この小説は初投稿ですので拙い文章ですが予めご了承ください。
※注意事項
物語上、過激な暴力表現がございます。
(グロなどR18G的表現が含まれます。)
苦手な方はブラウザバックをお勧め致します。
副隊長!どうか!どうか!
『うるさい』
副隊長、貴方しか頼れる人はーー!
『無理だ』
副隊長!副隊長!副隊長!副隊長!副隊長!
『黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ』
副隊長!!
『僕は、何も出来ないんだ、構わないでくれよ。』
ピピ、ピピピピ、ピピピピピピ
あぐぁぁ、うるせぇ...
眉間に皺を寄せ、手を適当に上下させ鳴いてる物を探す。
目は開けない、何しろまだ眠いのだ、悪い夢を見てた気がして全く寝れた気がしないんだ。寝かせろ、寝かせてくれ。
ピ....ッ
あ、押せたぁ...
「てことで、おやすみ。」
と眠りにつこうとすると、直上から真下に位置するであろう僕の耳に
「なーにーがーッ...」
と、声が聞こえてきて、頭が認識した時
「おやすみぃ...よッ!」
バシン!バサァ!!
うわ寒っ。
「...さむ。」
「起きて、昼よ?」
「えぇ、またまた、ご冗談を...」
苦笑いしつつ目線を先程まで鳴いていた機械に向ける。
んぅ?おかしいぞ?
なるほど、そうかそうか、これは。
「時間がズレてるね、これ。」
「そうよ、今更鳴るからこっちがビックリよ。」
なるほど、昼なのに鳴ったからビックリか、なるほど。
それよりも重要なのは眠気だ、非常に眠い。
野営で見張りしてる時くらい眠い。
「そうか、じゃ、おやすみ。」
どうでもいいから寝よう。僕が寝た所で何事にも差し支えないだろ。
「シレッと寝転がるなバカ!」
バシン!...痛てぇ
って僕に痛覚が残っていたなら言えたのだろうが、どうも痛くない。
「わかった、おきるよ...zzz」
「分かってないじゃん!?」
あぐぁあ、起きてもうるせぇじゃん。潔く起きてしまおう。
「ごめんごめん、今起きる。」
といつもの低いトーンの声で起き上がる。
「全くもう、らしくないわね。」
「そうかい?」
「.......。」
むむむ、尋ねたら呆れたような顔をされた。
一つため息をつき、隣にいる少女はメガネに軽く触れて位置を戻す。
ひとつ動作をすれば銀色の髪がふわりと軽く揺れ、ついつい目が奪われる。
少女は顔を俯きがちに上目で前に視線を送りまた一つため息。
目線の先に椅子に腰をかけ、新聞紙を片手に足を組み優雅な姿勢で珈琲を嗜むクールな男性の姿。
テーブルにはトーストとマーガリンが置いてあり、髪は若干クセがついてしまっている。恐らく彼も寝起きだろうな。
「ん、一夜、起きたか。」
少し頬を緩ませ、爽やかな顔を見せてくれる
「えぇブロードさん、おやすみなさい。」
「何を言っている、こんにちはだぞ?」
「ね゛ぇ゛えそういう問題じゃないでしょ?!」
「そうか?」
「そう?」
おや、偶然にもハモった様だ。
顔を見合わす、どちらも真顔。うん、いつも通りだ。
「2人とも寝坊よ?寝坊。」
そうか、寝坊か。
ブロードさんと目を合わせると、彼は首を傾げて片手の珈琲をテーブルに置く。カップがコトリと音を立てテーブルに立つと同時に珈琲に波紋が走って波が立つ。彼の顔を見ると凄く穏やかな顔だ。
その爽やかで穏やかな表情の彼は、スラリと綺麗に疑問を少女にぶつけて見せた。
「アイシャ、起きる時間は決まってないぞ?」
百里あり、グッドタイミングだ、隙は逃さん。
瞬時に頭で判断し、脊髄反射と同レベルの感覚で合いの手を入れる。
「確かに、てことで寝ますね。」
「あぁ、おやすみ。」
「なんでそんなにテンポ良すぎなの?!」
アイシャと呼ばれた少女はいつも通りのキレのあるツッコミ。
流石はアイシャちゃん、今日も元気がいいね。
「腹減った。」
おっと、まずい、思ってる事と
「一夜、アンタねぇ...」
「ふふ、一夜らしいな。」
「その人らしいって抽象的で良く分かんないですよ。」
冷蔵庫の戸を開けて袋に入っている山形の食パンを出す。目線の高さ程にあるオーブントースターの戸を開けてパンを寝かせる。美味しく焼けろと念を入れ、ダイアルを5にして加熱を開始する。
「一夜、マーガリンと高糖度ジェルA、どっちが良い?」
いつの間に冷蔵庫の戸を開けていたアイシャちゃんは、冷蔵庫の中から
少し目を細めながら5秒程考えて、僕は頷きアイシャちゃんの問へ返答をする。
「いちごジャムで。」
甘いの、大好きなんだ。
アイシャちゃんはムムっと顔を顰めて左手に持っている
アイシャちゃんは俯きがちにプルプルと首を横に振る。銀色の髪がバラバラと感情的に揺れると淡い光がそれに反応してキラキラと光る。
髪の質が余程良いのだろう。少し羨ましい。
「私は認めない、これがいちごジャムなんて認めない。絶対に。」
なんの事でそんなに首を振ってるのかと思えば、そういう事か。品目の名称など些細な事だろうに。
そう思いつつ、少し子供じみたワガママに非常な現実を叩きつけてしんぜよう。...最低だな僕。
「ワガママ言わない、それはいちごジャムだ。」
「認めないわよっ!」
んぅ、予想外に必死で切実な声だ。僕には出せない。
アイシャちゃん、余程本物のいちごジャムが好きなんだろうな。
「こんなめちゃくちゃに改良されて自然の甘みが約25%程で残る75%が人工甘味料のジャムがいちごジャムなんて絶対に認めないんだからね!」
「まぁアイシャ、そう言わずに...」
宥めるブロードさんを背にしてトーストした食パンにジャムを塗ったくりかぶりつく。後ろからはブロードさんがムムムッと顔を顰めて膨れているアイシャちゃんの頭を撫でつつ何かを言って説得しているようだ。
僕としては、人工甘味料だろうが自然甘味料だろうが今じゃほとんどの味覚が死んでいるから変わらないんだよな。
僕は遠い目で澄んだ空を眺めていると、唐突に背後から気配を感じた。
「ーーーーッ」
「...フッ」
短く息を切る音が聞こえると耳にはドタンと激しく転倒する音。
視線は何故か上を向いている。
「???」
純粋な困惑、一体何が起こった?
視線をめぐらせると、すぐ右の方にブロードさんが立っているのが見えた。僕が見上げている形だ。
ブロードさんは少し呆れたような溜息をつき僕の方を見ている。
「危ないだろ、一夜。」
「...はい?」
「急に攻撃なんて仕掛けてくるもんじゃないぞ。ここにはお前と俺とアイシャの3人しか居ないんだから、何も警戒をするな。」
あぁ、なるほど。合点がいった。
僕は唐突に感じた気配に無意識に反応し右腕を使いその気配を消そうとしたのか。
だが、相手がブロードさんであったため技量が上なブロードさんが逆に僕をひっくり返したのだろう。
「すみません。」
「いや、俺は全然平気だ。」
こんな状況でもブロードさんは汗ひとつかかない。目が肥えているとでも言うのか。互いに経験は10年を超すが潜った場数がものを言うか。元特殊機動部隊である僕よりも元正規軍所属の部隊であるブロードさんの方が出撃頻度は高い。
そう考えると経験に差が出るのも無理はないか。
再び頭上のブロードさんにピントを合わせる。彼は眉間に皺を寄せ少し難しい顔をしていた。
「一夜、今日は少し様子が変だぞ?」
ブロードさんはふと思いついたかのように、目下の僕を見ながら尋ねる。
「はぁ、そうですか?」
「うむ、顔色も優れてないようだ。どこか悪いのか?」
僕は自分の調子を再確認するため、上体を起こしそのまま胡座をかいて目を瞑る。
僕の感覚神経はいつかの戦いを境に半分以上が一気にプツリと切れた。その日からというもの、自身の能力値が上がると同時にどこかの神経が欠落している様だ。例えば運動能力の上昇と共に味覚が狂ったり、反射神経の向上と共に痛覚神経が低下したりという感じだ。
どこが成長すればどこが無くなると言うのは決まっておらず、どこかが増えどこかが減るようだ。
それ以外特に何も無い。ブロードさんはこの事を知っているはずなので、僕はあえて何も言わず首を横に振る。
「んむ、そうか。」
と言いつつ疑いの目が僕を射抜く。
「そんな目で見たって何も無いものは無いですよ。」
素っ気なく答えて立ち上がった。
ブロードさんは尚も納得のいっていない表情だが、僕は気にせず背を向け次の戦いに備える為自室に向かおうとする。
しかし、ふと足が止まった。なぜ止まったのか自分でもよくわからない。
「...もしかしたら、夢を見たからかも知れませんね。」
何故か、そんな関連性があるかも分からないことを口からこぼしてしまった。その言葉の真意はわからない、けど自身の感覚からするにこれは今の自分の意思ではなくて、恐らくとうの昔に失った僕の感情のひとつが言わせたのだろうと。
ブロードさんは真っ直ぐ僕の背を見ている。その目は真剣だった。
ひとつ頷き、ブロードさんは歩を進める。
「一夜、良ければその話、聞かせてくれないか?」
「入隊当時のことです、面白くないですよ?」
「俺はお前がいつ入隊したのかは知らない、お前についても何もわからない。」
「知ってどうするんです?」
「理解するだけさ。お前という人間がどのような覚悟でその道を歩んだのかを。」
僕は悩む、できれば思い出したくない。
視線を彷徨わせ、アイシャちゃんを見る。
「.....。」
黙ってこちらを見ているアイシャちゃんの目からはブロードさんと同じくものを感じさせた。要は2人とも知りたがっているわけだ。
僕は、ため息をして両手をあげる。降伏の意を示すものだ。
「わかりました、2人には負けたよ。」
そうなんでもない風に答えて向き直り、2人に目で着席を促す。
2人とも頷き椅子に座って僕を待つ。
「じゃあ、聞いても後悔しないでくださいね?」
そう言いながら僕も着席する、その言葉は僕自身にも向けたものだ。
恐らく僕は話し終われば後悔するだろう。
そう思いつつ目を瞑り、僕は振り返る事を止めない。振り返らなければ、この先の戦いで心が折れるだろう。既に死んだようなものだが、まだ死ねないのだ。僕の戦いの全ては『あの人』との綺麗な思い出を守る為、その決意こそが今の僕の原動力だ。
その為なら僕は悪者にだってなれる。昔そう決意した時からそれは揺るがない。振り返り、自分の未熟さを再認識し第三者に教える事でさせることで、またひとつ変わるのだ。
目を開ける。目の前には僕の言葉を待つ2人。
僕は真っ直ぐ見つめ返し、胸を張る。
そして、ゆっくりと言葉を声という形にした。
「僕、
これは、僕の悔恨の記憶。
今回、初めて作品を投稿させて頂きました。沢山試行錯誤して作りました。お楽しみいただけましたら、引き続き今作品をよろしくお願い致します。