小話置き場   作:白千ロク(玄川ロク)

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【 まえがき 】

■『勇者の隣の式神さん』の猫の日小話となります
2月22日は“猫の日”だったり、“忍者の日”だったりしますが、“猫の日”の小話ですー

■勢いだけで書いたのでやおい(やまなしおちなしいみなし)文ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです

2017.02.22


[2017猫の日]にゃーにゃーにゃー!(勇者の隣の式神~)

 走り込みのあと、ジャージから部屋着へと着替え終わった犬井が「ああ……」と神妙な顔で呟く。隣に立つオレからは横顔しか解らないが、いったいなんなんだろうか。疑問を表すように首を傾げる間、犬井は脱いだジャージ一式を洗濯籠に投げて、「悠希」とオレに向き直った。

 

「今日はなんの日か知ってるか?」

「オレが知るわけないだろ。なんか特別な日だったりするのか?」

「今日は猫の日だ。二月二十二日」

「へぇー。んん? ……なんつった? なんでそんなこと解るんだよ!?」

「まあ、『力』があるしな」

「……そうでしたねー」

 

 そのお蔭でなんでもできますものねー。

 人型の狐ちゃんと一緒にメイド服に袖を通しつつ答えれば、犬井は「悠希」とオレの腕を引いた。そうして正面からぎゅっと抱きしめられる。

 

「拗ねるな」

「拗ねてねーし。でもそうか、“猫の日”かー。つまり、“猫”塚という名字のオレのためにある――」

 

 『わけだ』とこぼれる前に、犬井の手がネコミミにいく。あ、こら! 説明途中にネコミミに触れるでない! そもそも、オレはぶうたれてないから!

 

「犬井っ!」

「そうだな。ユウのためにあるわけだ。今日はユウの言うことを聞いてやろう」

 

 にやりと笑った犬井はネコミミの付け根を揉む。魔法を解除したと解ったのは、快感が躯を駆け巡ったお蔭だ。

 

「っ……、こらっ、変なこと、するなよっ」

「ほら、ユウ、俺になにをしてほしい?」

 

 にやにや笑う犬井に対し、懸命に声を上げる。快感に負けてはならないと――。

 

「み、みんなでハンバーグとプリン食いたい!!」

 

 吐き出した分息を吸い込んでいると手を離したのか、今度は頭を撫でてきた。

 「了解」という言葉に浮かんだ涙を拭えば、「いじめすぎたな」と小さな声が届いた。うるせーよ。お前いつも意地悪してるだろうが。……どこでとは言わないけど。

 

「ユウキ、狐も構って~」

「おー」

 

 ベッドの上で両手を伸ばす狐ちゃんたち――はベッドの上で着替えている――の頭を撫でてやれば、その手に頬を擦り寄せる。

 当然のように背後から抱きしめられるオレは、「犬井、犬井。突然でっかいの食いたくなったからよろしく」と付け加えた。いわば、嫉妬した罰である。まあ、いくら罰だといっても、犬井には痛くも痒くもないんだけどね。オレが得をするだけで。

 直後に、やはりと言うべきか、魔法が解けたままのネコミミに「はいはい」と呆れ混じりの声が届いた。

 ハンバーグとプリンは最強ですから!

 

 

 

(了)

2017.02.22




【 あとがき 】

『にゃーにゃーにゃー』と言わせるのを忘れてしもうた…と書き上げてから気がつきました
まあ、いつもにゃんにゃん吠えて(主に犬井に向けて)いるからいいか!

2017.02.22

◆ 執筆時期 ◆
執筆開始 : 2017/02/22 - 執筆終了 : 2017/02/22
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