マスターの朝は早い。
召喚室から日々現れる様々なサーヴァントたちのために、種火やスキル石を確保するためだ。
マスターはまず種火を集めるために修練場へと向かった。
修練場はカルデア驚異の技術力によって生み出されたシュミレーション機能により無駄に広大な森が展開されている。
マスターは木々があまり生えていない小さな平野へと降り立った。
マスターがそこににあらわれたしゅんかん木々の間から人の腕のような怪物たちが現れた。
黎明の腕と呼ばれるそのエネミーはマスターを見つけると襲い掛かった。
「すぅうう」
呼吸。
エネミーが襲い掛かかっていた瞬間、マスターは普通とは違う呼吸を行っていた。
呼吸によって体内の魔術海路に効率よくカルデアからの供給されている魔力を流していく、そして、矛でもあり盾でもあるサーヴァントたちの影を出現させた。
「周回の呼吸……一の型」
現れる影は二つ、一つは小さな少女の姿。
手には不釣り合いに見える斧を持った開拓者のサーヴァント。
もう一つの影は、杖を持ったいかにも胡散臭そうな雰囲気を醸し出している魔術師のサーヴァント。
「お任せを、夢のように片付けよう」
魔術師のサーヴァントが開拓者のサーヴァントに強化し、
「これが開拓者魂だー!」
開拓者の少女が宝具を使用する。
急激に巨大化した少女が空高く飛び上がりエネミーたちを踏みつぶす。
「カレスコマーリン」
エネミーたちがが消え、代わりに輝く金平糖のような物体が現れる。
マスターはそれらを回収すると、更なる種火を求めて奥へと進んでいく。
奥へと進んでいったマスターは、森の中にポツンと心材する小さな湖に集まっていた次なる獲物を見つけた。
それは、少女が先ほど踏みつぶした腕のような複数のエネミーたち、それとその傍に立っている人型の影。
削岩に使うドリルのような形をした剣を担いだ男性の姿だった。
「周回の呼吸……二の方」
マスターはエネミーたちに見つかる前に再び呼吸を行う。
先ほどと同じように召喚される影は先ほどの存在たちではなくその数も違った。
現れた影の数は三体、鉄パイプに鎧といういびつな姿の騎士。
残りの二体は、ドレスと識棒のような物を持った瓜二つの姿の女性だった。
「Aaaaaaaaaaaaaaaa!」
「どれにしようかな」
「ふふ、こういうこともできる」
二体の女性の影から紡がれた神代のルーンが鎧の騎士を強化する。
鎧の騎士は高ぶる魔力を糧に宝具を起動させる。
「Arrrthurrrrrr!!」
そして放たれるは騎士の宝具によって宝具へと変えられた現代兵器。
一般的にはバルカン砲と呼ばれる物から無数の弾丸が放たれ、腕と影はハチの巣へと変えて消滅させた。
「スカスカスロット」
マスターは先ほどと同じように種火を回収しながら、奥へ、さらに奥へと向かっていく。
が、そこに空から声が響く。
それはマスターがよく知る人物の声だった。
「先輩! そろそろボックスガチャのだそうですよ!」
「なん……だと……」
マスターはその言葉を聞いたと同時に抱えていた種火を地面へとばら撒いた。
「こんなことしてる場合じゃない」
マスターは急ぎシュミレーションを終了させ、自身のマイルームへと走った。
目的はとある黄金の果実。
それはマスターに力を与えるドーピングのような物。
「待っていろボックスガチャ……まだ周回の呼吸は残っているぞ、リンゴもだ!」
マスターの周回は続く……