ショタコン疑惑のソーナさん   作:ケツアゴ

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今回 執筆使いさんの悪魔の店とのコラボがあります ありがとうございます!


今度こそ絶対に……

 やっふー! 僕の名前はネイリム! 自称精霊のパンダっぽい何かだよ。今は森で出会って仲良くなったルーク君の眷属をしているんだ。因みに兵士の駒を四個使ってるよ。

 

「……彼は居ないようですね」

 

 そんな僕は今、大切な商談が行われている部屋の壁の前で煉瓦模様の布を広げて隠れているんだ。純白の壁だからカモフラージュにならないって思ったけど、僕そっくりのパンダがくれた布だから大丈夫だったよ。彼がジャッ君って呼んでた店員さんは警戒した様子で部屋を見回すけど、僕が居ないって知って安心したみたい。

 

『むふふふふ。君は僕に限りなく近い存在みたいだし、これをあげよう』

 

 流石の僕も人工物にはとけ込めないし、エヴァちゃんの魔術による防壁は厄介だからね。さてさて、今回はどんなものを交換するのか楽しみだな~。

 

 

 

 

 

 

「……しかし貴方の眷属は変わっていますね。私の古い知人である姫君とその従者だけでなく、かの円卓の騎士が一人、サー・ランスロット本人とは。……あのパンダは忘れるとして」

 

「他の世界で会った人の所は普通だった?」

 

「ええ、私が今まで行った世界に限りますが」

 

どうもエヴァちゃん曰く、彼は違う世界の住人らしい。僕が出会ったパンダは良く分からん、だって。まあ、彼女の紹介で取引をしているんだけど、エヴァちゃん自身は会う気がないんだって。

 

『暫く会わん内に口調が丁寧になって内面は面白みが減った。酒盛りに誘われたら会ってやっても良いが、それ以外は知らん』

 

 週休五日半でお給料の九割を酒代に注ぎ込んでいるあの子にそこまで言われるって、彼ってもしかして駄目人間?

 

「いえ、貴方に言われたくはないですよ。……失礼。何故か聞き逃せない事を言われた気がしまして」

 

「そう? じゃあ、契約内容の確認を……」

 

 今回こっちが出すのはエヴァちゃんが品種改良して僕が育てたキノコや木材、道具作成に使うらしい。向こうもこの世界には存在しない金属を出して来た。う~ん、退屈になってきたし適当な時に出ていこうか。あれ? 店員さん、随分と疲れた様子だね。ルーク君も心配そうだよ

 

 

「申し訳有りません。ある知人の悪戯で、ここの所ずっと体感時間十時間の間、キグルミのラインダンスを見続ける、そんな夢を見ているもので、どうも気分が優れないのですよ。せめて上手なら良かったのですが、グダグダで……」

 

 この後は契約書にサインをして何時もの様に終わりなんだけど、店員さんは去る前にルーク君にこんな事を言ったんだ。

 

 

 

 

 

 

「貴方の願いを全て叶えて差し上げましょうか? ちなみにお代は結構です」

 

「別に良いよ。誰かに頼って叶えても満足できないと思うから。折角ですけど、ごめんなさい」

 

「……彼女も同じ事を言っていましたよ。確か彼女が千歳になった頃、店を出すにあたって建物にかける魔法の相談のついでに話を持ち掛けたのですが、”戯けが。己の力が介入せずに叶った願いに何の価値があるのだ”、だそうです。……あの面倒臭……気難しい友人が力を貸す理由が少し分かった気がしますよ」

 

 店員さんはそう言って消えていく。うーん。エヴァちゃんは昔からエヴァちゃんなんだね!

 

 

 

 

 

 

 尚、僕がバレバレの格好で隠れていたのに気付かなかった様子の写真は後日誰かの手によって彼の所に送られたらしい。

 

 

「……やはりパンダに関わると碌な事が有りませんねぇ。彼にも胃薬を送りましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

「おや、ネイリムではありませんか」

 

「丁度良かった。紹介したい奴が……ありゃ? 何処行ったんだ?」

 

 暇だから厨房で摘まみ食いでもしようかと思っていたらランス君と、僕と同じ兵士四個消費のエックンことエクネス・ペシネン君が机の上に水着の写真集を広げていた。この二人、相変わらずだよね。エックンの近くに誰かいたようだけど、呆れて去っていったんじゃないのかな。だってこの二人って碌な事しないもん。

 

 

「なぜか心外な気がしますが丁度良い。貴方にも意見を……いえ、止めておきましょう」

 

「植物だもんな、お前。これが本当の草食ならぬ草植系ってか? ルーク様も十歳だし、この位必要だと思うんだよ。……ロリ婆とリッカ様には秘密な?」

 

 取り合えず体の中の携帯電話でマシュちゃんとリッカちゃんに動画を送信。厨房に忍び込むって言ってその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 そして冷蔵庫の中にあったケーキに手を伸ばした時、背後から僕の脳天を一発の銃弾が貫いたんだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「警護として派遣? お姉様の命令とはいえ急ですね……」

 

 この日、私は駒王学園の旧校舎を訪ねていた。要件はチャーミングな美女であらせられるセラフォルー様の命令として学園に通うリアス様とソーナ様の警護。急な話に戸惑っているようですが仕方がないでしょう。昼間の管理は彼女の仕事。公式に任せられた場所の統治に別の誰かが介入するなど王に忠誠を誓った円卓の騎士でも不満に思ったでしょうからね。

 

 

 

 ……どうやら遥か昔の英雄の子孫、そして生まれ変わりはそれなりの数が居るらしい。彼らは前世や先祖の栄光を誇りとし、それに倣おうとしている。当然、犯した罪など、被った恥辱など無関係で、そうあるべきだ。そう。私等とは違って……。

 

 

 

 王妃と不義の恋に落ち、怒りから罪なき仲間さえ切り捨て、忠義を誓った王を、国を裏切ってブリテンに終幕を齎した愚か者、湖の騎士ランスロット。それが私自身の名前だ。それらは全て私が犯した罪だ。

 

 王の死を知り、愚かにも王妃を迎えに行った私を彼女は拒絶した。当然の結果だろう。裏切り者の私を糾弾せず、最後まで裁く事がなかったアーサー王を裏切っておいて、王が死んだから王妃と共に居ようなど片腹痛い。そのまま餓死しよと決心した私は最期に養母である湖の乙女の元に向かい、封印されてしまった。

 

 

 

『あのド屑からの伝言よ。罪を償う機会をあげよう、だって。時期が来るまで眠っていなさい、馬鹿息子』

 

 私が目覚めたのは長い年月が経ってから。円卓の騎士など伝説として語られる時代。私はそこで……死を選ぼうとした。罪を償う権利など自分にはない、そう思ったからだ。

 

 

 

 そして、あの方に出会った。死にかけていた私を治療し、こう仰ったのです。

 

 

『命を捨てた? うーん、だったら捨てた命を僕が拾ったから僕の物だよ! だから勝手に死なないでね』

 

 ああ、全く私は運が良い。これが母が言っていた罪を償う機会かは知りませんが、今度こそ……。

 

 

 

 

 

 

「……ネイリム、居ますね?」

 

 物思いに耽るのを止めた私は人気のない所で立ち止まり背後の地面に声を掛ける。相変わらず陽気な声が帰ってきた。

 

 

 

「うーん。街中の地中は()()()が良くないや。君の奢りで何か食べてきて良い?」

 

「……何故そうなるのですか? まったく、分かっていますか? 無限龍の組織に入った旧魔王派閥が狙うとしたら魔王の血族であるソーナ様達です。実際、グシャラボラス家の次期当主も襲われて入院の最中なのですから」

 

 このマイペース具合、トリスタンにそっくりですね……。

 

「あっ! 巨乳の美人教師!」

 

「お嬢さん、お茶でも……」

 

 その言葉に思わず振り返って声を掛ける。騎士たる者、女性の扱いは心がけて置かなくては。……ギャラハドやマシュには軽蔑されますけど。

 

 

 

 

 

 

「っと思ったらマシュちゃんだった」

 

「……何やっているんですか、サー・ランスロット?」

 

 ……トリスタンというよりはマーリンです。取り敢えず誤解です、マシュ。あっ、これ完全に駄目な奴ですね……。




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