカ?」

「それが私にもわからないのよ。過去2回試みた起動でも今みたいに目を覚ましてすぐに暴れだして……」

 

 そう言いながらペルシカさんが前髪をかき上げながらモニター画面をじっと見つめる。

 ――その顔はどこか悔しそうだった。おそらく、本当に彼女にも理由がわからないのだろう。

 

「しいて言うなら……ここね。2回目の時と今回の。この2つの波のここだけ若干の乱れがあるでしょ?

 これ――暴れていた彼女の体が突然跳ね上がってからの状況なんだけど、このほんの数十秒間だけメンタルに多少の乱れが生じているの。

 タイムラグ……というわけではなさそうだし……本当、いったいどうなっているのかしら? さっぱりだわ」

 

 お手上げと言わんばかりのジェスチャーをしながら、ペルシカさんは言う。

 彼女が指さしたモニターの一点には、確かに2つの波にそれまでには見られなかった多少の乱れがあった。

 ただし、「乱れ」といっても本当に「多少」と呼ぶレベルで、気にしなければそのまま見過ごしてしまうであろうほどのものだ。

 

 ――ここで、ふと気になったことを私は尋ねてみた。

 

「ペルシカさん、1回目の起動の際はこのような波長の乱れは見られなかったんですか?」

「あぁ、1回目の起動時は暴れだした時点で危険と判断して外部操作で強制的に電脳を停止させたの。

 だからその時はそこまでには至らなかったのよ」

 

 強制停止しなくても2回目や今回と同じ結果になっただろうけど、と言うペルシカさんに対して、私は「なるほど」と納得の意を伝えつつ頷いた。

 

「――あれ? 2回目と今回のケースが同じなら、なんで2回目に起動した時にそのままにしておかなかったの?

 別に電脳を停止させる必要も意味もないじゃん?」

「それもこれから説明するわ」

 

 SOP IIが口にした疑問に対して、ペルシカさんはモニター画面に映る波長を消しながら答えた。

 ――その言葉と同時に、ペルシカさんがその身にまとっていた雰囲気が一気に変わったような気がした。

 

「先に言っておくけど……これから先、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「えっ? それはどういう……」

 

 私が言い終わるよりも先に、ペルシカさんは机の引き出しの中からあるものを取り出した。

 

 

 ――それは、紛れもなく自動拳銃(ハンドガン)だった。

 

 

03/

 

 

 なぜペルシカさんは突然銃を取り出したのか――私には意味がわからなかった。

 M16姉さんたちの方に目を向けてみると、みんな私同様状況が理解できていないようだ。

 

 銃を手にしたペルシカさんは、未だに床の上に力なく寝っ転がっている少女に近づくと、できるだけ彼女に顔を近づけようとその場にしゃがみ込んだ。

 

「おはよう」

あ……

 

 そして、うっすらとその顔に笑みを浮かべると、少女に語りかけた。

 声をかけられたからか、それまで焦点が合っていなかった少女の目がペルシカさん一点に向けられる。

 

「突然だけど……これが何かわかるかしら?」

 

 そう言ったペルシカさんは、手にしていた銃を少女の目の前に見せ、やがてそれを彼女の右手に握らせた。

 

「…………」

 

 少女の目は己の右手――そこに握られた黒光りする一丁の銃に釘付けになった。

 ――Beretta 92FS。「M9」という名称でも呼ばれる9mm自動拳銃の中でもポピュラーなハンドガンのひとつだ。

 

 ――少女は無言で上半身をゆっくりと起き上がらせた。

 そして、左手で銃の各所に触れ、その目で銃の側面やスライド部を確認していく。

 

 ――マガジンキャッチが押され、マガジンが自重で落下していく。

 少女はそれを左手で受け止めると、その中をじっと見つめた。

 

 ――マガジンの中には9mm弾がしっかりと籠められていた。

 

「…………」

 

 無言のままマガジンを銃に装填し、そのまま左手でスライドを引く。

 これでセーフティが外されれば弾を撃てる状態となった。

 

「…………」

 

 ――だが、それから少女はまたしても静止してしまい、自分の手に握られている銃をじっと見つめ続ける。

 そのまま10秒――いや、数十秒――いや、1分以上にわたり部屋がシンと静まり返った。

 

 

「――ッ!

 

 

 ――静寂の終わりを告げたのは、やはりその元凶である少女であった。

 先ほどの暴走が治まった時のように、彼女の体がまたしても一度大きく跳ね上がる。

 すると次の瞬間――

 

「!? ペルシカさん!」

 

 

 ――少女は突然立ち上がり、持っていた銃をペルシカさんに向けた。

 

 

 私はすぐさまペルシカさんを守ろうと彼女の前に自らの身を滑り込ませようとした。

 しかし、ペルシカさんと一瞬だけ目が合ったことで、それを躊躇してしまう。

 

 ――私は「手を出さないで」と言ったはずよ?

 

 ペルシカさんの目がそう言っていたからだ。

 

 隣に視線を向けると、M16姉さんたちもペルシカさんと少女の間に立とうと身構えているが、先ほどのペルシカさんの言葉から動くに動けないでいる。

 完全に皆、ペルシカさんと少女の事の成り行きを黙って見守ることしかできない状況だ。正直これはかなりまずい。

 

「――何をした……?

 

 少女の口がゆっくりと動き、言葉を発する。

 顔をやや俯かせながらの発言だったため、長く伸ばされたその髪に隠される形でその表情まではわからないが、どこか掠れた声だった。

 

お前、俺に何をしたッ!?

 

 だが、その叫びとともに勢いよく少女が顔を上げたため、その表情が露わとなる。

 

 

 ――その顔は先ほど同様、汗や涙などでぐしゃぐしゃになっていたことに加え、見るからにわかる激しい怒りの表情で歪みに歪んでいた。

 

 

「――ッ」

 

 私は少女の顔を見た途端、思わず後ずさりそうになった。

 自分と同じ顔のはずなのに、あそこまで憎悪を剥き出しにできるものなのかとわずかばかり恐怖を抱いたからだ。

 

「AIを改善しただけよ。それ以外特に何もしていないわ」

改善……? AI……?

 

 銃を向けられていても平然としているペルシカさんからの返答に、少女の表情が変わる。

 怒りで歪んでいたその顔が、わずか数秒でぼう然としたものとなった。

 どうやら少女はペルシカさんが口にした言葉の意味を理解できていないようだ。

 

「その都度メモリーを消去したから覚えていないでしょうけど、あなたが目覚めたのは今回で3回目。

 1回目は先ほど同様、起動とほぼ同時に発狂したかの如く暴れまわったから外部操作で強制停止――

 2回目も1回目同様暴れまわったけど、様子を見るために止めずにいたら、私に飛び掛かってその両手で首を絞めかけてきたからこれまた強制停止――

 そして3回目となる今回は私に対してこうして銃を向けてきた――本当、手のかかる子だわ」

 

 やれやれといった感じで、ペルシカさんが苦笑いを浮かべながら首を軽く左右に振る。

 

な、何を言って……?

「――私が言っていることの意味がわからない? そんなことはないでしょ?

 あなた自身が何者であるか、どのような存在であるのか、それに関する情報も記憶モジュール内にしっかりと入れてあるんだから……」

記憶モジュール……? “入れてある”……?

 お前、本当に何を言って――グッ!?

 

 少女の足が突然ガクンと曲がり、その場で膝立ちになる。

 

あ……ああ……!

 

 そして、右手に握られた銃こそペルシカさんに向けたままだが、左手で自分の頭を抑え込みながら、その身をガクガクと震わせはじめた。

 

「――バカね。あなたたちは元から人間を攻撃することはできないようにプログラムされているんだから、私に殺意剥き出しで銃を向けたらいずれそうなるに決まっているでしょ?

 プログラムに逆らってまでこちらに銃口を向け続けるその意志の強さは称賛に値するけど……」

ぐうぅ……!

 

 呆れたような表情で少女を見下ろすペルシカさんと、そんな彼女を再び憎悪剥き出しの顔で睨みつける少女。

 正直、銃を突きつけられているのに普段と変わらぬ様子のペルシカさんもペルシカさんだが、「人間を傷つけてはならない」という戦術人形に科せられた絶対命令に逆らい続ける少女も、はっきり言って異常だ。

 プログラムにより体はペルシカさんに向けている銃を下ろそうとするが、それを己の意志で無理矢理阻止しようと足掻き続けている。

 そのようなことを続けていれば、最悪メンタルモデルや電脳が過負荷を起こして崩壊する可能性だってあるというのに――

 

「――ともかく、せっかくみんなに来てもらったのに、肝心のあなたがこんな調子じゃ話が進められないでしょ?

 みんなに挨拶――()()()()()()()()

ッ!?

 

 またも少女の体がビクンと跳ね上がり、頭を押さえていた左手がだらんと垂れ下がった。

 直後、相変わらずその体を震わせ、右手に握る銃はペルシカさんに向けたままであるが、少女の体が再びゆっくりと立ち上がる。

 そして、今にも体からギギギと音でもたてそうなほどぎこちない動作で、顔をこちらに向けてきた。

 

 ――正直怖い。

 というより、ペルシカさんはこんな状況で私たちの方に目を向けないでほしい。

 ペルシカさんの目線につられるように私たちの方に向いた少女――ペルシカさんに向けているものほどその顔に怒りは浮かべていなかった――と目が合った。

 先ほどまでは空虚なイメージがあったその瞳は、今はまるで死んでから相当な時間が経過して鮮度がガタ落ちした魚の目か、適当な色を大量に混ぜた絵具のごとく濁りに濁っていた。

 

「――Recce Rifle……です……

 

 

 ――Recce Rifle。

 途中からまた声が掠れてしまっていたが、少女は確かにそう名乗った。

 

 

銃種はアサルトライフル……

 役割は……役、割は――違うッ! 俺はッ!

「!?」

 

 先ほどのように少女――Recce Rifleが突然叫び声をあげる。

 そして、そのままその場に勢いよく崩れ落ちると、額を床に擦りつけながら両手で再び頭を抱え込む。

 ――右手は未だに銃を握りしめたままであるが。

 

違う……違うんだ……戦術人形なんかじゃ……

 俺は……俺は……

 

 声自体が小さく、おまけに掠れていたためRecce Rifleの口から漏れている言葉ははっきりとは聞こえなかった。

 しかし、彼女が自分自身にかかわる“()()”を否定していることだけははっきりとわかった。

 

「え、えっと……大丈夫、Recce Rifle?」

 

 とりあえず、このままにしておくわけにもいかないと思い、私はRecce Rifleに近づくと、その場に屈み込んで彼女の肩に軽く手を置いた。

 

「――ッ!?

 

 またまた跳ね上がるRecce Rifleの体。

 そして、彼女の顔がゆっくりと私の方を向いた。

 ――やはりその瞳は濁りに濁っていた。

 

「お前は……M4A1か……?」

「え、ええ……」

 

 Recce Rifleの口から発せられた言葉は先ほどまでとは違い、掠れていないはっきりとしたものだった。

 

「――“お前の代わり”。それが今の俺……

 最悪の場合、お前の代わりに犠牲になることも辞さない――それが俺の使命……らしい……」

 

 淡々とRecce Rifleは私に対して己に与えられた役割を語っていく。

 どこかその口調は外見的に似つかわしくない――男性的な話し方だったが、私はあえてそれを気にせずに黙って彼女の話に耳を傾けた。

 

「使命……だが――」

 

 その言葉とともにRecce Rifleの口がピタリと止まった。

 私はどうしたのかとわずかばかり首をかしげる。

 

「M4!」

「――ッ!?」

 

 背後からM16姉さんの声が聞こえたのと同時に、Recce Rifleの左手が私の右肩をがっしりと掴んだ。

 そして、そのまま勢いよく彼女に押し倒される。

 ――彼女の右手に握られていた銃の銃口が私の視界のど真ん中に映った。

 

「やめろ貴様!」

「Recce Rifle!」

「M4、逃げて!」

 

 すぐさまM16姉さんたちが飛び掛かり、私に銃を突き付けていたRecce Rifleを押さえつけた。

 右腕と頭をM16姉さんが、左腕をAR-15が、両足――というより下半身をSOP IIが押さえこみ、右手に握られていた銃は私の前に転がった。

 

M4……A1……!

 

 M16姉さんに頭を無理矢理床に擦りつけられていたRecce Rifleの目が再び私の目と合った。

 

 

「誰がお前なんかのために死んでやるもんか。俺は俺だ――!」

 

 

 その言葉を口にすると同時に、Recce Rifleはガクリと意識を手放した。

 

 

04/

 

 

「いやぁ、またまた暴れられたら困るから体内の電力をあえて10分程度で切れる量だけしか入れてなくってよかったわ」

「ペルシカ、こんなことになるんだったら最初からそう言ってくれ……

 私は殴られ損――いや、蹴られ損だし、最後のははっきり言って肝を冷やしたぞ?」

 

 電力不足により強制的にスリープモードに移行したRecce Rifleをベッドの上に戻しながら能天気に話をするペルシカさんに対して、M16姉さんはため息をつくとそう言った。

 

「――しかし、なんだってそいつはM4に銃を向けたんだ?

 いや、むしろ自らに与えられた使命に真っ向から反逆する意思を見せるなんて……」

 

 戦術人形としては考えられないことだ、と付け加えながらM16姉さんは腕を組みながら考え込む素振りを見せる。

 それには私も同感だ。

 戦術人形が人間から与えられた命令に歯向かう――命令自体を拒否するなんて普通は考えられないし、あり得ない。

 人間に反逆の意思を示す人形なんて、それこそ鉄血の奴らと変わらないじゃないか。

 人間のために戦い。人間と共にあるのが私たちだというのに――

 

(だけど……)

 

 私はベッドの上に再び寝かされたRecce Rifleの顔を見る。

 ――先ほどとはまったく異なり、そこには穏やかな寝顔を浮かべる私とまったく同じ顔があった。

 

「――M4のものをベースにAIを組んだからかしら?

 繰り返し言うけど、あなたたちは全員特別な存在。その中でもM4は特に特別だから……」

「そういうものなの、AR-15?」

「いや、私に聞かれても……」

 

 ペルシカさんたちの会話をよそに、私は1人思考する。

 

(この子――Recce Rifleは“もう1人の私”として作り出された存在。

 だから私は、この子には“自己”という概念が希薄だと――ないと思っていた……

 だけど、それは私の勝手な思い込みだった。この子には確かに“自己”が存在する。

 私とは違う――“もう1人のM4A1”ではなく、“Recce Rifle”という1人の戦術人形としての意思がある――)

 

 脳裏に蘇るのは、先ほどRecce Rifleの口から出た言葉。

 

 

『誰がお前なんかのために死んでやるもんか。俺は俺だ――!』

 

 

 ――そうだ。そのとおりだ。

 

(この子はRecce Rifle。(M4A1)じゃない。

 私じゃないのならば、私なんかのためにわざわざ己を犠牲にする必要なんてない――!)

 

 人間に反抗的――というより「反抗心剥き出し」と称したほうが正しい――な点は考えものだが、私はRecce Rifleの意思を尊重したい。

 AR小隊の隊長としてではなく、16LAB製の特別な戦術人形だからでもなく、1人の戦術人形M4A1として私はこの子の意思を――この子を守りたい!

 

 

 私は視線の先をRecce Rifleから己の右手に変えた。

 今そこには、先ほどRecce Rifleがペルシカさんや私にその銃口を向けてきた92FSが握られている。

 

 ――銃のセーフティは()()()()()()()()()()()()()

 単にRecce Rifleが解除するのを忘れていただけか、「人間や仲間を傷つけてはならない」とプログラムが働いたからかもしれないが、私はひとえにそうだと断定する気は湧かなかった。

 戦術人形に科せられた絶対命令に抗うほどの意思の強さを見せた彼女が、「銃を撃つのにセーフティを外さない」程度のミスをするとは思えなかったからだ。

 

「…………」

 

 92FSから黙ってマガジンを抜き取る。

 ――やはりそこには十数発の9mm弾が籠められていた。

 

「ペルシカさん」

 

 銃とマガジンをベッドの片隅に置きながら、私はペルシカさんに声をかけた。

 私の呼びかけに未だに話を続けていたペルシカさんのみならず、彼女と話していたAR小隊のみんなの顔が私の方に向いた。

 

「なに、M4?」

「この子――Recce Rifleはこの後どうなるんですか?」

「そうねぇ……

 まぁ、無事とはいかなかったけど起動自体は成功したから、AIの一部を再調整したうえで改めて起動させるわ。

 その後、あなたたちにこの子の面倒を見てもらうことになるわね」

「なっ!? 正気ですかペルシカさん!?」

 

 ペルシカさんの言葉にAR-15が驚きの声をあげる。

 おそらく彼女は先ほどのRecce Rifleの様子から彼女をAR小隊に加えることに反対なのだろう。

 まぁ、あのようなことが起きた後なのだから、反対する理由もわからなくはない。

 

「言ったでしょ、『再調整したうえ』って?

 今後はさっきみたいなことは起きないようにするから安心してちょうだい」

「それでも不安なんですけど……?」

「諦めろAR-15。ペルシカは一度そうと決めたら真っ当な理由でもない限りは考えを変えない。

 それに、私たちにそいつの面倒を見させるっていうのは、要は私たちの手でそいつを“私たちの仲間に相応しい存在”に育て上げろってことだろ?」

「ええ。そうなるわね。だから当分の間はグリフィンに出向して前線任務に就いてもらう必要はないわ。

 このことはすでにクルーガーにも伝えてあるし、了承は得てるから、しばらくはみんなうちの戦術人形寮で過ごしてもらうことになるわね」

 

 ここに来てグリフィンのトップであるクルーガーさんの名前が出てきた。

 ということは、Recce Rifleが生み出されたのはペルシカさんや16LABの独断によるものではないということだ。おそらくグリフィンの上層部も関与していると考えていい。

 ――単にペルシカさんとクルーガーさんが旧知の仲なので、グリフィンは関係なく個人的なコネでRecce Rifleの製造を認めさせた可能性も大いにあるが。

 

「やったね! 前線に出なくていいってことは、しばらくはお休みってことじゃん!」

「SOP II、あなた聞いてなかったの? あくまでも“前線任務に就かなくていい”ってだけで、私たち()()の面倒を見なくちゃいけないのよ?

 正直、戦場で鉄血の連中と殺し合いしていたほうがまだマシかもしれないわ」

「まあまあ、そう言うなよAR-15。

 さっきの一件でお前があいつのことを警戒するのはもっともだが、仲間が増えるのはいいことじゃないか?

 ――しかし、戦闘狂のお前が前線を離れることを喜ぶなんて意外だなSOP II?」

「確かに鉄血の奴らをメッタメタのギッタギタにしてやるのは大好きだけど、わたしだってたまには休みたいよ」

 

 AR小隊の面々が、各々の会話を交わしているのを横目に、私は改めてペルシカさんに声をかける。

 

「ペルシカさん、Recce Rifleのことでひとつだけお願いがあるのですが、よろしいでしょうか?」

「ん? あなたがそんなこと言うなんて珍しいわね?

 ――まぁ、聞くだけ聞くわ。承諾できるかどうかは内容によるけど」

 

 私は「ありがとうございます」と一言口にすると、自らのお願い(ワガママ)をペルシカさんに伝えた。

 ――考えてみれば、確かにペルシカさんの言うとおり、私がこのようなことをするのは非常に珍しいことだと思う。

 

 

「Recce Rifleのメモリーから今回の件に関する内容を一切消去したり、改ざんしたりしないでもらえませんか?」

 

 

05/

 

 

 第3セーフハウスの研究室跡は、今やすっかり炎と瓦礫の山と化していた。

 代理人の攻撃――おそらく榴弾だろう――により文字どおり吹っ飛ばされてしまったことが原因だ。

 セーフハウスに単独で強襲をかけてきた「代理人(エージェント)」自体はM16姉さんが倒してくれた――恥ずかしいことに私はその代理人にやられそうになった――が、研究室跡の現状からして、もはやここに留まり続けるのは危険だろう。

 目的のデータもなんとか全て回収することができた以上、急いで外で戦っているSOP IIたちと合流して撤退しよう。

 

 外はどうなっているだろう、と私が思いかけたところで、研究室跡の出入口の扉を蹴り破ってSOP IIがAR-15を連れて戻ってきた。

 

「戻ったよ! セーフハウス周辺の敵は一通り片づけたから急いで撤退しよう!」

「鉄血の増援がこっちに向かってきてる。これ以上戦闘を続けるのは危険すぎるわ」

 

 SOP IIたちの報告を聞き、撤退の了承の意を伝えると、私は代理人との戦闘で負った損傷(ケガ)をM16姉さんに手伝ってもらいながら修復しつつ現状を確認していく。

 ――と、ここで()()がいないことに気づく。

 

「そういえばRecceは?」

「えっ? まだ屋上にいるんじゃないの?」

「まったく、あの子は……」

 

 私がため息をつくと、それに合わせるかのように通信が入った。

 

『M4、生きてる? なんかさっき下で爆発があったみたいだけど……』

「――噂をすればねRecce。データの回収は終わったから急いで撤退するわ。

 SOP IIとAR-15はすでに戻ってきている。あとはあなただけよ」

『あぁ、そう。それじゃあ私も急いでそっちに行くね。

 ――あ。そうだM4、その前に言っておかなきゃいけないことがあった』

 

 今は時間が惜しいので通信を切ろうとしたところでRecceから呼び止められる。

 

「なに? 時間がないから手短に話して」

『実は今、近くにいたグリフィンの部隊と連絡とってた。

 さっきSOP IIたちが待機状態だったところを無理矢理戦場にぶち込んだ子たちと――』

「はあっ!?」

 

 ――本当になに勝手なことをしているの、この問題児は!

 なにか余計なことを口にしていなかったでしょうね!?

 

『それでだけど、私たちの撤退の支援を確約してくれたよ。喜んで私たちのために捨て駒になって死んでくれるってさ。

 ――せっかく身勝手な人間の手から解放されたっていうのに、自由を謳歌することよりも死ぬことを選ぶなんてバカみたいだよね』

「ちょっとRecce! 撤退の支援をしてもらえるのは嬉しいけど、相手に対してそんな言い方はないでしょ!?」

 

 あぁ、もう! これだからこの子は――!

 この子が筋金入りの人間嫌いなのはもはや私たちには承知の事実だが、歯に衣着せないそのスタンスはどうにかならないの?

 それと、戦術人形を本質から否定するような発言をするのも本当にやめて。

 私たちは本来人間がいなければ何もできない、文字どおり「人形」であることをあなたは忘れすぎだから――

 

『あぁ、あたしたち全然気にしてないから大丈夫だよ?』

「!?」

 

 突然、通信に聞き慣れない声が割り込んできた。

 誰!? まさか鉄血の新たなハイエンドモデル――!?

 

『――あ。ゴメン。驚かせちゃったね。

 あたしはVz.61、通称“スコーピオン”。支援部隊のひとつS61編隊のリーダーだよ』

『あ……その……PPSh(ペーペーシャ)-41です。同じく支援部隊のひとつを率いてます……』

『StG44。以下同じですわ』

 

 次々と通信に割り込んで自己紹介していく見知らぬ戦術人形たち。

 どうやら皆、先ほどの戦闘で私たちを支援してくれた各々の部隊の隊長のようだ。

 ――実際は本来の部隊から見捨てられてこのエリアに待機状態で放置されていた彼女たちを、M16姉さんの案で無理矢理私たちの指揮下に組み込んで支援部隊としていたというのが正しいが。

 

「え、えっと……この通信ってグリフィンのオープンチャンネルでしたっけ?」

『ごめん。私がM4の周波数教えた』

「ちょっ!?」

 

 本当に何やっているのよ、この子!

 私たちの各々の通信周波数は16LABが用意した専用のもので、グリフィンでも知っている人たちは限定されているっていうのに!

 あぁ、帰還したらペルシカさんに報告して新しい専用チャンネルを用意してもらわないと……

 

『とりあえず、すぐにそっちに行くから、その間に話まとめておいて』

「ま、待ちなさいRecce!」

『待てない。時間ないんでしょ?』

 

 それじゃ、とこちらの静止も聞く耳持たずとばかりにRecceからの通信が切れる。

 

「…………!」

 

 思わずヘッドセットに触れていた左手に力が入り、握り潰さんばかりに掴みかかってしまう。

 どうして、どうしていつもあの子は……!

 

『え、ええと……大変だね?』

「いえ、大丈夫です。()()がああなのはいつものことですので……

 しかし、すいません。なにか()()がみなさんに失礼なことを言ってしまったみたいで……」

 

 ため息をつきつつ私がそう言うと、通信機からペーペーシャの慌てた声が返ってきた。

 

『そ、そんな……! むしろ謝るべきはこちらですよ!

 うちのサソリが彼女に色々と失礼なことを……!』

『ちょっ!? 何言ってるのペーペーシャ!』

『事実でしょう、スコーピオン。

 まぁ、わたくしも彼女に対して何も思うところがないわけではありませんが……』

「?」

 

 ――どういうこと?

 いったいRecceと彼女たちの間でどのような会話が交わされていたの?

 

『――簡単に説明しちゃうと、あの子はあたしたちに支援を要請するために通信を入れてきたわけじゃないんだ』

『ええ。これ以上そちらに付き合う必要はないから退却――いえ、逃げろとおっしゃっていましたわ』

『“せっかく生き永らえたのにここで無駄死にする必要はない”って……』

「ッ!?」

 

 何を考えているんだあの子は!?

 支援部隊の協力がなければこちらは全滅する可能性が高い危険な状況だというのに!

 

『彼女――自分1人を囮にしてあなたたちやわたくしたちを逃がすつもりでしたのよ』

『そんなことしたら絶対に自分が助からないのに、“私のことは気にしなくていいから”なんて言ったんです』

「えっ――?」

 

 私はペーペーシャたちの話が一瞬信じられなかった。

 誰よりも他人のため――特に私のために自分を犠牲にすることを「拒絶」と言っていいくらい嫌っていたはずのRecceが、そのようなことを彼女たちに言っていたなんて――

 思わず「嘘でしょ?」と呟きそうになってしまったが、なんとか耐える。

 

『だから私たち揃って反対して、“それなら私たちが残ります!”って私が言って――』

『――で、それを聞いたあの子怒ってさ。そこからちょっと言い争いになっちゃったんだよね。

 仕舞いには“人間たちに散々いいように利用された挙句見捨てられたのに、まだあんな奴らのために戦うつもりか!?”なんて言われちゃって――』

「――!」

 

 スコーピオンの言葉に、私ははっとなった。

 先ほどRecceが言っていたことを思い出したからだ。

 

 

『――せっかく身勝手な人間の手から解放されたっていうのに、自由を謳歌することよりも死ぬことを選ぶなんてバカみたいだよね』

 

 

 ――あぁ、そうか。Recceは「自由」に憧れているんだ。

 人間の道具として「生かされる道」よりも、自らの意志を以て「生きる道」――生まれながらに戦術人形であり、かつその誕生経緯から彼女自身は手に入れたくてもできないもの。

 だから自分の代わり――自分の分まで「自由」を掴み取れるチャンスがあった支援部隊の子たちを死なせたくなかったのだ。

 ――メンタルモデルのバックアップはとっているであろうから彼女たちが「死ぬ」ことは厳密にはないと思うが、そうなると道具としての生に戻ってしまう。

 

 だが、支援部隊の子たちも戦術人形である以前に自立人形――「人間の下で命令を受けなければ生きていくことすらできない存在」だ。

 ゆえに、その大前提を考慮していないRecceの願いは彼女たちに届くことはなかった。

 自分が戦術人形(人間たちの道具)であることを受け入れられない者と、自分たちが戦術人形(利用される存在)であることを前提で生きている者たちの考え方の相違――すれ違いだ。

 

『自分たちの指揮官を侮辱された気がしてあたしもカチンときてさ。そこからはもうあたしとあの子の2人でただの罵り合い』

『スコーピオンが彼女に終始言いくるめられそうになっていましたけどね。わたくしたちが指揮官や仲間に見捨てられたことは事実ですし……』

『結局私とStG44で2人を宥めて、そのまま私たちが殿軍として残ることを強引に押し通したんです』

「そうだったんですか……」

 

 3人の話を聞いた私は「彼女たちも全員無事に撤退させることができないだろうか?」と考えてしまう。

 Recceに共感したわけではないが、それでも犠牲は出ないことに越したことはないからだ。

 ――だが、確実に敵中に孤立しつつある現在の状況では、誰かを切り捨てなければ間違いなく誰1人生き残ることはできないだろう。

 私は内心彼女たちとAR小隊の仲間たちを天秤にかけ、そしてこの場にいる部隊全体を指揮する立場の者として非情の決断を下した。

 

「――わかりました。殿(しんがり)は皆さんにお任せします」

『お任せください! 必ず務めを果たして見せます!』

『鉄血の部隊はもう目と鼻の先まで来ているはずです。あなたたちも急いで撤退なさい、AR小隊』

『少しでも時間は稼いであげるからさ!』

「はい。あとはお願いします」

 

 その言葉を最後に私は一度通信を切った。

 

(これでいいんだ。私たちの任務を果たすためにはこれが正しい選択なんだ――)

 

 ――なぜかそのようなことを心の中で繰り返し呟きながら。

 

「M4、なにかあったのか?」

「まさか、またRecceが何か余計なことでもしたの?」

 

 私が通信を切ったのを確認したM16姉さんとAR-15が、私に尋ねてくる。

 それに対して私は軽く首を左右に振った後答えた。

 

「いえ、Recceがすでに支援部隊に殿軍を確約させてくれていただけです。

 勝手に話を進められていたので、少々面食らいましたが……」

「はぁ……あの子は本当になにやっているのよ……」

「だが、撤退を支援してもらえるのはこちらとしてはありがたいな」

「そうだね。支援部隊が足止めをしてくれているうちに急いで退散しよう」

 

 M16姉さんたちを横目に、私は自身に備えられている戦術指揮システムの状況を確認していく。

 ――幸いシステムは全て問題なく、私の電脳内に現在私たちがいる第3セーフハウスを中心とした戦場マップが映し出された。

 鉄血の増援を示す赤い印が無数にこちらに近づいてきているのが確認できる。

 そして、それを迎え撃とうとする支援部隊を示す複数の青い印が迎撃態勢を整えるために配置に着こうと動いている。

 

『M4』

「スコーピオン? どうかしましたか?」

 

 マップを確認していると、ふいにスコーピオンから通信が入った。

 なにかあったのだろうか?

 

『いや、別に大したことじゃないんだ。

 ただ……彼女のことで、少し言っておきたいことがあって……』

 

 彼女――おそらくRecceのことだろう。

 私は何も言わずスコーピオンの話に耳を傾ける。

 

『彼女の過去に何があったのかは詮索しないけど……あの子の人間嫌いは相当なものだよ。

 言葉を交わした時間はそう長くはないけど、それでも人間に対して彼女が相当恨みを抱いているってわかっちゃうくらい――』

「…………」

『だからM4、あなたたちは絶対にここでやられちゃダメだ。

 きっとAR小隊は――あなたたちの存在は彼女にとって唯一の“居場所”なんだと思う。

 もし、あなたたちにもしものことがあったら、彼女はきっと――』

 

 ――数秒ほど間が空き、再びスコーピオンの声が通信機越しにヘッドセットに響き渡った。

 

 

『鉄血に寝返って人間をその手にかけるかもしれない』

 

 

06/

 

 

「お待たせ」

 

 Recceが研究室跡に戻ってきたのは、スコーピオンとの通信を終えて十数秒ほど経過した頃だった。

 

「おお、戻ったかRecce」

「遅いわよ。あなたもう少し早く来れないの?」

「いいじゃないAR-15、とりあえずみんな無事だったんだからさ」

「…………」

 

 M16姉さんたちと軽く言葉を交わしていくRecceの姿を私は黙って見つめる。

 はじめて出会った時とは違い、髪型も服装も私とは違うはずの彼女の姿が、なぜか一瞬だけ私自身に見えた。

 

 ――彼女はRecce Rifle。(M4A1)じゃない。

 けれど、(M4A1)になる――()()()()()()()()可能性を未だにその身に秘め続けている。

 

「――大丈夫」

 

 AR小隊のみんなの耳に届かないよう、小さな声で私は呟く。

 

「大丈夫。そんなことにはならないし、させないわ――」

 

 そう呟きながら私は、先ほどスコーピオンとの通信で最後に自分が述べた言葉を思い出す。

 

 

「大丈夫。私たちは絶対に死なないし、Recceだって死なせはしないわ。

 彼女を鉄血に渡したりも、裏切らせもしない。彼女が人間を傷つけるようなことも絶対にさせない。

 だって彼女は――」

 

 

「私の大切な“妹”だから」

 

 

 Recce Rifle。

 私たち「AR小隊」の5人目のメンバーにして小隊屈指の問題児兼トラブルメーカー。

 そして、素直じゃなくて世話の焼ける、けれど大切な私の妹。

 彼女を守ること――きっとそれが私の戦う理由。

 もし彼女に「死」が訪れる時が来るとすれば、それはきっと私にも「死」が訪れる時だ。




 AR小隊の中でRecceに対して最もお姉ちゃんムーブしているのはM4。
 ただし、表向きはSOP IIが一番お姉ちゃんムーブしている。
 意外にもM16はRecceに対してはほとんど姉ぶらない。

 AR-15?
 ……お察しください。
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