転生したらカカロットだった件について   作:てきとーてきとー

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 性格変わってないか?
 と思うかもしれませんが本来の性格に戻っただけかもしれません。

 隙あらば自分語りする変態が、そこに居た。
 前話でカットしたことを端的に纏めたとも言う(´・ω・`)


俺が孫悟空になってから

 俺が俺として生きるようになって幾星霜。

 前世の記憶よりも長く生きて、精神の比率が前世()ではなく孫悟空()に傾いていた。

 

 そうしてふと、自分を振り返る。

 自身の平穏の為に修行し、生きる日々は辛くもあったが楽しくもある。今にして思えば俺という人間が歩むには波乱万丈だった。

 

 亀仙人に弟子入りする際には、俺も人魚を連れて来たかな。

 それで「文字通り(下半身が)ぴちぴちギャルだぞ、喜べ亀爺(カメじじい)」と思っていたっけ。

 今となっては苦い思い出かな。女性との付き合い、というかナンパなんてしたこともなかったから緊張して張り切ってたんだ。

 

 鶴仙人の道場に忍び込んで技術を見て盗むこともしたな。

 何せ舞空術、気功砲、太陽拳と有用な技術の塊だから、どうしても会得しておきたかったんだよな。それを考えれば鶴仙流は、後の戦いで大いに貢献していると言える。

 

 そんなことをして修行に時間を割いたからフライパン山の炎を消すのが遅れたっけ。

 炎を消す為に鍋敷きに使われて捨てられる前に回収した芭蕉扇を前もって回収しておいたからな。芭蕉扇で消えなかったらどうしようかと思ったが三回煽いで豪雨を降らせると鎮火することが出来た。

 最初の大風で炎の勢いが強まった時は「これ駄目なんじゃない?」と疑ったよ。

 

 感謝する牛魔王が余計な(娘を嫁にやる)ことを言う前に、話を切り上げて逃げたかな。

 確か逃げた理由が、本人の知らぬ所で勧められる縁談というのは頭に来るだろうと思ったからさ。そのせいで第23回天下一武道会でモンスター(比喩表現)が誕生して面倒だった。

 

 フライパン山から逃げる途中で触れた相手を人参にする兎が襲来したけど「こんにちわ、死ね!」で倒した。

 俺を()でなくさせる力を持っている相手だから過剰反応したんだ。手を差し出してきた際に如意棒で叩いたら骨が折れたんだっけ。詳細は忘れてしまったな。

 

 その後に次の修行場として聖地カリンに赴いたかな。

 カリン塔の攻略タイムは五分程度。この時点で反則技(舞空術)無しのタイムとしては早かったと思う。試練として超聖水を奪取する試練も一瞬で終わったし。

 

 そこでカリン様が俺の心は読めなかったのは、結果としては良かったかもしれない。前世があって原作の知識があるなんてことを知られるのは嫌だったからさ。

 

 ああ、暫く修行に打ち込んだ後に超神水を飲むに到ったけど、再び飲むのは御免だ。

 確かに猛毒で苦しむけど腹痛が辛かった。吐き気なんかよりも下痢でう○こ漏らさないようにするほうが遥かに辛かった。腹痛で神様に祈るなんてことは久々だった気がする。阿呆らしいかもしれないが、お祈りに効果はあったのかもしれない。

 

 超神水を飲んでからかな。

 本格的に俺が俺になったというのは。

 

 孫悟空が特別な能力に目覚めたりするけど、俺だからなのか他にも様々な能力に目覚めていた。特に魔法が使えるようになったのは、カリン様が驚いていたっけな。

 

 俺も驚いていた。

 別の意味で。

 

 使ってみた感想が「これドラゴンボールじゃなくてドラゴンクエストォ!?」だからな。

 名前が似てるからとか絵柄のデザイン繋がりとか、決して無関係じゃないけど何故そこでドラゴンクエストなのか。確かにドラゴンボールの世界は元々、ギャグ漫画路線だったからって……――という感じで困惑したんだ。

 

 気だけじゃ炎や水なんて出せないし、回復魔法とか使えるから今後の戦いには大いに役に立ったんだけどさ。

 蘇生魔法があるし、良いこと尽くめだと喜んだんだけど糠喜びさせられたよ。蘇生魔法は使えたもんじゃないねって。

 

 ドラクエで思い出したけどピッコロ大魔王戦で「大魔王からは逃げられない」になったかな。更に「これはメラゾーマではない。メラだ」ということもあったような……?

 俺は頭が良いわけじゃないし、詳しくは覚えていない。ノリノリで勇者を演じながら腹に剣をぶっ刺したことは覚えてるんだけど本人に聞いてみようか。生まれ変わりって転生と一緒のようなものだし親近感が沸くんだよね。

 

 カリン塔を去る前に仙豆の栽培を頑張ってほしいとお願いした。

 ドラクエの回復魔法が使えるようになったけど、元々は仙豆のお世話になる予定だったからね。

 結果論なのだけど、お願いして損は無かったと思う。魔法が使えない状態の時には必須だった。

 

 カリン塔での修行を終えた俺は成果を亀仙人に見せに行った。

 何度かの打ち合いで手の内を曝け出して行く内に、萬國驚天掌を放ってきたので萬國驚天掌返ししてやりました。それで殺すことになりかけたのを見て、俺は大分強くなったことを実感した。

 

 ピッコロ大魔王は倒せると思ったのだが、それでは足りないと感じていた。勿論、サイヤ人の生き残りが遠くない未来に襲来することを知っていたからだ。

 

 これは爺ちゃんや亀仙人、カリン様にも話した。

 だからこそ、俺は一緒に戦える仲間を求めて第20回天下一武道会に参加した。

 

 俺程度では一人で戦い続けることなんて出来ないと分かっていたからね。

 俺は武道家としての素質を見る目が無いらしい。なので亀仙人に同行してもらい、出場選手の中からスカウトすることにしたんだ。

 

 で、有望な若者は現れなかった。

 

 第20回天下一武道会にて七歳の最年少で優勝を掻っ攫った。

 歴史に残る快挙を成し遂げるに到るが、その際に素質ある若者は居なかった。八手拳使いのチャパ王には期待していたのだが……ただ、一撃で終わって病院搬送とだけ語っておく。

 

 天下一武道会に参加してから次の天下一武道会まで5年の歳月があるので、俺は力のコントロールに明け暮れていた。

 魔法は今まで扱ってきた気とは全く違う全く異質の力。師匠も存在せず、常に手探り感覚。ただ亀仙人も手伝ってくれたので、一人善がりで苦戦し続けるよりは捗ったとは思う。

 

 バイトを兼ねた修行でお金も稼げたし。

 

 そうして十歳になる頃には魔法も大体は使えるようになった。

 ただ魔法は他人に教えられるものではないことが判明したのは僥倖だったと思う。

 

 亀仙人が言うに修行すれば使いこなせるようになる物ではないとのこと。本当なのかどうか、今まで他の人にも教えようとしたが誰も出来なかった。

 

 俺しか使えない異能。

 この世界での神様ではなく本当の神様が存在し、転生特典を授けたのであれば、この魔法が転生特典なのかもしれないと思えた。

 

 修行が切り良く終わったから成果を見せようと、久々に家に帰ったら痩せ細った爺ちゃんが出迎えてくれたんだ。

 

 天下一武道会から三年の月日。

 以前とは比べ物にならない程、それこそ一般人以下に弱々しい気。気の扱いに長け、様々な力を得た俺には、もう長くはないと悟ることが出来た、出来てしまった。

 安静にさせたかったが俺の修行の成果が見たいと一点張りする爺ちゃんの気迫に押され、俺は応じることにした。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

 その後に俺が爺ちゃん(孫悟飯)を爺ちゃんと呼ぶようになったかな。うん、あんまり覚えていないや。

 

 そこからは新たに覚醒した力(超サイヤ人)の制御の為に二年間の間、ずっと修行に打ち込んだ。

 平時の状態で、それこそ寝ている間すらも使うように努めた。それこそ人造人間と戦う為に精神と時の部屋で修行し、超サイヤ人を維持したまま自然体でいられるようにした、あの二人のように。

 

 明確な形があるが故に俺でも制御することが出来るようになった。

 実際、初めて使用するに到ったのはピッコロ大魔王戦で、望遠カメラの撮影による見バレを恐れての変装が初めてだった……。

 金髪の不良になってしまったという位に変貌するし、そういう下らない使い方をするのが俺という人間なんだ。

 笑っちゃうよな。孫悟空にしろベジータにしろ、サイヤ人は舐めプ癖があるけど、俺もその()が移ったということにしておきたい。

 

 二年の月日が流れて――運命の歯車が動き出したというべきか。

 

 頑張って舗装した道を通って、ブルマが訪ねてきた。

 本物と違って車ぶん投げて攻撃したりしてないのもあって、第一印象が悪いわけじゃなかったから、その後の関係も良好だよ。

 

 懐かしいな、うん。

 昔の事だから色褪せている部分も有るけど懐かしい。

 

《遠くの地で、お前を呼ぶ者がいる……》

 

 唐突に声が聞こえた。

 シェンロンか。久々に声を聞いたな。

 

 邪悪龍を考慮して使用回数を少なくしたから会う機会も自然と少なかった。

 正確な数は覚えていないけど最初の「ギャルのパンティおーくれ!」を阻止。俺の願いを言ったんだけど「それは出来ない」と拒否されて"喜んだ"んだ。

 代わりの願いを原作を崩す一手のつもりで言ったんだったんだけど、空回りして裏目に出るとは思いもしなかった。クリリンを殺させずに済んだから決して全部が全部、悪くは無かったかもしれないけど。

 

《強き戦士、孫悟空よ》

《さあ、この地に姿を見せるのだ》

 

 ……そうか。

 こんな孫悟空()でも必要とされるんだな。

 

 頭にバンダナ巻いて、伊達眼鏡を掛けて行こっと。

 サプライズも大事だしさ。

 

 

―――

 

 

 トキトキ都と呼ばれる世界。

 この世界の空は深夜のように黒く染まった。

 

 事前告知がされていた為、この世界に住む者達は特に驚いた様子はない。物珍しさに関心を寄せる程度であった。

 

 この世界にも七つ集めれば願いを叶えるドラゴンボールが存在する。そのドラゴンボールは今、広場の中央に存在する台座に納められていた。

 納められたドラゴンボールは強く輝き、願いを叶える伝説の巨大な龍――シェンロンが降臨している。

 台座の近くには呼び出した張本人であろう、黒いロングコートに身を包み、剣を背負った青年がシェンロンを見上げていた。

 

「俺と共に、時空を越えて戦ってくれる強い人を連れてきてほしい!」

 

 青年の名前はトランクス。

 彼はこのトキトキ都で働く、タイムパトロール隊員だ。

 

 このトキトキ都の、とある異変を解決すべくシェンロンに願いを言うのであった。

 事件を解決して欲しいと願ってもシェンロンの特性上、己を創造した神様の力を超えた願いを叶えることが出来ない。故に事件を解決する為に、戦力を欲する願いを言ったのだ。

 

《承知した》

 

 連れて来るだけならば神様の力を超えた願いではない。

 出来ないことではないと、シェンロンは願いを叶え始める。

 

 シェンロンの赤き瞳が妖しく光ると、地面に光の柱が穿たれた。

 やがて、その光が収束すると一人の強者が姿を現した。

 

 一見すれば人間の男だろうか。

 服装はファンタジックな冒険者のイメージを持たせ、その背中には無骨(ぶこつ)(つるぎ)を背負っている。

 頭にはバンダナを巻き、その髪の毛を抑え込んでいる。眼鏡を掛けて印象を和らげているが、その目の鋭さは獣に近い。

 更に体の隅々まで鍛え抜かれ、服の上からでも分かってしまう程の逞しさを醸し出す。武術の心得がある者は一目で、武術の達人だと悟ってしまう凄みがあった。

 

《では、去らばだ……》

 

 願いを叶えたシェンロンは消え、ドラゴンボールは回転しながら浮かび上がり、この世界の何処かへ散り散りに飛んでいった。

 不思議な光景は幻だったかのように。空は本来の明るさを取り戻し、日常に戻っていく。

 

「驚いていますよね――って……あれ? もしかして……悟空さん? 何で悟空さんが呼ばれたんですか?! いや、待てよ……この気は少し違うような?」

「……何でだぁぁぁぁあああ!!!!!」

 

 呼び出された彼は両膝を突き、地面を手に当てて項垂れて叫ぶのだった。




ザ・後書き

 前回より遥かに文が短くてショボンヌ(´・ω・`)
 前話の後書きのヒントを見た人で正解者がどれ位居るのやら。

 答えはゼノバース。
 ギリシャ語でゼノという意味がヒントでした。

 タグにクロスオーバーを追加。ドラゴンクエストの魔法がメインです。
 更にゼノバースを追加しないのはネタバレしないためでもあります。但し続きを書いた場合は追加予定。

 孫悟空(IF)の服装はドラクエ8の主人公と殆ど同じです。
 髪を黒くして、目付きをバーダック似にして、長袖じゃなくて、筋骨隆々にすれば大体合ってる。

 活動報告に転生特典の公開しました。
 全てではなく一部だけで名前と代償、ヒント程度ですけど。

 続きを書くか決めてはいませんが
 過去(ダイジェスト)→現在(ゼノバース)
 という流れで書くかもしれません。

 実は最初、ヒーローズ路線を考えてた。
 暗黒魔界ミッション編を買って読みたいです。

 カリン塔での腹痛の件は、書いてた時にリアル腹痛で神様に祈ってたんですよ(´Д`)













 次回予告。

 おっす、オレ孫悟――いや待て、バレた訳じゃない。
 あのパンツ野郎――じゃなかったトランクスは気が少し違うって言っているぞ。本物と違って魔力を持っているから確信が持てないんだな。

 このまま知らぬ存ぜぬすれば大丈夫だって!
 騙すなんて、よゆーよゆー。俺の演技力は53万だからな!

 次回ドラゴンボール外伝。

『え? 貴方って、まさか孫悟空?!
 これじゃ歴史修正出来ないじゃない?!』

 ぜってぇ読んでくれよな。












 殆ど嘘です(・´з`・)

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