ショタコン疑惑のソーナさん   作:ケツアゴ

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プロローグ

 突然ではあるが俺の名は匙 元士郎、駒王学園の二年生だ。そんな俺だが、ただ今ショッキングな光景に出会してしまった。

 

「か、会長……」

 

 訳あって弟妹共々お世話になっている家のお嬢様であり、生徒会長であり、何より俺が惚れている相手である支取 蒼那……いや、ソーナ・シトリーこと会長の姿を休日に出掛けた先で見つけたんだ。いや、そのこと自体は構わない。だって会長の私服が拝めるんだからな。俺の夢は会長との出来ちゃった結婚と、教師になること。ここは声を掛けて一気にお近づきに……と思った俺は気付いた。明らかに会長は誰かを待っていると。

 

「そ、そんな……。会長が誰かとデート?」

 

 お洒落しているし何時も真面目で冷たい印象の会長が何処か楽しそうに見える。……こうなったらどんな野郎か目にしてやる! 会長を待たせるような奴を俺は絶対に認めねぇけどな! 取り敢えず会長の私服姿を撮ろうと携帯を探して視線を逸らした俺の耳に男の声、……ちょっと幼い印章の……が聞こえて来た。

 

「ソーナさん、ごめんなさい! 待ちましたか?」

 

「いえ、私も今来ましたよ。待ち合わせ時間より前ですし気にしなくて構いません」

 

 どんな奴かと思って見てみれば育ちの良さそうな餓鬼だ。大体十歳くらいで、髪に赤みがかかっている。少し女の子っぽいって言うか中性的だ。上手く行けば将来モテそうだなと、俺に思わした其奴は少し慌てた様子で会長に近寄っていく。

 

 そして構わないと言いながら向けられた会長の笑みはとても優しそうだった。あの厳しくて厳しい会長がだ。まあ、相手は子供だからかも知れないが、一体どんな関係だ? ……あっ、今の笑顔を撮っておけば良かったぜ。

 

 俺が次のチャンスを伺っていると会長は何故か腰を屈めて顔を其奴に近づけ、背伸びした奴は……。

 

 

「相変わらずおませさんですね。では、エスコート頑張って下さい」

 

「はい!」

 

「失敗しても私はきにしませんよ」

 

 ほ、ほっぺにチューしやがった。会長も嫌って感じじゃねぇし、って言うか自分から顔を近付けたし……。ショックで思考が固まる中、二人は仲良く手を繋いで歩いていく。こ、こうなったら最後まで様子を見てやる!

 

 

 

 

 

「……意外とマトモだったな」

 

 二人が向かったのは映画館。子供だしアニメ映画か単純なアクション映画でも観るのかと思いきや、動物と人との交流を描いたノンフィクション、結構面白かった……。いや、親との別れのシーンは反則だろう。会長も結構楽しめたみたいだ。こんなのが好きなのか。

 

 ただ、二人を見ていると高校生と小学生程度ってのもあるけど当然カップルって感じじゃない。何か親戚のお姉さんと遊びに行った子供って感じで俺は何を心配してたんだかって思ってきた。普段は見れない会長の姿を見れただけでも儲け物だな。……急いで買った変装の衣装の代金は忘れよう。

 

 

 

「すみません。イチゴクリームとチョコバナナを下さい!」

 

「はいはい。坊や、落とさないようにね」

 

 今は会長を公園のベンチで待たせて彼奴は移動販売のクレープを買っている。確かこの辺はデートスポットとして有名で時々カップルを見かける。俺も何時か会長とデートを出来るように頑張らないとな。取り敢えず公園から出て行ったら帰ろうと思いつつクレープを食べる二人を眺めてた時、会長が食べさしのクレープを隣に座る彼奴に差し出した。

 

 

「一口食べますか?」

 

「え、良いんですか? じゃあ、ソーナさんも一口どうぞ」

 

 互いにクレープを差し出して食べさせあう二人。あれって、あ~ん、だけじゃなくって間接キスだ! 

 

「……ほら、口にクリームが付いていますよ」

 

 最後に会長は口に付いたクリームを人差し指で拭ってやり、それを自分の口に運ぶ。う、羨ましい! 俺なんて二人で食事したことさえないのに……。

 

 

「それにしても今回のデートプランはよく出来ていますね。花丸をあげましょう」

 

「う……はい! ランスにアドバイスして貰ったんです」

 

「……彼ですか。まあ、今回は余り変な事を教えた様子は無いですし……」

 

 ……あー、うん。やっぱりデートとは少し違うか。頭撫でながら誉める姿は思いっきり子供扱いだし、デートって言いつつも違う気がする。会長は兎も角、彼奴の方は憧れているお姉さんに必死にアピールしてるって感じだな。

 

「……うん?」

 

 空を見上げればポツポツと雨粒が降り始め一気に激しくなる。今日、降水確率低かったのにツイてねぇ! 

 

「って、会長も濡れちまう! ここは俺の上着を雨避けに使って……」

 

 

 

 

 

「これは困りましたね。私のマンションが近いですし、寄って行きなさい。……そうですね。久し振りに一緒にお風呂に入りましょうか」

 

「え? ちょっとそれは……」

 

「ふふっ。恥ずかしがる必要はありませんよ」

 

「う、うん……」

 

 俺の視線の先で会長はさっきまで持ってなかった筈の大きな傘を差して二人で去っていく。相合い傘、って言うか一緒にお風呂? 会長、恥ずかしがってる子供相手に楽しそうだし……ショ、ショタコンだったのか……。

 

 雨が降りしきる中、俺はヘナヘナとその場に膝を付く。脳内では彼奴と一緒に入ったお風呂で体を洗い合う二人の姿。水着姿すら見たこと無いけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー! 暇潰……ルーク様が心配で、面白半ぶ……デートの護衛として黙ってついて来たッスけど他に面白い物見れて良かった良かった。ねぇねぇ、どんな気分? 惚れた相手が見知らぬ男、それもお子様と仲良くやってるのを見たのは」

 

 聞こえてきた声に振り返る。さっきまで周囲を気にしていた俺の真後ろ、息がかかる程近くに赤い髪の女が居た。褐色の肌に三つ編み、体付きは凄く発達している。思わず胸に視線が行く中、彼女はヘラヘラ笑っていた。あれ? 今、俺って馬鹿にされた?

 

「……誰だよ、お前。俺に何の用だ?」

 

「私? 私は……っと、電話ッスからちょっと待って欲しいッス。……げっ!? リッカ様からだ。頼まれてた仕事忘れてた……。失礼するッス!」

 

 言いたいことだけ言って少女は一瞬で姿を消す。本当に一体何だったんだ……?

 

 

 

 それから暫く経って俺は正式に会長の眷属になった。兵士の駒を四個も使ったし、これから活躍すれば会長もきっと俺を……。

 

「サジ、早く行きますよ。リアス達が待っています」

 

 おっと、考え事に夢中になってたぜ。今からグレモリー先輩の所で新人同士の顔合わせだ。変態で有名な兵藤は兎も角、美少女のアルジェントさんとはお近づきになりたいぜ。楽しみにしつつ旧校舎の一室に入ると見慣れない女子生徒と……あの餓鬼が居た。

 

 女子生徒は前髪で片目が隠れた眼鏡で銀髪に紫が混じっている。何か後輩って感じの美少女だ。

 

「えっと、会長……」

 

 俺が反射的に会長を見れば直ぐに答えが返ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、言っていませんでしたね。彼女は近日編入予定のマシュさんで、そこの子は彼女の主のルーク・ヴォラク。ヴォラク家当主の弟で私の婚約者です」

 

 それも、予想だにしなかった内容だ……。

 

 

 

 

 

 

 

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