■『勇者の隣の式神さん』のクリスマス小話となります
少しでも楽しんでいただけたら幸いです
2019.12.25
犬井曰く、今日はクリスマスらしい。それは解ったんだけどさ、言うのが遅いんじゃないですかね? 時間ならあったはずだよね? もう夜だよ! あとは寝るだけだよ!
実際問題、犬井はベッドの縁に座っていて、オレはベッドの上でゴロゴロしていますからね!
「言うのが遅いわ!」という叫びとともに半眼で犬井を眺めると、「あんまり興味がないから忘れていた」とあっさりと言った。ここまで軽く言えるのかと感心するほどに本当にあっさりと。
「犬井はサンタさんからのプレゼントにも興味がないのか?」
「プレゼントなら早い段階でもう貰っているからな。それ以降はあんまりないな。それよりも、ユウはいまだにそういうことを信じているのか?」
「いやいや、さすがのオレもプレゼントをくれるサンタさんが本物のサンタさんでないのは解っているからな? ロマンの問題だから、ロマンの」
「本当にロマンが好きだな……」
「うるせーよ。狐ちゃんたちはなにかプレゼントはもらえたか?」
うるさい犬井から顔を逸らして一生懸命髪にキスをする狐ちゃんたちに聞いてみると、犬井の手も髪を触り始めた。犬井の方こそ、本当にオレに触れるのが好きだよな……。ネコミミよりはマシだから、そのままにさせてやるけれども。
「狐はきたよ!」
「狐もきたよ!」
「なにをもらったんだ?」
管狐姿の狐ちゃんたちはゆらゆら揺れながら「揚げ出し豆腐!」と元気よく答えた。「おいしかった~」と満足げに語る狐ちゃんたちに対し、当たりしかないプレゼントだよな、その選択と冷静に分析しながら「そっか~」と返して気がつく。オレにはプレゼントなどなにもなかったことに。どういうことなんだ、これは。
そりゃあ、狐ちゃんたちはかわいいから、ほいほいプレゼントをあげたくなる気持ちも解るが、オレだってプレゼントがほしいんだぞ。仲間外れなんてひどくね?
「犬井さん、オレにはなにもないんですが、どういうことでしょうか?」
顔を戻して犬井サンタさんに問うと、爽やかな笑顔が返ってくる。
「ユウには俺がいるだろ?」
「まあそうですが」
「最高のプレゼントだろ。俺にもユウがいるしな」
「そっち方面にいくのはやめろや!」
「無理だな」
クリスマスだからよけいにそういうのが有り余っているんですかそうですか。
のしかかってくる犬井に抵抗しつつも、「メリークリスマス!」と叫んでやる。だってクリスマスですしね。うん。
まあ、抵抗を封じる犬井は「はいはい」といつもと変わらなかったのだが。
(おわり)
【 あとがき 】
思いついてぱぱぱっと書いたので荒いかもしれません。甘さもそんなにないと思います……(白目)
でもなんとかクリスマスに上げたかったのでご容赦願います!
あと久々に書いたので、キャラクター像がぶれていたら申し訳ないです。
2019.12.25
◆ 執筆時期 ◆
執筆開始 : 2019/12/25 - 執筆終了 : 2019/12/25