イヴちゃんさえ生きてくれたらいい 作:イヴちゃん凶愛者
『リボルバー・ドラゴンの効果、お前の裏側守備モンスターを対象にして破壊する。』
効果は運試しだと思ったが此処は現実ではない故に出る結果全てを操作できる。
そしてこの勝負の違和感に気づいてしまう。
クロックワークナイトは相手の攻撃力を500下げ自分の仲間の攻撃力を500アップする効果もある。つまりこの勝負は僕が勝つようにできている。そして何者かがこの勝負を見ている、画面で見ているのかログを見ているのかはわからない。けれど少なくとも僕の仲間だ、ライトニングさんなんだろうか、いやその説明が正しいのなら出会った時に説明をするはずだ。そもそも此処はSOLテクノロジー社、敵の本拠地だ。
SOLテクノロジー社が内部分裂しているという話も聞かない、内部分裂をしていればそもそも公になってるはずだ。
「そうはさせない、機怪神エクスクローラーの効果発動させてもらう。自身が対象になった時表側守備表示に変更して効果を無効にして破壊する。」
人生は何が起こるかわからないから面白いんだ、出る結果を疑わず受け入れる事が正しいとは思えない。
『君は未来を越える事ができるか私は楽しみだ。私はこれでカードを1枚伏せてターンエンドだ。再び君にドラゴノイドトークンが2体やってくる。』
伏せカードはなんだろうか、今発動しないという事は発動できないのだろう。
「僕のターン、ドロー。」
ここまで発言をして遂に吐き気を催す。今すぐに出ていけば後遺症を患わない今なら間に合う、手が震えていた。
死ぬのなら最後に君に会ってから死にたかったな、ずっと君が好きだった。
「スタンバイフェイズに紫宵の機界騎士は帰ってくる。」
全てやり遂げたのならイヴちゃん、君は傍にいてくれるよね。
「さらにドラゴノイドトークン2体をリリース、現れろ星遺物ー『星櫃』。」
これで僕を信じてた者を呼び出す事ができる。
「僕は自分フィールド上に3体でリンク召喚、現れて。星神器デミウルギア。」
デミウルギアがフィールドに現れた時、現実世界の壁が見えた。現実世界へ手を入れようとするが冷たい、この感触は何処から感じるのだろうか。
ログインした自宅の光景でもない、一旦見えている場所はどこだろうか
心電計の音が聞こえてくる、それ以外の音は聞こえない。誰の心電図だろうか、今自宅にいるはずだから僕ではない。
左目で見ている光景はデミウルギアと対戦相手だけ、違和感を拭えない。
この考えてる間の意識ははっきりしている、それなのに吐き気はなんだ。これは恐怖心だろうか、説明もつかない感情が僕を覆い始めた。
『どうした、言いたい事があるならはっきりと言ったらどうだ。』
「貴方は一体何者なんだ、どうしてこの場所を守っている。」
ここは仮想世界だ、気分が悪くなったところで当たりを散らかすことはない。
『お前には関係ない事だ。』
結局聞いても答えてくれないのなら意味がないと僕は悟ってしまう。
「僕は何故此処にいる、何をすればいいのだ。僕はデミウルギアの効果、フィールド上のカードを全て破壊する。」
まだ何か大事な記憶を忘れている、こんなにも記憶の欠如があるのはおかしい。
「墓地にある星遺物との交心を除外し、効果発動する。デッキからクローラー・ソゥマを特殊召喚する。」
これですべてを終わらせる、覚悟はもうできたから。
「バトルフェイズです、クローラー・ソゥマでダイレクトアタック。」
機械王
LP4000→2000
差し伸べる手はもうないから、君の手はもう取ることはできないから。
「星神器デミウルギアで止めだ、ダイレクトアタック。」
ごめんね、貴方となら上手くやっていける気がしたんだ。でも君には疑念がない、なぜ戦うのかもわからないのなら何も答える必要はない。
『私の…負けだ。』
その機械音と共に出口は解放された。先ほど見た光景はなんだったのか気になったが今は出る事が最優先だ。出口を潜る時にライトニングさんの声が響いた。
「遡亜は失敗した。」
僕が何を失敗したと言うんだ、僕は僕のやりたいやり方でイヴちゃんのついでに世界の真相を知る必要がある。
『我々はイグニスを分解し、一刻も早くイグニスアルゴリズムの真相を究明しなくてはならない。』
鴻上博士とは違う人の言葉が紡がれた。イグニスさん達を傷つける事は許さない、あの人達がいたから僕はイヴちゃんと一緒にいられて前を向けたんだ。一刻も早く出口へと向かう、取り返しのつかない事を2度と起こさないためにも。
僕はログアウトプログラムを実行し現実へと戻ったのだった。