イヴちゃんさえ生きてくれたらいい   作:イヴちゃん凶愛者

16 / 35
27/10363頑張ります。


16話 すれ違う者達

「何故だ、ニンギルス。イヴは死んだ、星遺物が危険だと身を持って教えてくれたじゃないか。」

見慣れた景色からアウラム君の声が耳に届く。

「それを言うか、アウラム。お前だって星冠の力を得て、何もしなかったじゃないか。」

 

「今の俺はアウラムではない。天穹だ。もう終わりにしないか。あの世でイヴが悲しんでる。」

 

「その俺はイヴを蘇生させようっていうんだ。お前の持っている星遺物が必要なんだ。」

話し声が聴こえてくる。話しというよりは口喧嘩の方が近いのかもしれない。

遠くから見るにニンギルス兄さんの近くには機械軍団と機械人形、アウラム君の近くには大きな龍とアウラムに手を組んだ女性だ。

イヴちゃんがいたらこの2人の口喧嘩を止めてくれるんだろうけどこの場所には勿論いない。

僕がイヴちゃんを守れなかったからこうなっているのか。

いや、彼女が言うに運命だったのなら仕方がない。

 

『貴方は今出来る事をすればいいのよ。私はどっちについても結末は変わらないと知ってる。今この場所にはX個の星遺物が集まっている。何もないといいけど。』

イヴちゃんの声だけ耳に聞こえてくる。でも何処か無機質だった。

 

「イヴはこの中に残っている、俺はイヴを星神にしたい。俺たちでは力不足だ、だからイヴだけの世界を作りたい。」

機械人形は少しだけニンギルス兄さんの方を見るがすぐに目を閉じる。まるで自分がイヴちゃんではないと自覚しているかのように。

 

『勘違いしないで欲しいけどあれは私じゃないからね。私はずっと貴方の側にいるって約束したんだから。』

 

「イヴちゃん、声だけ聞こえてるのは寂しいよ。」

僕の声にイヴちゃんの声は返事しなかった。まるで聞こえてないかのように。

むしろ声だけ聞こえてる事に不信感を抱いた方がいいのかもしれない。

僕が考えてるとニンギルス兄さんの機械軍団がアウラム君の後ろにいた人に向かうが

それを回避して破壊する。

 

『戦争だけは回避して、遡亜(そあ)。此処で彼らを失うわけにはいかないの。』

僕は急いで向かう。返事の代わりに僕は行動で示す。

 

「アウラム、お前がひかないなら俺がその力を使ってやる。」

 

「デュエルだ、それで全てを決めよう。」

アウラム君の提案にニンギルスさんがうなづく。

「「デュエル。」」

 

 

「俺は終末の騎士を召喚、デッキからオルフェゴール・カノーネを落とす。」

ニンギルス兄さんが先行取ったようだ。もう始まってしまったからには戻らない。

「そのデッキは一体?」

アウラム君の驚いた声も同時に聞こえる。

 

「カノーネの効果、自身を除外して手札からオルフェゴール・ディヴェルを特殊召喚。」

レベル4が2体、エクシーズかな?

「俺はオルフェゴール・ディヴェルと終末の騎士でリンク召喚。機械の尖兵よ、終末の前に奇跡の扉を起こせ。リンク2オルフェゴール・ガラテア。」

先程ニンギルス兄さんの側にいた機械人形が姿を見せる。見た目はイヴちゃんそっくりにできていた。

 

『お兄さんは私を星神にする為に彼女を作った、でもね。彼女は本当は人格が目覚めてた。新しい命をお兄さん(ニンギルス)は作った。でもお兄さん(ニンギルス)はそれに気がつかなかった。彼女に向かってずっと私の名前を呼び続けたから。』

イヴちゃんの声は悲痛を漂っていた。

 

「俺はオルフェゴール・ガラテアの効果、除外されているカノーネをデッキに戻してオルフェゴール魔法・罠をフィールドにセットする。俺はオルフェゴール・クリマクスをセットと手札から1枚伏せる。俺はこれでターンエンドだ。」

 

「俺のターン、ドロー。」

アウラム君がカードを引く。

「神樹のパラディオンを召喚する。」

アウラム君の側にいた女性が姿を見せる。

「リンク召喚、現れろ。 マギアス・パラディオンそしてマギアスのリンク先に星辰のパラディオンを自身の効果で特殊召喚。」

あれはイムドゥークかな、僕が寝ていた間に成長したのか。

 

「マギアス・パラディオンの効果、自身のリンク先に特殊召喚された時にデッキからパラディオンモンスターを加える。魔境のパラディオンを手札に加える。」

手札減ってないなぁ。

「2体でリンク召喚、現れろレグレクス・パラディオン。」

 

「レグレクス・パラディオンのリンク先に現れろ星遺物ー『星冠』。」

あれがアウラム君の所持していた星遺物。ニンギルス兄さんの場所には星遺物存在していない。

 

「それがお前の星遺物(かくご)か。その覚悟があったならイヴは助けられただろうが今はもう遅い。」

 

「遅くない、もう二度とイヴのような悲劇を起こしてはならない。バトルだ、レグレクス・パラディオンでガラテアを攻撃。」

 

「攻撃力はこちらの方が上だ。」

 

「それはどうかな。レグレクス・パラディオンはリンク先のモンスターの攻撃力を得る。よって、攻撃力3000だ。」

 

「ならば伏せカード発動、オルフェゴール・アタック。ガラテアをリリースし、攻撃モンスターを除外する。」

遠くから見るにカードの絵はニンギルス兄さんとアウラム君が一騎打ちしてる場面だ。

先程も見た光景。

 

「く、だけど今俺のフィールドには星遺物ー『星冠』が残っている。バトルだ、星冠で攻撃。」

 

ニンギルス

LP4000→2000

 

「受けよう、この痛みイヴを失った時より軽い。」

 

「俺はカードを伏せてターンエンドだ。」

 

 

「俺のターン、ドロー。今からお前に俺の更なる覚悟を見せてやる。俺は墓地からオルフェゴール・ディヴェルを除外し、オルフェゴール・カノーネを特殊召喚。そして、手札からおろかな埋葬を発動。」

ニンギルス兄さんの顔が険しくなった。

「俺が墓地に落とすのはオルフェゴール・トロイメア。」

トロイメアはかつてイヴちゃんが自らを闇に落とした時に使ってたテーマだけど何故ニンギルス兄さんまで持ってるの。

 

「トロイメア、悪夢をもう一度繰り返すつもりか。」

 

「それは違う、俺が悪夢を受け入れればいい。オルフェゴール・トロイメアを除外して墓地に星遺物ー『星杖』を落とす。」

オルフェゴール・トロイメアは本当は攻撃力アップの能力もあるが説明はしなかった。

一瞬脳裏に宇宙空間に存在している杖が浮かぶ。アウラム君は驚きを見せるがすぐに表情を元に戻す。

 

「星遺物ー『星杖』を除外、現れろオルフェゴール・トロイメア。」

あれば一体なんだろうか。先程ニンギルス兄さんの側にいた機械人形が不気味な笑いを見せている。

「カノーネとトロイメアでリンク召喚、再び俺の場に奇跡をもたらせ。オルフェゴール・ガラテア。」

ニンギルス兄さんの執念が遠くからでも感じられた。

 

「そして、俺はまだこのターン、通常召喚を行ってはいない。」

これだけ召喚したのにまだまだ召喚するつもりなのか。

 

「俺はスクラップ・リサイクラーを通常召喚。墓地に落とすのはオルフェゴール・スケルツォン。」

カノーネが手札、ディヴェルがデッキならスケルツォンは墓地かな。

 

「俺はスクラップ・リサイクラーとオルフェゴール・ガラテアでリンク召喚。イヴよ、星神を目指す為誘われし者(おれ)を星遺物に落とせ。リンク召喚、オルフェゴール・ロンギルス。」

ロンギルスの持つ槍の向きはアウラム君には向いてない。むしろ、向いている先は僕の方向だった。まさか、僕が星神な訳がない。この世界を僕は何処か知っている、でもそれはイヴちゃんから教えて貰っただけのはずだ。

 

『本当にそうだと思ってるの?違うよね、私は何故君を選んだと思う?私は貴方(きみ)だから選んだんだよ。』

 

「俺は墓地からオルフェゴール・スケルツォンの効果で蘇ってくれ、イヴ(オルフェゴール・ガラテア)。」

 

「俺の効果、除外されている機械族を2枚デッキに戻して相手モンスターを墓地に送る。これがお前に送る手向けだ。」

イヴちゃんを神にしたいのに神を穿つ者と名乗るのは皮肉かな。

僕は何処かでこの光景をみた事がある。そう、僕が1人でデッキ同士を戦わせている。

そこにはイヴちゃんはいなくて、その代わりイヴちゃんのカードが側にあった。

あれはいつだったのだろう、もう戻れないのだろうか。

戻る必要がない事を知りつつ僕は涙を少し流した。




書きながら凄く泣いてました。
アークロード・パラディオンが出てないのは諸事情のためです。
デュエル構成慣れてないので難しいですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。