イヴちゃんさえ生きてくれたらいい 作:イヴちゃん凶愛者
誰かのせいにしていいんだよ、全部自分のせいだと思わないでね。
14話 僕が忘れてた物
イヴちゃんはこちらをにっこりとみてくる。
「ふふ、冗談だよ。でもね、責任はいつかとってよね。貴方は私が探していた人その者なんだから。」
イヴちゃんは再びウィンクして言葉を続ける。
「私は星神を探してたの、でも君が真実は覚えてないのなら。今度は一緒に星遺物を集めようよ。今度は強くてニューゲームを一緒にね。」
僕がイヴちゃんがこんなにも明るい子だった事はしらなかった。
後にこの明るさは僕本来の明るさだと知ることになる。
そして強くてニューゲームってなんだ?
「さて、私と君が出会ったところで大して何も状況は変わってないんだけどね。星鎧が現れるのはまだ時間がかかるみたいだし。」
イヴちゃんは僕といる時は星杯を戴く巫女の姿、他の世界にいる時は星杯神楽イヴの姿をしている。
理由なんてあるのか。
「今君は私に向けて何も喋ってないけどその気持ちわかるよ。急にこんな事言ったら君もびっくりすると思うしさ。質問を受け付けるわ。」
「強くてニューゲームってどういう事?」
僕は聞く。
「どこから説明しようか。私は星神に出会い、星遺物を巡って旅をしてきた。
融合した影響、衝撃でも起きたのだろうか。
「信じてと言っても今の君は信じる事は出来ないかもしれない。でも私と一緒にいてくれるだけでいいから。」
イヴちゃんは笑顔をこちらに見せる。今度こそ、みんなで笑いあいたいから。そう彼女が思っているだろうからきっとそこに僕がいる事は出来ないのだろう、僕はイヴちゃんと住む世界が違うから。こんな悲しい事を思い出すなら夢なんて見ないほうがまし、そう思った。
「今君が夢なんか見ない方が言いって思ったよね、でもそれは違う。私は夢によって生まれたんだよ。だから貴方も其処にいて。」
夢なんか見ない方がいいなんて思ってほしくない。私は貴方のおかげで生まれる事が出来たんだよ。だから気づいて、私の最後の道標だから。
「僕なんかもいてもいいの?」
「勿論だよ。自分を下に見ないで。私の明るさは君からもらったんだよ。」
私は目に涙を浮かべる。私はあの世界が好き、痛いし残酷な世界だけども。
少なくとも
「だから貴方は生きて、私の最後の希望なんだから。」
私は少しだけ涙を流す。
これは夢、確かに僕の記憶だった。いつからイヴちゃんの大切さを忘れていたのだろう。
大切な人は傍にいるのに忘れてしまうなんて。
忘れたくない、イヴちゃんは世界で一番大切な人。
「だから、待っててイヴちゃん。僕は貴方を取り戻す。泣いて笑って僕は君を取り戻すから。」
目の前が光に包まれる。そっか、大切だと言う事を忘れていたのか。
傍にいるのが当たり前だと思ってた。
僕は頑張って生きる。そう約束したんだった。
目が覚めると自分の部屋にいた。
僕は涙を拭く事はせず、即座にVRAINSへとログインをする。
確かに僕は今イヴちゃんとの
何もないばしょにたどりつく。僕はデータストームの種を検索し始める。
今まで僕一人では何もできなかった。でも今度は僕自身の手でイヴちゃんを蘇らす。
それが僕なりのけじめだ。
《警告 身体に異常が発生しています。》
声が聞こえるが構うもんか、イヴちゃんは僕のせいで死んだんだ。
「僕のせいで死んだのなら僕が死んででもけじめをつける。君のおかげで僕は明るさを思い出したんだ。ありがとう、今度はお返しって言わせて。」
《緊急ログアウトをします。》
「え、どういうこと。」
僕がそうつぶやいた途端見えたのは現実の先ほどの自分の部屋だ。
今までこういう事なんてなかったから。
それともイヴちゃんが僕を拒絶してるの?全部思い出した途端拒絶するのは何故なんだ。
『拒絶してるわけではないのよ。貴方は自分を大切にしなかった。他人を大事にするならそれと同時に自分も大切にしないと。』
イヴちゃんの優しい声が聞こえる。
「どうすれば逢えるの?」
『星遺物の星櫃を探して。星櫃には私の最後の希望のプログラムが入ってる。』
「プログラムなんて詳しくないから見つけてどうすればいいの。」
『それは知らない。貴方の大事な物がそこにあるから。そしたら最後の
ができるから。
『貴方はし
もう誰も死なせはしない。私が死んだから君は何もできなくなった。
これは誰も死ななくていい物語なんかではなく、これは死んではいけない物語。
だって僕は星遺物の機憶を微かに覚えてるから。
突然イヴちゃんの機憶が脳裏に入り込んでくる。
星遺物の機憶は僕自身の機憶、そっか。僕は星遺物だったのか。
僕の脳裏にふと暗い研究所が浮かぶ。思考を巡らすとイヴちゃんのリボンを持った青年が何かを見ながら拳を振り上げる。
「見てるんだろう?俺はお前が憎かった、イヴが遺した物を知らずに生きていた。でも今は憎くない。憎しみは何にもならない。アウラムと衝突する事があった場合はお前はどっちの味方なんだ?」
青年はこちらを見上げるとそう言い放つ。
「え?」
「星櫃に何が入ってるのか俺は知らない。だが、星櫃を開けるには星杖が必要だ。」
何も言えない。元々これは思考の中だろうか。
「何も言わなくていい、お前は何も思い出してはいないのだから。存在できない夢を見ていただけなのだから。」
ロンギルスの声がふと耳に響く。
星杯の守護竜アルマドゥークも本来は存在できない存在。
どうして僕はそれを知っているのだろうか。
いつから僕はこの事を忘れてたんだろう。忘れていた事を全て取り戻すために、
前を向くために、準備を始めたのだった。