ショタコン疑惑のソーナさん   作:ケツアゴ

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顔合わせと駄目人間

「おや、どうかしましたか?」

 

 本日は新人眷属の顔合わせの日。本来ならば領地の学校に行く予定だった私ですが、見識は広い方が良いというお義父さんの意見で日本の学校に通うことになった私ですが……ソーナ様が私の主であるルーク様を紹介した途端、何故か皆さん固まっています。

 

「か、会長に婚約者が居たんですか!? 子供じゃないですか! あっ、やっぱり親が選んだ婚約相手とか?」

 

 驚きの声を上げたのは……確か兵藤さん、今代の赤龍帝でフェニックス家の三男と結婚式で戦って婚約を破談にした人でしたね。会った途端に鼻息荒くジロジロ見てきて、お義父さんの同類だと判断しました。……ブリテンに関係する男の人の特徴なんでしょうか?

 

『……心外だ。この小僧がアレなだけだぞ』

 

 今、誰かの声が聞こえた気がしたけど気のせいでしょうか? それはそうとして、多分自分の主がそうだったから思ったのでしょうし、ソーナ様の眷属の男の人……資料で匙さんと記されていたと記憶している方は、そうだと思いたいって様子に見えました。

 

「そ、そうっすよね。会長が気に入る気に入らない関係なしに無理やり……」

 

 やっぱり何か期待しているように見受けられます。この方、ルーク様がソーナ様と婚約者であることが気に入らないのでしょうか? 変な相手で主が心配という風には見受けられませんが……。

 

「ええ、親が決めた相手というのはそうですが……」

 

 ソーナ様様は微笑みながらルーク様を手招きし、引き寄せると背後から優しく抱き締めます。驚いた様子のルーク様が顔を見上げ、匙がショックを受けたという顔をしていました。……兵藤さんまで嫉妬の視線を送っていますが、もしかしてソーナ様が好きなのでしょうか? でも、れ、例の婚約破談に至った出来事の登場の際に言い放った言葉が……。

 

 伝え聞いた話を思い出しただけで恥ずかしくなった私が固まる中、ソーナ様がルーク様を抱き寄せる力を強めました。

 

「確かに親が決めた相手なのは間違いないですが、私はルークが好きですよ?」

 

「僕もソーナさんが好き!」

 

「ふふっ。まあ、私達の仲は問題有りません。年の差だって一万年とされる悪魔の寿命を考えれば些細な事でしょう?」

 

「ルークのお姉さんがお兄様やソーナのお姉様と友人だったから私達も昔から知り合いだけど二人の関係に問題はないわ。とっても仲良しなんだから」

 

 臆面もなく好きだと言い切るルーク様が嬉しそうにする中、初対面の皆さんは驚いた様子。リアス様も横から補足をして下さいました。やっぱり高校生と小学生の組み合わせは奇異に映るのでしょうか? あっ、ソーナ様がルーク様の頭を撫でながら頬をつつき始めました。

 

「早く大きくなって下さいね、ルーク。楽しみにしています」

 

「う……はい! ソーナさんを守れるように強く大きくなります。ランスも理想は頭一個分って言ってたし……」

 

「焦らなくて大丈夫です。無理せず頑張りなさい」

 

 矢っ張りルーク様はソーナ様の前だと普段の子供らしい話し方を止めようとするけどソーナ様には見抜かれてるって感じです。……それはそうと、あの人、十歳相手に余計なことを教えていないでしょうか? 駄目人間のろくでなしですからね、お義父さんは……。

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ。マシュさんのお父さんもルーク君の眷属なんですね」

 

「ええ、騎士の駒を二個消費して転生した人で剣技は領地でもダントツの使い手です。私が尊敬する戦士の一人なんです」

 

 眷属同士の顔合わせは交流の席に移り、今は主と眷属に分かれてお話の真っ最中です。リアス様の眷属になったアーシアさんは私同様に主に命を救われたそうで、一番身を張って助けてくれた兵藤さんと特に仲が良いみたいですね。……えっと、子供相手でも貴族社会なのだからっと言うのは言うべきなのでしょうか? でも、他の眷属の方も何も言いませんし。だからといって黙認するのは……。

 

「じゃあ、他にも尊敬している方がいらっしゃるんですね。どんな方ですか?」

 

「はい! レオニダス先生です! ヴォラク家は人材育成に力を入れていまして、レーティング・ゲームの名門校以外にもスポーツ選手が受ける強化合宿の様な行事も眷属悪魔を対象に行っているんです。レオニダス先生は防衛戦の講師のお一人で、先の大戦では最前線で敵をくい止め続けた部隊の隊長を務め……」

 

 軍団を維持することが困難になる前は軍学校の様な施設で教官をなさっていたレオニダス先生は私が尊敬してやまない超一流の盾の使い手です! 正直、武器の扱い以外はアレなお義父さんよりも尊敬しています。私も空いた時間をわざわざ使っていただいて教えを受けているのですが未だ足下にも及びません。

 

 私がレオニダス先生の素晴らしさを伝えようと熱弁を振るう中、ソーナ様やリアス様に挟まれて匙さんや兵藤さんに嫉妬の視線を送られていたルーク様の懐からアラームが鳴りました。

 

 

「……もう時間かぁ。ソーナさん、リアスさん、僕、もう行くね。マシュ、君は残る?」

 

「いえ、私もご一緒に戻ります。エヴァさんに代行を頼まれた以上、女王の役目である常にお側に控える、というのを果たさなくては!」

 

 ルーク様はお忙しい。領地が人材育成に力を入れている以上は幼くても勉学に力を入れなくてはならないからです。姉君で現当主のリッカ様はもう少し子供らしく過ごして欲しいと願いつつも思ったようにはいきません。我が家は十分教育しています、そう他の家の方々にアピールしなくては余計な干渉を受けるからです。

 

 グレモリー家のミリキャス様同様に次期魔王の筆頭候補のお一人。それがルーク様なのですから……。

 

 だから、私も眷属として守り抜きます! レオニダス先生から受けたトレーニングメニューを頑張らなくては!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとエヴァさん、エヴァリスさん! 一体何をしているんですか!?」

 

 顔合わせから屋敷に戻った私はメイドの一人であるツァレさんに居場所を聞いてルーク様の女王であるエヴァリスさん、通称エヴァさんの元へと向かいます。今回、私だけが顔合わせに参加したのは彼女から、重大な仕事を任されたから代役を頼むと言われたからです。張り切って引き受けましたが、ルーク様は全く別のことを言いました。

 

 

「え? マシュがどうしても一人でやらせて欲しいって言ってきたって聞いたよ? 熱意に負けたって聞いたけど……」

 

 

 流石に見過ごせないと思った私は駆け足でエヴァさんの所に向かい、乱暴に扉を開けばソファーに寝転ぶ彼女の姿がめにはいりました。

 

 褐色の肌の所々に染料で模様を描き、金のアクセサリーで足や手を飾った幼い身体。絹のような黒髪に幼いながらも怪しい美しさを持った顔立ちは宝石を思わせる。

 

 そんな彼女は猫の絵柄の寝間着のままスナック菓子と炭酸飲料を交互に口に運びながらテレビゲームをしていました。この部屋に来る前に聞いた話では、昼前に起きてきてからずっと続けているとか。

 

 私が抗議するとエヴァさんは顔を向けず尊大な態度で返してきます。

 

 

 

「ふん、今頃気付いたのか。貴様等は他人を信用しすぎだ。だから妾がわざわざ教えてやった。それを有り難く思うが……よし! ハイスコア達せっ……あぁ!?」

 

 

 

 

 

 ……そうですか。なら、コンセントを抜いても問題ないですよね? だってお仕事を休んだのはゲームをする為じゃないのですから。

 

 




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