あれからー、十一日立ちましたー。
はい!もう十一日ですよ!?十一日!日にちが経つのは早いですねぇ。
この海底神殿に居ると地上がどうなっているのか分かりません。
沙織達は無事でしょうか?
聖域に居れば安全でしょうけど心配です。
いえ、確かまだ日本の城戸邸に居るのでしたっけ?
うーん、流石にこの辺りはうろ覚えですねぇ。
沙織がこのポセイドンの海底神殿に海将軍、セイレーンのソレントと来るのは…………。
あれ?もしかして今日?
ええーっと……、城戸邸にテティスが来てー、星矢が瀕死の状態なのに(原作では。ですけどね)助けに来てー、沙織が看病してー、アルデバランが来てー、ソレントが来てー、アルデバランが負けてー、ソレントが沙織にポセイドンの所に連れて行けって言ってー……。
あ、やっぱ今日ですねー。ってぇ!!
「そんなのんきに言ってる場合ではないのです!!」
このままではまた沙織が危険な目に!
諦めずに何度か脱走し続けて外にはなんとか出れますが海底からの脱出までは出来なかったんですよねぇ。ちくせう……。
え?海闘士達にはバレなかったのか?ですか?
ふっ、私の特技をお忘れか。小宇宙を極限まで下げて動くことが可能です!さらに!聖域でのこそこそ生活で培った隠れての移動も出来ます!
抜け出す事は出来るのです!抜け出すだけですけどね……。
こんな海底で星矢達ってどうやって帰ったんですかぁー!!誰か教えて、ヘルプミー!
そんな風に悔し気にベッドに項垂れていると
「どうした」
ノックも無しにカノンが部屋に入ってきました。おや、兜はもう外してるんですね。
「カノン、ノックしてもしもしして下さいよ。乙女の部屋ですよ」
「すまないが、何処に乙女が居るんだ?」
こやつ……、無言の腹パン食らわせてほしいんですかねぇ?
「この十一日間、脱走しまくる乙女なんぞ居てほしくないんだが」
「……ぴー、ぴーっぴぴー」
「……誤魔化すのも口笛も下手だな、お前。出来てない上に口で言ってるじゃないか」
うるせーですよ!下手っぴなのは知ってますー!あと、なんですか!顔が笑ってますよ!
「報告があって来た」
「……なんですか?」
「アテナが来たぞ」
は?なんですと!?早くありませんか!?
「沙織がですか!?」
「……ほう、アテナの人としての名を呼び、尚且つ呼び捨てとは。余程お前達は仲が良いと見える」
うっ、しまった。思わず”アテナ”ではなく、”沙織”と呼んでしまいました……。
来る事は分かっていましたが、それはもう少し後だと思ってました。
とにかく、今は沙織がどうなっているか聞かなければ。
恐らく、今、地上に降っている大雨の勢いを抑える為に、この海底神殿の中心の柱、メインブレドウィナに入ってしまうハズ。
「良いだろう、教えてやる。今、アテナはある場所で地上に降る大雨を抑えている」
「代わる事は?」
「出来ない……不可能だ」
出来れば止めたい……。私が代わってあげたい。
でも、それは出来ない。状況が許さない。……言い訳ですね。
あの子の精神的成長の為にも我慢しなければならないのです。
これは沙織……いいえ、”アテナ”。地上を守る女神に降りかかる神々の試練でもあるのだから。
「カノン。いい加減、私を出してもらえませんか?沙織の……アテナの傍に居たいのです」
「何を言っている」
「許可が出ないと、今度は貴方に見つからない様に徹底的に隠れるし、場合に寄っては、私が此処に居る事を知らないポセイドンに会いに行って速攻でバラします」
「お前もただでは済まないぞ?」
「覚悟の上です」
っていうか、此処に居る以上、覚悟が出来てないと始まらない気がしますが?
なんて思っていると、カノンは一度目を閉じて開きます。
「ダメだ」
「ダメなんかいぃ!!」
そこは許可を出すところでしょーがぁ!!
「今のこの状況でお前を外に出す気はない」
そう言うとカノンは兜を被り、部屋を出るとガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャンと……って多いんですが!?
「って!このガチャンってなんの音ですか!?」
扉の向こうのカノンは扉越しに言いました。
「南京錠の音だが」
「多いですよ!」
「お前相手には少ない方だ」
こやつ、分かってやがるです……!!
今までは、扉のノブ(棒状のノブで、掴んで廊下側に引っ張って開けるタイプ)に鉄の板を挟んで引っ掛ける様な扉の閉め方だったのに、今更鍵のかけ方を変えるとは!カノン性格悪くなりました?
え?よくそんな状態で抜け出せたなって?サイコキネシスで少しづつズラして外しました。
外し終えて鉄の板を落としたら甲高い音が出て、この神殿?の外に居る海闘士達に聞こえてしまったら、私の事バレるじゃないですかー。バレたら相当面倒です。
扉の前で耳を澄ましていると、しばらくしたらため息が聞こえ、扉から遠ざかる足音が聞こえて消えました。チャーンス☆
「さて、もう少し様子を見て脱出せねば……」
本当は今すぐにでも行きたい所ですが、早く出るとカノンに勘付かれてしまいますからね。今はまだ慎重に、慎重にですよ!
□■□■□■□■□■□■
さて、そろそろ良いでしょう……。
なんか地響きも聞こえてきますし、恐らくメインブレドウィナを壊して沙織を救う為に、世界の大海を支えている七本の柱を壊さないといけないんで、それぞれ柱を守る海将軍と戦ってるハズですけどー……。
「なんか、壊すの早くないです?」
だって、この地響きが聞こえだしたのってさっきですよ?
そろそろ抜け出す頃合いかなー?って思っていたら、いきなりですよ。
しかし、こんだけ派手に壊しているなら遠慮はいりませんね!!
私は扉の前に立ち、深呼吸して、ある人物の必殺技をお借りする事にしました。
「いきますよ!」
扉相手ですが、間合いを取って……
「……エックス!カリバぁぁぁあああああ!!」
そうシュラの聖剣をお借りしました。前にも言った通り、私は威力こそ本物より弱いですけど、見た事のある必殺技であれば真似できます。
そして、今こそ真に脱出する時!この部屋に居るのも最後。派手に出て行ってやりますとも!
正にザシュッ!ザシュッ!ドゴォォオオンッ!!という感じの破壊音と共に扉は細切れ、やってやりましたです!
「さて、兵士としての海闘士達に勘付かれる前に行きますか。沙織!待ってなさい!今、私が行きますからね!」
そう独り言を言って、早足で沙織が中に居るであろう、メインブレドウィナへ向かうのでした。
□■□■□■□■□■□■
「はぁー、大きいですねぇ」
もう隠れる必要もないので堂々とメインブレドウィナの近くまで来ました。
え?そんな堂々として良いのか?海闘士達はどうしたのかです?
え?そこの地面で寝てますが何か??(ニヤリ)
これくらい軽い軽いですよー。私を誰だと思っているんです?
「こ、これは……貴女!そこで何をしている!」
しばらくメインブレドウィナを見つめていたら人魚姫のテティスが現れました。
「貴女、一体どこから……?」
「どこからでしょうね?」
ちょっと様子見でからかってみましたがお気に召さなかった様で、ムッとした顔をして睨まれてしまいました。おおう、すみません。
「此処がこの海底神殿での一番の神聖な場所と知っていて、此処に居るのか!」
「はい」
「ならばここから去れ!さもなくば……」
そう言うとテティスは戦闘態勢に入りました。うーん……。
「えーっと貴女、私を知らないんです?」
「いきなりなんだ?知る訳がないだろう」
この反応……、私が元黄金聖闘士であった事知らないとみました。
やだ、私ってば影薄い……?
とりあえず、今の役職を名乗っておきますか。
「私は真名。地上を守るアテナの補佐にして相談役、”フクロウ”の役職に付いています」
「……アテナの従者か」
「まぁ、そんな所ですね」
私がそう発言するとテティスは更に警戒してこちらを睨んできます。
しばらく見つめ合っていると
「テティス」
「な!ポ、ポセイドン様!いけません、此処から離れてください。アテナの従者が……!」
「良い、下がれ」
「……はっ!」
ポセイドン……ジュリアン少年に言われて下がるテティス。
さて、沙織以外の神、海皇ポセイドンの依り代の登場ですね。
「沙織さん……いや、アテナの従者だったのですね。付き人の方」
「そうです。私の大事な、だいーじな!女神様の従者です」
「な!貴女、ポセイドン様に失礼ですよ!」
「良い、テティス」
「……は、はっ!」
ジュリアン少年と見つめ合っていると、先に発言したのはジュリアン少年でした。
「…………不思議だ」
「 ? 」
「アテナと会った時に感じた事が貴女にも感じる……。どういう事だ?」
「は?」
この人、何を言って……
「貴女も古代ギリシアの神々な「いやいやいやいや、ない!なぁーい!それはない!」」
どきっぱりと言い切ってやりました。
いくらなんでもソレはない!だって、設定モリモリにもほどがあります!
「しかし……」
「ジュリアンしょ……ごほん、ポセイドン、貴方、流石にソレはないですよ」
だって、私はココじゃないどこかから若返りトリップでこの世界に来たんですよ?
いくら私が孤児でもそれはないですよー。
……え?聞いてない?聞かれてませんでしたし、気にしてませんでしたからねぇ。
今はそれどころではありません。さて、どう切り抜けるか……。
さていきなりジュリアンさんからの「貴女も神?」発言!
果たしてその言葉の意味は?
謎ですが次回をお待ちください。
もしかしたらもっと謎が深まるかも……?
次回も遅くなりそうですが頑張って書きますので、見守っていてください。
お願いします。